虹と星のちょっとした関係は

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全天にかかった虹

久しぶりにベランダから虹を見ました。全天にかかる状態に見たのは、本当に久しぶりです。

虹の根本

根本(地面と交わるところ)のところをよく見ると、後ろの山の手前にあるように見えます。

「虹の彼方」にという表現がありますが、虹は地球上のものですので、このように、思ったより近くにあるのですが、遠いところにある星までの距離を測るのに、この「虹」が関係しています。

星までの距離を測るスペクトルの利用

星までの距離を測る一つの方法の一つに「光のドップラー効果を利用する方法」がありますね。

太陽スペクトルの吸収線 太陽スペクトル(イメージ図)

星からくる光をプリズムで分光すると、虹のような「スペクトル」が見られます。

これは太陽のスペクトル(説明のためのイメージ図です)です。救急車の音が近づいてくる時と遠ざかるときで音が変化するのを知っていると思いますが、これをドップラー効果といい、光も波ですので、星の運動がこのようなスペクトルを調べることがわかります。

「宇宙は、遠くの星ほど遠くに飛び去っている」ということがわかっており、スペクトルに見られる吸収線(フラウンホーファー線)の種類で、その星を構成する元素の種類がわかります。

さらに、離れていく速度によって赤外線側に吸収線の位置がずれる(これを赤方偏移といいます)のを調べることで星の運動速度がわかります。

そしてさらに別の方法ですが、星の速度と星までの距離の関係(ハッブルの法則)がわかっているので、それによって星までの距離がわかる・・・というのです。

もちろん、星からの光は微弱で、その途中に測定に対するいろいろの障害があるので、こんなに簡単なものではないのですが、・・・。

気まぐれな内容になりますが、まず、光が7色に見える虹の話から始めます。

虹を見るといいことがある?

虹 2重の虹

太陽などのスペクトルは、プリズムを利用して光を分解すると見えます。空に見える虹は、空気中の水滴が小さなプリズムの役目をして光が分解されて、空に虹を作ってくれます。

「スペクトル」は、このように次々に色が並んだものをいいますが、太陽のスペクトルは可視光線の波長に従って変化していますので、厳密に言うと、色の継ぎ目はよくわからないと言えます。

それはともかく、雨上がりに虹を見ると、うれしくなりませんか?

「7色の虹」という言い方をしますが、7色かどうかも、そして、色の境目もよくわかりませんね。でも、「虹=7色」というイメージなので、7色ある・・・としておきましょう。これのほうが夢がありますから・・・。

この虹は空の水滴がプリズムの代わりになって、太陽の光を分解していますので、太陽を背にしないと見えませんし、自分の目が「その虹」を見ているので、前方に見える虹は丸いドーム形に見えます。

そのために、それも一定の高さ(角度)にしか見えない仕組みなのですが、余り見る機会が多くないせいか、大きい虹、小さい虹、近くの虹、遠くの虹・・・などと、イメージでは、いろいろな虹があるように思ってしまっています。

上の写真のように、時々、虹の外側に、色が反対になった虹ができているのを見ることがあります。

これは、2回反射した光が見えているということのようです。条件が良ければ、2重ではなく、原理的には、何重にもなった虹が見えるはずです。WEBなどで写真を探すのも面白いかもしれませんね。

普通見る虹は、いつも半円のようなものしか見ることができませんが、山昇りで「ブロッケンの妖怪」という現象を見たことがありませんか?

私はデジカメがない時代に何回か経験しました。私の撮った写真は、汚いプリントのため、WEBにあった写真をお借りしましたが、まさにこれです。

足元から長い脚が伸びて、霧の中に私の姿が「後光が差して」見えるのです。

ブロッケンの妖怪

太陽を背にして、夕方に、前方に雲が立ち上る山の稜線などで、その雲に7色に光る後光の付いた自分の影が映っているので、何か「仏様」のような自分になるのですが、虹の後光が自分のカメラ目線を中心に輪になリます。ブロッケンの妖怪とも呼ばれています。

このことから、地上で見る虹も、条件が良ければ半円以上のアーチが見られるはずです。

でも、それは断崖絶壁の上にたって、その前方に虹がかかっているような、非常に特殊な条件の場所でしか見られないのでしょう。

こういう場所も、写真チャンスも非常に少ないので、普通の場所ではそういう半円以上に虹が見えることを経験できないといえるのでしょうか、そういう写真は見たことがありませんが、理屈としては、半円以上の虹も「アリ」のはずです。

この虹もいろいろな場面で見ることができます

太陽光の分光

太陽が差し込む部屋に水の入ったガラスコップを置いていると、虹色が見えることがありますね。

水を入れたグラスが透明の太陽光を色のある可視光線に分けるのですが、部屋に写る虹色は、この写真のように長いものではありませんが・・・。

太陽光でも、電灯光でも、その波長に応じたスペクトルが見えるということです。

ただ、電灯光などは太陽光のように、元素が溶けていないので吸収線のない連続スペクトルになっています。

もう一度スペクトルの話を・・・

この虹を見ても、色の境目はわからない連続した色になっています。光は連続した波長をもつ電磁波で、人間は特定の波長のものを色として感じているからです。

そして、「虹は七色」に見えるというのは、すばらしい人間の感性といえます。

太陽光スペクトル:国立天文台 (国立天文台の資料より)

精密に加工されたプリズムに太陽光を通すと、このようなきれいな虹色と吸収線が現れますが、絵に書く虹と全く違うのも面白いですね。やはり、いいイメージに色分解をする人間の脳は素晴らしいのです。

星の運動を調べるのが職業となると大変です。微弱な星からの光をずれることなく、長時間の露光をして写真を取り続けるのですから、この上の写真ではすごいものなのです。

もちろん、この技術も月日として向上していて、得られた内容や数字は年を経るにつれて精度を上げてきているのでしょうが、100年以上前からこの考え方で星の動きに取り組んできているというのですから驚きます。

星までの距離は・・・

月の距離は、アポロ計画で月面上に運んだ反射板を使って、レーザー光が返ってくる時間から精密に測定されています。

ウイキペディアの記事では、毎年平均して3.8cm地球から遠ざかっている・・・というような精度で測定できるようです。

月の運動速度が落ちているために付きが地球から遠ざかっていくということですが、月の運動は単純なものではなく、波打ちながら地球の周りを回っていることまで調べられているということなので、こういう数字は、単なる「話のネタ」と考えておく程度がいいと思います。

詳しく知りすぎると、難しい内容になってしまいますから・・・。

星の距離についてはなおさらです。0.001光年の測定誤差は光速30万x60秒x60秒x24時間x365日≒9460800000000kmもの誤差ですので、一般人としては、0.001はすごい精度だとイメージで考える程度でいいと思います。

数十光年以内の近くの星であれば、地球や人工衛星を使って年周視差を測る方法があります。

これは三角測量のようなもので測定できるのですが、三角定規を使って、木の高さを測る方法を中学生で習いました。

現在では、これと同じ方法で、1度の60分の1の1秒よりさらに小さな角度を測るという、すごいことが行われているのですが、遠くに行くに従って地上の距離では考えられないような誤差が出るのは当たり前です。

もっとも、実際の星まで、100万kmの誤差があろうがなかろうが、そこに行くことはありませんし、何の生活への支障もないので、一般人はどうでもいいことなのですが、それを専門にする方の努力を考えると驚きです。

さらに遠くの星になれば、ここにあるスペクトルによるドップラー効果を用いた測定のほかに、変光星の周期を調べることで絶対等級の関係がわかり、さらに、それをハッブルの法則を用いることで距離が推定されるのです。

・・・とは言うものの、隣の恒星までは、光の速度でも4.3年もかかります。それをロケットで行くとすると、相対性理論では光速で飛べないし、加速減速があるので、数百年かかるということをSF小説まがいの本に書かれていた記憶があります。(もちろん、数百年かけても無理でしょうし、行かないでしょう)

数光年でもそれぐらいの年月がかかるので、何億光年は身近ではない数字なので、星は「遠いところに浮かんでいる」と考えておくのがいいのかもしれません。

宇宙の大きさ?

さらに、現在の宇宙の大きさについて、ウイキペディアには「宇宙の年齢についての最新資料では、今日が宇宙誕生から137.72±0.59億年後で、宇宙の膨張は加速しており、・・・」と書いてあります。

私の記憶では、30年ぐらい前には30数億光年程度の数字ではなかったのかなぁ・・・と思うのですが、この宇宙の大きさの数字が最近急に増えてきたように思っています。(WMAPなどの探査機の成果が大きいようです)

宇宙は光速で広がっているとともに、空間が光速以上に広がることが可能で、たとえこの宇宙の大きさの誤差が0.59億年という信憑性の高そうな数字になっていても、神様はほくそ笑んでいるかもしれません。

きっとこれからも、どんどん増えていくのでしょう。

最近までは、宇宙は138億光年の・・・とあったのが、すぐに塗り替えられて、140億光年の・・・という記事も出てきているくらいに宇宙は「非常に大きい」もので、どんどん大きくなっているということなのですが、さらにこれは「観測可能な」ところの大きさ・・・だというのには、さらにびっくりします。

何か数字がないと「客観性に欠ける」ということでしょうが、北斗七星のそれぞれの星が何万光年離れているとか、牽牛星(彦星)と織女星(織姫)は何光年離れているといわれたら、ロマンもぶち壊しですから、かえって知らないほうがいいのかもしれません。

昔の人々は、天球に星が張り付いており、それで太陽、月、惑星などがそこを動き回るイメージを持っていましたので、そこから星にまつわる物語が生まれて、それがいろいろなところで現在でも楽しませてくれますし、受け取り方の違いはあっても、星占いなどで結構楽しんでいる人も多いでしょう。

科学の進歩が人に役立つ知識を与えてくれるのはいいのですが、(私も宇宙ネタは好きですが)知りすぎると、何かロマンをぶち壊すので、適当なところでいい感じもします。


(来歴)R1.10 写真追加

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