毎年変わることがない星空ですが、私の楽しみ方を紹介しましょう。
最低限の情報は年1回の年間購入
やはり、最低限の情報がないと、星空を見るチャンスを逃します。
それには、「藤井旭の天文年鑑」か、少し高度な内容の「天文年鑑」を購入しておくと便利です。
天文年鑑のほうは、私にはちょっと難しいので、ほとんどは「藤井旭さん」のほうを購入しています。
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藤井 旭の天文年鑑 2025年版: スターウォッチング完全ガイド 新品価格 |
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これらの本は、毎年、秋が深まる頃に次年度版が販売されますので、本屋さんでチェックしてみてください。
藤井旭さんの天文年鑑は、一般人にもわかるように、絵が多くてわかりやすいでしょう。
どちらかの1冊を購入して手元においておけば、その年の日食や暦の情報などの天文情報が簡単にわかります。
最近のマスコミは、騒ぎすぎの感があり
情報が多くなりすぎるのも困りものです。
最近は、TVに気象予報士さんの出番が増えて、何かの話題を提供しないといけないということもあるのか、どうでもいい天体・天文の話題が取り上げられることが耳につきます。
例えば、ストロベリームーンやブルームーンなどですが、アメリカなどの外国の習わしを引っ張ってきて、まことしやかにオンエアーされることが多くなっていますし、天文の話題でも「今日は、**流星群が最大で…」なども同様に、星がばらばらと降ってくるように報道されます。
これらの多くはどうでもいいもので、アメリカの話はどうでもいいことですし、また、流星群も、都会に住んでいると、流星を見ることもありません。
このように、余分すぎる情報は、自分なりの知識を持っておいて、マスコミの話題を聞いて、自分なりに整理できるようにしておかないといけないことです。 いい加減な知識で人に話すと恥をかくかもしれませんから。
マスコミがはしゃぐほどには、都会では星が見えない
都会の空では、2等星の北極星や北斗七星すらも肉眼でははっきり見えませんから、「流星群」とは言うものの、小さなゴミ粒が光る4等級レベル以下の流星ですので、まず、都会では見えません。
私の経験ですが、流星群観察の番組で信州の山奥のCCDカメラ画像を写していたので、息子と家のベランダに出て、2時間寝転んで空を眺めていたのですが、番組では10分に10個以上の流星が見えているのですが、2人で確認できたのは、放射点とは違う方向に飛んだ1個の流れ星を確認しただけです。
でも、都会の空では、惑星とお月さんが楽しめます。
惑星と月の満ち欠けだけ見ているのも充分に楽しい
随所で紹介しているサイトですが、国立天文台の「今日の星空」のサイト を利用すると楽しみ方が広がります。
都会では、星座のほとんどは肉眼では見えませんが、まず、この「今日の星空」のサイトを見て、その時間の星の様子を頭にインプットして空を眺めると見える感じがするのも不思議です。
手元に星座表があればベターです。
星座盤には多くの星が描かれているのですが、もちろん、都会の空ではほとんどの星座は確認できません。
でも、①お月さんの満ち欠けの様子 ②惑星が見えていればラッキー ③明るい星の名前や星座を思い浮かべて、星座が見えないかなと眺めていること … などだけでも楽しめます。
それ以上は双眼鏡や望遠鏡があれば見えてくるのですが、それでも、星座盤は持っておくのがいいでしょう。
ダイソーさんのものが安価で見やすいのでおすすめです。
私の星座盤の使い方
夏の時期を例ですが、私はこのように、星座盤を上にかざして空を見ます。
北の空の北極星の方向をあわせて、天頂(真上)をイメージして、星座盤を頭の上にかざして見るようにしています。
北極星は2等星で、私のベランダからは、北の空がもやっていることが多くて、北極星が見えない日のほうが多いのですが、北極星がよく見える日に、ベランダで立ち位置を決めておけば、周りの景色と北極星の方角や位置がわかりますから、北極星が見えなくても、その位置がわかるようにしておくようにしています。
このような見方で、私はようやく実際の星空と星座盤が頭の中で合致させているのですが、このように、自分なりの方法を見つけるといいでしょう。
夏の北斗七星と春の大曲線
そして例えば、夏の夜空の楽しみ方では、おおぐま座の北斗七星が確認できればしめたものです。
夏に入っても、その柄杓の柄の延長が「春の大曲線」と言われる、春に真上に見える明るい星々があり、夏の季節の宵の口でも西の空に見えていますし、そして、毎年同じ形で見えますから、意識しているとその全体像が頭に残っていきますので、自分なりに楽しめます。
この北斗七星の、柄の部分から伸ばした大曲線上にある アークツルスとスピカの2つの1等星 は見つけられるでしょう。これだけでも大満足できますよ。
たなばたの星と夏の大三角
天頂から東寄りに目を移すと、「たなばた」伝説に関係する星(ベガ:織姫・アルタイル:彦星)を含めた「夏の大三角」が見つけやすいので、夏はこれを追い続けましょう。
もちろん星座盤にある「天の川」はまったく見えませんので、この3角形「夏の大三角」を見つけたら、2つ目のミッション完了です。
このように、少ない星々しか見えませんが、見える星が確認できるだけで、満足できますから、自分なりの楽しみ方を見つけてくださいね。
ダイソーさんの星座盤が見やすくておすすめ
こちらに私の書いた星座盤の記事があります。この星座盤は100円ショップの「ダイソー」さんで購入したものですが、小さな星をかなり省略してあるので、それがかえって見やすいです。
近くにダイソーさんのお店があれば、110円で購入できる、この星座盤をチェックしてみてください。
惑星が楽しい
かなり前の星空ですが・・・
これは、おすすめしている国立天文台のHPの「今日の星空」の一部です。(この国立天文台HPについては、こちらに私の記事でも紹介)
このサイトでは、惑星や月の様子も紹介されていますし、今年だけでなく、過去未来の星空も簡単に見ることができます。
都会では星が見えなくなってきていますので、惑星だけを追いかけるのも面白いです。
1等星よりもかなり明るい、金星、火星、木星、土星は見つけやすく、これらの1つでも見えると楽しいですよ。
冬の星で有名な、全天で一番明るい「シリウス」(冬の星座おおいぬ座で、夏は地平線付近にあって見えません)が -1.5等級 ですが、金星、木星、土星などの惑星は、それよりも格段に明るいので簡単に見つけられます。
夏の星空で見える明るい星では、アークトゥルス(うしかい座)ー0.04等級、ベガ(こと座)0.03等級 などの明るい星ですが、それでも、惑星の明るさには勝てません。
双眼鏡や望遠鏡があれば楽しみが増します
私は、ビクセンの POLTAⅡA80M(Max150倍:販売終了)という、オールインワンの安価な機種でベランダから夜空を楽しんでいます。
望遠鏡で見ても、恒星は「点」でしか見えませんが、惑星はこのような安価な望遠鏡でも形や色がわかります。 自分で土星や木星の衛星が見えたときは感動しましたので、ぜひトライしてみましょう。
最近話題で聞くことが多い「流星群」 でも、都会では無理
これは例年8/9-8/13ごろに流星が極大になるペルセウス座流星群(この画像は2019年のものです)の放射点で、ペルセウス座の※部分を中心に、放射状に流れることで、ペルセウス座流星群とよばれます。その他でも、
1月:しぶんぎ座流星群
4月:こと座流星群
5月・7月:みずがめ座流星群
8月:ペルセウス座流星群・はくちょう座流星群
10月:りゅう座流星群・オリオン座流星群
11月:おうし座南流星群・おうし座北流星群・しし座流星群
12月:ふたご座流星群・こぐま座流星群
などがニュースなどで話題になります。
しかし、ほとんどの流星の等級は4等星以下のチリのような粒が光るのですから、「流星群」といっても、都会では肉眼では見えませんが、私は寝る前にベランダに出て夜空を見るようにしていますと、数年に一度、流れ星を見ることがあります。ISSに出会うこともあります。
これからは、ますます、都会での観察環境は悪くなるので、流星を見たことのない人も増えるでしょうね。
星が見えたらもっと見たくなります
10倍程度の双眼鏡があれば、都会では肉眼では見えにくい水星が見えます。 もちろん、月のクレーターも見えるので、結構感動します。
そして次は望遠鏡が欲しくなって、5万円程度の望遠鏡を購入したのですが、150倍程度の倍率の小さい天体望遠鏡でも金星の欠けている形がわかりますし、運が良ければ、木星の縞模様、土星の輪、そして、木星、土星を回る衛星が見えます。
天球儀がないので恒星を追うのは難しいので、… と、次々に深入りしたくなるのですが、お金がついてこないので、惑星とお月さんをみるだけで我慢の状態ですが、それでも結構楽しんでいます。
→5万円以下で、そこそこしっかりした天体望遠鏡をAmazonで探してみる
都会では最大仰角17度の水星は双眼鏡がないと見るのが難しい
太陽に最も近い惑星の「水星」は、太陽に近いために日の出日没頃しか見えませんし、最大仰角も17度程度ですので、よっぽど好条件でないと見ることができませんから、「今日の星空」や「藤井旭の天文年鑑」などでチャンスを確認してぜひチャレンジしてみてください。
最後に、国立天文台のHPは星を見るのにとても便利なサイトです。ぜひ御覧くださいね。
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以上、数字などは、国立天文台のHP、理科年表、藤井旭の天文年鑑、wikipediaなどを参考にしています。また、この文章もその年の話題を加えて追加変更しています。
(来歴)R5.2月に誤字脱字を含めて見直し R7年10月に見直し