赤く見える火星の話

私は、寝る前に数分間だけでも夜空を見上げることにしています。

ただ、2019年の秋から2020年の夏前までは、夜の22時ごろには明るく輝く「惑星」が全く顔を出さないので、楽しみが激減しますね。

朝に早起きすれば、2020年の4月の初めごろには、夜明け前に、南東の空の低い位置に木星、土星、火星が固まってひと所に見える予定になっていますが、夜の22時頃で惑星が顔を出すのは2020年の6月末ごろから、ようやく、まず、木星、土星が見え始めてくるのですが、ここで話題にする火星が見えるのは、2020年8月末頃からになります。

この火星は平成30年に大接近して、長い間楽しませてくれました。

2020年の接近時には、下の資料のように、2020年の8月ごろから2021年の4月頃まで、寝る前の時間帯で、日を追って、東から西の空へ移っていきながら楽しませてくれるでしょう。

明るさも、10月頃には-2.4等級ぐらいになる予想ですので、その時には、木星と同じほど明るく輝いてくれそうです。

H30.7の火星 平成30年7月大接近の火星

惑星は恒星に比べて明るいうえに、居場所が移り変わってくれますので、結構楽しめます。

上の写真は我家のベランダからインスタントカメラで撮ったものですが、惑星は地球の仲間ですので、何か一つでも見えていると、気持が妙に落ち着く感じがします。

2020年秋にも盛り上がりそう

2018年には、「火星大接近」ということで、結構話題になりました。

天文用語では、惑星などの天体が最も地球に近づく状態を「地球接近」といい、特に近づくのが「大接近」で、近づくけれどあまり近くないのが「小接近」と呼ばれています。(理科年表)2020年は「ほぼ大接近」と言っていいでしょう。

大接近 藤井旭の天文年鑑より 藤井旭の天文年鑑より

この火星ですが、地球の外側を回っていて、火星の公転周期は687日で、地球(365日)とのズレが有るため、その会合周期(近づく周期)は約780日ですので、2年2ヶ月ごとに接近して大きく見えるようになるということのようです。

そして、少しだけ楕円軌道を回っているために、会合するときの距離が変わリます。このために、上図のように見え方や大きさが変わることになります。

火星の近日点(地球に最も近づく時)で会合すれば最も大きく見えることになるということですが、過去には2003年がそれの時にあたっていて、大きく見えたということをニュースで騒いでいた記憶があります。

当分大接近はなさそうで、次は2050年とされています。多分私はこの世にいないでしょうが、アメリカのトランプ大統領が火星探査に力を入れる・・・という噂もでています。なにかがある可能性に期待したいですね。

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火星の赤い色は酸化鉄

火星 NASAより NASAのHPより

グスタヴ・ホルストが作曲した組曲「惑星」での表題は『火星、戦争をもたらす者(Mars, the Bringer of War)』となっています。火星の赤い色は、戦争や血の色を連想させるのでしょうか?

2012年8月に火星に軟着陸したアメリカの探査機キュオリオシティーの写真を見られた方も多いと思いますが、荒涼とした赤い地形が広がっていますね。

火星の赤 NASAのHPより

これは、酸化鉄の色(鉄サビ色)と言われています。

家にあるVixenの天体望遠鏡 ポルタII A80で150倍程度の倍率で「大接近した火星」を見たときには、赤さの程度は、(うえにある)両方の写真の色の中間の色の感じに見えていました。そして、赤い感じの色の丸い中に薄い黒い部分が見えます。

もちろん、安価な望遠鏡ですので、ぼんやりしていて、「イメージ」の助けで見ていますので、この写真のように鮮明には見えません。そして、写真がうまく撮れる腕もありません。

だから私は、ここにあるNASAの写真などを頭にインプットしておいて自分の望遠鏡で眺めるようにしています。

そうすると、「見えるような感じ」がしてきますので、それで「見えた」と思うようにしています。

望遠鏡に、この10倍の費用をかけても大した見え方にはならないでしょうから、NASAなどの写真のイメージとモヤッとした「見える感じ」の感覚を「5万円程度の安価な望遠鏡で楽しめる」というのはすごく幸せ感があります。

何よりも、自分の目でそれを見てみると感動しますので、望遠鏡を買うお金とそれを据えて見ることができる場所があれば結構楽しめますので、安価な望遠鏡でもいいので、ぜひ購入されることをおすすめします。

「5万円程度で夢を買える」と思えば値打ちがあります。

都会の明かりがあっても、この5万円前後の安価な望遠鏡でも、「土星の輪」「木星のシマシマ」、そして土星、木星の数個の衛星が見えます。もちろん、お月さまも見ていて楽しいです。

ただ、残念なのは、写真が取れるだけの予算が突っ込めないことで、我が家の大蔵大臣に相談しても、完全に無理みたいですが、それでも、この基本セット(望遠鏡だけ)だけでも結構楽しませてくれます。(こちらの関連記事に写真があります)

火星と言えば「火星人」

火星の気温は-20~-80℃程度で、二酸化炭素が主成分で0.3%程度の酸素が含まれているといいますが、火星に住むといってもホームごたつに入って過ごせそうにないので、もちろん行きたいとは思いません。しかし、写真などをみているとワクワクしますネ。

火星探査機バイキングやキュリオシティーなどの画像や探査で、過去には地球と同じような豊な海があって、水が流れたあとのような地形がみられて、現在も土壌に氷があるということがわかってきているようですが、地球のような海がなく、磁気圏がないことで放射線を遮ることが出来ない・・・などもあって、地球の生物のようなものがいるかどうかは全くわからない状態のようです。

このように、次第にいろいろと火星の詳しい様子がわかってきて情報が新しくなってくると、今ではタコのような火星人の想像図を書く人はいないと思います。

考えてみると、望遠鏡で眺めるしかなかった昔には、SFなども内容が豊富であったようで、それらを読んで空想していたのも楽しかったのですが、科学の進歩がベールを剥がすにつれて、何か味気なくなっていく感じもします。

それはともかく、肉眼で眺める夜空も実にいいです。毎日数分間ですが、寒くても暑くても、寝る前に星空を眺めています。実に至福の数分間と思えるようになっています。

肉眼で流れ星を1回だけ見たこともあります。もちろん、願い事を3度唱えることは、全く考えつきませんでしたが・・・。

天文ショウが少ない年は楽しみが激減

2019年は星空の話題に乏しい年でしたが、来年2020年も、「天体ショウ」という感じのものは少なそうです。

もちろん、「本当のマニア」の方であれば、違う楽しみ方をされるでしょうが、「寝る前の数分間マニア」の私は、020年も「金星が大きく見えることぐらいかなぁ・・・」と思っています。

金星、火星、木星、土星などは、恒星よりも明るく、絶えず位置が変わるので、お友達感覚で楽しめます。「惑星」の「ワク」はワクワクのワクと思っています。

冬の星座「オリオン」の左下に見える、恒星でもっとも明るい「シリウス」は約-1.5等星ですので、2020年秋の火星は-2.4等星だとすると、およそシリウスの2倍以上「見た目で」明るいというのですから、今から楽しみにしていましょう。


(参考)見かけの等級

1等級ちがえば約2.5倍の明るさの違いになります。

宵の明星などと言われる、非常に明るい金星は、-4.7等級で、「ピカッ」と夕空に輝く宇宙ステーションISSを見たことがある方もおられると思うのですが、それも同等の等級です。

満月が約-13等級で、半月が-10等級といいます。

北極星が+2等級(いわゆる2等星)ですが、都会では、北極星を見つけられない人も増えてきています。都会では、2等星すらも見えにくくなってきています。

それらの恒星に対して、惑星は太陽の光を反射していても、金星、火星、木星、土星などは、恒星の距離に比べると近いところにあるので明るく見えているのです。


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