天気予報が当たらないと思っている人、この指とまれ

WEBの検索窓に「天気予報」と打ち込むと、関連ワードには「天気予報 当たらない」や「コロコロ変わりすぎ」などが出て来ます。つまり、天気予報を「当たらない」と感じている人が多い証拠かもしれません。

私自身も100%信用していませんが、天気予報が無いとやっぱり困りますから、当たらないと不満を持つより、自分が納得できればいい・・・と思うようにしています。私の見方・考え方などを紹介しながら、天気予報について見ていきます。

降雨の適中率は平均で83%

その天気予報の確率についてですが、発表されている降雨について、「当たる確率は80%を超えている」と言われると、「え?」と思われるかも知れませんが、そうなのです。

これは気象庁のHPにある2つの図表です。

近畿の天気予報的中率

気象庁のHPには、これを含めていろいろなデータやその見方説明されています。

たいへん大きなサイトなので、データを探すのも大変でわかりにくくて、それを読むのも大変で、一部を紹介していますが、このグラフは、数字の魔術のような感じがします。

時系列の平均をとってしまうと、このような数字になるのです。しかし、どう考えても、自分の天気の感覚とは違うようです。

ただ、ざっと見たところでは、誤差は年々収束して、近年は精度が向上していることは確かでしょう。

ここでの「的中と適中」の違い

ですが、広辞苑によれば、同じような意味ですが、的中の方は「マトに当たる」という意味があるので、気象庁は「適中」が使われているのでしょう。しかし、「適当に当たる」というように読んでしまいそうです。

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この数字の裏には、「月平均でこれだけの誤差があるので、毎日24時間の適中率は、これの数倍は大きく変動しているはず・・・」ということが隠れています。

毎日毎時間の変動(誤差)を肌で感じているからこそ、どうも、上のグラフは、自分が感じている適中率とちがう・・・という違和感があるのでしょう。 もう少し短時間平均などの、もっと別の見方をしたデータが欲しい感じがします。

雨降り日数は29%

1年の降雨日数のデータでは、たとえば大阪府の場合は、降雨日数105日 で、雨が降ったのは、1年365日のうちで105日(28.8%)だった・・・ということです。

つまり、曇りの日を含めて、雨の降らない日(晴れと曇りの日)は、年間で約71% ですが、上のグラフでは、月平均のグラフが、この71%を下回っているところがあるので、週平均、1日平均となると、もっと精度が悪いところがでてくる・・・ということになります。

つまり、変な言い方ですが、毎日「晴れ」の予報を出しておいても、遠からず・・・の確度で「当たる」と言えることなのですから、これでは「毎日が晴れ」と予報しても、そこそこの確率で当たっている・・・ということになります。

これも「数字の魔術」で、もうすこし、データのとり方を変えたものがないと、これで83%が正しいということにはならないでしょう。

 

でも、天気予報がないと困る

こう言ってしまうと天気予報はいらないことになるか・・・というと、そうではありません。

同様のデータのとり方で、1960年頃までは、この降雨適中率は75%程度だったようですので、それが83%になっているということは、長期的には精度は上がっていると言えるのは確かですから、基本的には信頼していいでしょう。

このデータで確度が上がっているというのは簡単に納得しにくいのですが、気象庁のHPには、もっと詳しい説明があるので、興味ある方は(見にくいですが)一度ご覧いただくといいでしょう。

雲の写真これは雨の雲?ただの雲?

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各社各様の天気予報が作られて公開されています

WEBサイトで「天気予報」で検索し、全国規模のものをピックアップすると、

気象庁 | 天気予報 – 気象庁ホームページ  Yahoo!天気・災害 – 天気予報 / 防災情報  日本気象協会 tenki.jp【公式】   天気・地震・台風 全国の天気予報 – ウェザーニュース  NHK あなたの天気・防災|全国天気予報   天気予報 お天気.com   全国の天気予報 マピオン天気予報   ピンポイント天気、気温、週間天気 @nifty天気予報   天気予報:朝日新聞デジタル   GPV 気象予報   天気予報 – CBCテレビ   みんなの天気予報 BIGLOBE   天気予報: 天気予報 きょうの天気 エキサイト天気予報   今日・明日・週間天気予報 WeatherEye – お天気ポータルサイト - ・・・
・・・と、いろいろな会社のサイトがならんでいます。

気づいておられると思うのですが、これは、この会社(サイト)が天気予報をしているのではなく、たくさんのWEBサイトがあっても、その内容(情報)の出どころは、同じところのものもあります。

しかしそれでも、最終的に公表されている内容は、微妙に違っているので、やはり、各社は工夫しているようです。もちろん、情報提供会社が違えば、かなり表示内容も変わっています。

これらの天気予報の多くは、気象庁の5時・11時・17時のデータに合わせて、それをもとに、6時・12時・18時の予報を掲載しています。

私は普段は日本気象協会とNHKのサイトをお気に入りに入れてみているのですが、みなさんも2~3のサイトを同時に見ていると、微妙に予報内容が違っているのがわかって面白いですよ。

天気予報はビジネス

多くの気象会社は、気象庁などのデータを加工して、目的に応じて各所にデータを販売しています。それを使って放送やWEBなどで天気予報を出しています。

提供する会社側は、もしも予想が外れると、それが会社の評価や業績に関わりますので、そこが企業の力の見せ所になります。

見えない視聴者からの圧力もあるので、中途半端な予報ができないことも確かでしょう。

天気予報会社のウェザーニュース社は、「もっともよく当たる」というPRをしています。これは下手をすると、過大広告とみなされる表現ですが、しかし、頼もしさもありますので、許される範囲としてもいいでしょう。

そこまで言える会社なので、私自身も、いい評価をしています。 きっと、気象庁でも集計していない、独自のデータを持っているのでしょうから、当たらなくてもいいので、それらのデータや実績を、どんどんPRしてほしいものです。

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たくさんの気象従事者が頑張っています

気象庁のページを見ると、気象・予報の許可業者は70を超えていて、気象予報士の人数も、R1年8月に1万人を超えて、以降も増え続けています。

その気象予報士を抱える「予報業務の許可業者(いわゆる民間気象会社や個人)」には「数値的根拠に基づいて天気予報を出す」ことが法律で義務付けられています。

これが気象予報業務の基本で、それに付帯した業務を含めると、気象関係従事者は膨大な人数になります。

だから、それらの人が関わる天気予報は、決して「占い」などではなく、正真正銘の「科学」で、気象庁のデータに基づいた情報が気象庁の考え方に沿って発信されるのですから、当たっていなくても、それは法律的にもしっかりしたものであり、出される結果も、許可された範囲で、正しいやり方に基づいたものです。

天気予報で社会は動きます

そういう科学的データなので、これらの気象情報は、私達が知りたい気象予報にとどまらず、自治体の行動、日常に行われている商売・・・などにも活用されています。

「来年の天候は雨の日が多くなり、気温も低めになるでしょう」という天気予報を出せば、傘屋さん(傘の販売者)は傘の仕入れ量を増やし、農家は雨対策や冷害対策を考え、商社は今年の穀物を多い目に手当する… といった行動に結びつく天気予報(ここでは中長期予報)は、政治・経済にも非常に大事なものです。

たった一言の「1年先の天気予報」が、株や穀物相場を動かし、それが世界経済や世界動向に波及するのですから、私達が「天気予報は当たらない」というようなレベルでの話では収まらない内容を含んでいるといえるでしょう。

もちろん、気象庁の許可範囲は細かく制限されており、予報業務の制限もあります。逆に、気象庁に許可されていない企業が出す天気予報というのもあります。

それらの情報が穀物相場などを動かすというのですから、確度の高い裏の気象予報情報は、高値で取引されている・・・という裏話もあります。これらの非公式天気予報は、公には出ることはありませんが、裏で世界を動かしているというのです。

気象データは一般人レベルだけでなく世界的に利用されており、日本だけでなく、各国もスーパーコンピュータを使った情報を収集しており、近年では、日本への台風の進路予想をアメリカやヨーロッパの予想を交えてTVの天気予報で紹介されていることをご覧になったこともあるでしょう。

もちろん、各国の気象情報は、戦争などの非常時には「極秘情報」になるので、現在で共有され公開されているのは一部のデータのはずです。 北朝鮮上空のレーダー画像などは、マスキングされているなどを意識して天気予報をみると面白いですよ。

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各社各様で工夫がいっぱいの天気予報

各社の情報競争で結果が評価されるので、天気予報は工夫されて洗練され続けています。

現在では、1~5kmの格子ごとに予報した結果で天気予報がWEBでみることができるようになっていますので、町村などの狭い範囲での天気予報も簡単に分かって、非常に便利になりました。

下の例は、天気が安定している時期の私の住む場所の3社の画面例ですが、それぞれで微妙に内容が異なっている・・・ということを知っておくといいでしょう。

9月のある日の天気予報比較

それぞれに示される項目は統一されていませんが、概ね、この日の予想は「晴れ」ですが、時間ごとの天気、気温の最高値、風向風速などは各社で微妙に違っていますね。

これらは「どうでもいい」と思うか、「結構な違いがある」と思うかの個人の受け取り方もありますが、少し無責任で気まぐれと感じる方もおられるでしょう。

その他各社の表示画面を見てみましょう。(R2年4月のある日の私の地域の天気予報の例です)

天気表示画面 tenko.jp NHK

天気表示画面 yahoo msn

天気表示画面 goo biglobe

天気表示画面 ウエザーニュース 気象庁

このように、見やすさの違いや項目内容は違っており、各社が工夫された内容です。

私は、tenki.jpとNHKのサイトを常用していますが、yahooの天気予報がよく見られているようです。

天気予報の情報はさまざまで、ピックアップすると以下のような項目がありました。

今日の天気   明日の天気   3時間天気   1時間天気   週間天気   10日間天気   衛星写真画像   天気図   雨雲レーダー   アメダス   PM2.5   気温変化   体感温度   気圧   降水確率変化   降水量変化   湿度変化   風向・風速変化   視界   SNS気象参加   天気概況   生活指数(紫外線・洗濯)   警報・注意報   災害防災情報   花粉情報   露点

この中では特に、ヤフーやウェザーニューズなどで、SNSで地域の人からの天気状況を紹介するなどがあってすごく身近な感じがする内容もあります。

おおもとの「気象庁」が、一般参加のデーターを使って、予報づくりをするのは、立場的にも難しそうですので、このような一般参加型のデータを使えるのは、民間の強みでしょうね。

SNS情報では、たとえば、概ね「晴れ」の天気予報であっても、SNSで送られた天気報告では、「雨」と報告されているなどの、データに表れない情報がわかるのも非常に新鮮です。

天気予報は計算による結果です

アメダスという言葉は、みんなが知るようになってきていますが、このシステムやその他の電子情報を用いることによって、きめ細かいコンピュータによる天気予報ができるようになっています。

現在では、1~5平方kmごとの予報ができるようになっていて、非常にたくさんのデータの数をスーパーコンピュータで処理をすることから、そのデータが多いほど「予報の計算」が正確迅速になってきます。

大阪府の気象データ位置

大阪府の例では、これらの地点で自動的に収集する実測のデータに、物理学の法則、統計的な数値予報の結果、天気や気温の関係式・・・などを組み合わせてコンピュータの計算によって天気予報が出されています。

しかし、こんなに進歩した仕組みを用いても、「天気予報が当たらない」という感じが拭えないのは、これだけではない要素があるに違いありません。

「カオス」という言葉が思い浮かぶのですが、カオスも、観測データが増えてくると、直前予測はできるので、将来的には、「当たらない」ということの是正はできるということですね。

現実的な例ですが、私の職場と住居は、直線距離で3km程度しか離れていないのに、片方で雨が降っていても他方は降っていないということも多々ありますし、車に乗っていて、ワイパーを回すほどの雨が降っても、「アメダス」のその場所の1時間状況は、「降雨ゼロ」となっていることがあります。

これらは、測定点を細かくして、データ採取を頻繁にすれば、変わってくるのですが、もう一つ、「雨が降っていても雨ではない」というケースは、1mm以上の雨でないと「降雨」と判定しないことが違和感を生む原因の一つで、1mmの雨は「結構な量の」雨の降り方です。

(注)最近の天気予報では、従来の降雨基準が「1mm以上の降水」であったものが、「0.5mm以上の降水」と報道されているのを聞きます。さらに良くなってきている感じかなぁ・・・と評価しています。

このように、天気予報の実況天気が「晴れ」であっても、SNSで送られる報告に「雨」の報告があがってくるのは、間違いなく「雨の地域がある」ということですが、SNSや一般の人からの情報が組み込まれるなどで、今後は天気予報の精度が向上していくはずです。

しかし、最近の天気予報は、「コンピュータが支配する気象業務」に傾きすぎる懸念も感じます。

「コンピュータは正しい」という言い方は古い考え方です。 更新回数を高めれば、直近の予報は正確になるのですが、逆に、予報が時々刻々に変わってしまうので、これが「天気予報が当たらない」ということに繋がっている… ということかもしれません。

 

予報がコロコロ変わりすぎ

いくら「気象はカオス」と言っても、予報が変わりすぎる感じを持っている方も多いでしょう。

ここで試しに、夏の晴天が続く8月の3日間について、Yahoo天気、日本気象協会・ウェザーニュースの3つのサイトの3時間毎の予報をチェックして書き出してみました。

ちなみに、私の住所は大阪の北部ですが、この時の3日間は、暑い夏の日で、晴天ではなかったのですが、「黒い雲」が出ることもない「晴れの3日間」でした。

そこそこ安定した状況下の天気予報が、どのように推移していたか・・・ですが、細かい内容は別にして、ここでは「前の出した予報と、次に出した予報が変わっているのかそうでないのか」を見てみました。

見にくい作表で申し訳ありませんが、前回の予報と「変わっていないところ」がオレンジ色にしていますが、オレンジ色が少ないというのは、ほとんど3時間毎に予報が変わっているからです。

(緑の部分がWEBをチェックした時の予報で、薄黄色の部分は、それ以前の時間のものであることを色分けしています。この淡黄色の部分は、予報をそのまま残しているのか、実情に合わせたのかはわかりませんが、WEBにある数字を書いています)

豊中のヤフー天気例

豊中の日本気象協会の天気予報

豊中のウエザーニュースの天気予報

このように、非常に安定した気候の時期でも、各社それぞれの短時間の予報と週間予報が「コロコロと変わっている」というもので、そしてまた、完全に3社の天気予測が一致していません。

これは3時間天気の比較ですが、1時間天気では1時間毎に内容が書き換わっているのですから、「コロコロ変わりすぎ」「あてにならない」という印象に繋がっているのでしょう。

もちろん、これは人間の手作業ではできないことで、コンピュータのしごと結果をそのまま出すと頻繁な「書き換え」になるのですが、これは是ですか非ですか?

でも私は、この予報は「ないよりもあったほうがいい」と思っていますが、どうでしょう?

降水確率もよく考えられていて便利なのですが

降水確率についても、いい印象を持っていない方も多いようですが、私自身は、よく考えられていて便利な指標だと思っています。

私の利用方法は、事前準備が必要な行事(野外の行楽やイベント)日には「午前7時の時点で40%の降水確率予報であれば見合わせる・・・」というように「降水確率を行動基準に利用する」という程度に考えています。 あなたの場合はどうでしょうか?

この数字で、「雨かそうでないか」を自分で決定して、行動を決めることにしてます。

以下は1つの例ですが、この場合のあなたの予定行動を考えてみてください。

今、夏のある日の13時です。下の天気予報で、あなたは、夕方から電車ででかけて19時に彼女と食事をする予定です。ここでは、17~18時の降水確率は30%ですが、19時以降は10%に下がっています。 あなたは、この場合に、雨対策をしますか?しませんか?

天気判断のデータ例

この場合は、①「18時以降19時からは降水確率10%」となっているので、傘の準備や雨の服装はしないという人と、②「折りたたみ傘を持っていく」 ③「念のために普通の傘を持っていく」 ④傘の必要はない・・・など、人によって、様々だと思うのですが、「きっとまた予報が変更される」ということが頭をよぎると、どちらかというと、雨対策をする人が多いのではないでしょうか。

実は、この結論は、「何の根拠もない自分の決定」で行動しているのです。

つまり、この降水確率自体に問題があるかもしれませんが、降水確率が示されていると、自分で最終判断基準が作れるので、便利な指標だと思うのですが、・・・この考え方については、皆さんはどうでしょうか?

ここで、各社画面の例で見るように、降水確率を表示していないサイトがあります。これは、やはり降水確率の問題があるので掲載していない・・・ということかも知れませんし、実体はわかりません。

次に、各社の予報の出し方(傾向)も各社の特徴があるような感じがします。たとえば・・・

予報が「雨」でも・・・雨がふらない

「晴れ」と言って雨に降られるよりも、「雨」と言って降られないほうが、お互いの不利益が少ないので、天気予報には、簡単に「雨マーク」が多めに出ているような気がしませんか?

私は最低でも、NHK(=ウエザーニュースの情報)とtenki.jp(日本気象協会)の天気予報を見比べることにしているのですが、NHK(ウエザーニュース)の予報は「雨傾向」が強く、tenki.jpは「晴れ傾向」の予報傾向がある感じがしています。(個人的なものです)

これを含めて、自分で「傘がいるか」「自転車通勤するか」を決めていますが、それで結構当たる・・・と思っています。(全く個人的なものです)

このような見方で天気予報を見て短期判断すると、結構当たっている感じがしますし、自分の判断ですので、外れても、あまり気にならないので、ぜひ、私と同じように、2つの天気予報サイトを決めて、両方の特徴を捉えて天気判断する・・・ということをやってみてください。

雲の写真2 さてもう1問です・・・

天気予報では、「今日は1日中曇空・・・」で、この空です。あなたは、傘は持ってでますか、どうしますか? ・・・。

一昔前までは、気象庁や気象台の天気予報士は、全国数カ所から送られる気象データで「天気図」を作り、それをもとに、各地の過去の傾向や特徴を含めて天気予報を出していました。

その頃は、(WEBが不十分だったときで、予報業務も解禁されていなかったこともあって)TV各社は、同じ内容の天気予報が放送されていました。

その頃よりも、現在の天気予報のほうがいいように思っていますが、あなたはどうですか?

昔の天気予報が懐かしい・・・

日本では、1884年6月1日に初めての天気予報が発表された・・・とあります。

このときの「予報」は、「全国一般、風の向きは定まりなし、天気は代わり易し、ただし雨天勝ち」というものだったようです。

それが100年以上たった今日の全国の天気概況は「全国的には、晴れ時々くもり、ところにより一時にわか雨。日本海側は・・・」ですので、100年以上たっているのに、スーパーコンピュータでお金を使っている割には大した向上感はないところも感じますが、進化していないのではなく、今の天気予報はすごいと思っています。

たとえば、多くの人手を介さずに「細かい分布と時系列の『定量的』予報」ができるようになっているなどですが、もしも現状の自動化がなければ、現在のような細かい「地方天気予報」などはないのですから…。

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しょせんは予報・・・は失礼な言い方?

英語では「予報」は forecast  prediction  outlook などで、日本語訳は、予想・予言・見通し という感じの言葉なので、どうもこれらの単語からは「きっちりと当てる(適中させる)」というニュアンスは感じられません。

昔から天気予報といえば、TVニュースの終わりと、時報の前の数分間に、台本に書かれた内容をアナウンサーが読み上げていた記憶があり、天気図自体も、少ない観測情報から作られていて、大変な作業と思っていましたので、「一生懸命予想しているのだから、はずれてもいい・・・」と、かなり天気予報の確度については寛容だったようなところがありました。

しかし現在は、「日本で有数のスーパーコンピュータを使って、気象に携わる優秀な人が増えている割には、細かい予報を出しているものの満足感が乏しい」という評価になってしまっているのが残念です。

気象庁のHPには、非常にたくさんの情報がかなりタイムリーに提供されていますが、素人が解析できる内容ばかりではないので、TVなどでは、気象予報士さんが、それを噛み砕いて説明してくれるのは助かります。

気象予報士さんも様々で、天気予報が外れたことを話題にする予報士さんもいたり、小道具を用いて、ショウのように天気解説する予報士さんがいたり、十分な持ち時間で、詳しい解説が加えられる天気予報タイムなどもあって、見ていて楽しいものに工夫されているのですが、だから、結果的に予報が外れても、許せます。

当たらない情報ばかりをいっているような気象予報士さんも多い・・・と感じている方もおられるのですが、それでも、その内容は、しっかりした基本データの沿って、許可された内容のものしか発言していないのですから、現在の天気予報の質や状態は「良い」と考えていいと思います。

そう思って天気予報番組を見れば、「当たらぬも八卦」ではなく、当たらなかったのは、予想される意外の要因が加わったため・・・と思うようになるかもしれません。

自分で天気予報をしてみよう

天気予報は100%当たらないと思うより、自分で天気を判断して決定してみるといいのです。(というより、普通、みんなは自分の判断で行動しているのですから、自分のせいですが…)

天気予報は80%以上の確率で正しいのですから、残りを自分で補えばいいのです。

観天望気(かんてんぼうき)」と言う言葉があります。

これは、自然の現象や生物などの行動から天気を予想することですが、「カエルが鳴くから雨になる」「ツバメが低く飛んだら雨が近い」「リウマチが痛むと雨」「夕焼けは晴れ、朝焼けは雨」などの、気象を判断する俚諺(りげん)ですが、どなたもこれらを聞いたことがあるでしょう。

これと天気予報の情報をうまく取り込んで、朝や外出するときには、空を見上げて、雲の感じを見て、天気予報の内容を知って、そして、「傘を持つか持たないか」などを判断すれば、天気予報の精度はあまり気にならなくなるはずです。(私も、これで行動していますし、みなさんも日常されていることでしょう…)

雲3いつの季節の何時頃でしょう?

人は、他人が言ったことに従って、それがうまく行かないと腹が立ちますが、自分が決断した場合は納得できますから、TVやWEBの天気予報をもとに、自分が感じたことで決断するようにすれば、天気予報が少々外れようとも、それはそれでいいと納得できるはずです。(そうしないと腹立ちだけが残ってしまうだけですから・・・)

もしも、1時間天気で「13時からの1時間に1mm以上の雨が降る」となっている場合と、「午後の降水確率30%で、ところにより、1mm以上の降雨があります」・・・となっている天気予報があって、もしもあなたが14時に帰宅する予定であると、あなたは傘を持ちますか? 洗濯物を外に出しますか? 防水の靴を履いてでかけますか・・・。

私は「普段着で、折りたたみ傘を持って出る」・・・などで、結局は、自分の判断で行動するのですから、「天気予報が「雨」と言っていたので傘を持ってきた・・・」ではなく、「雨が降りそうなので傘を持ってきた・・・」というように考えるだけでも、自分主体になって、満足感が高まりますし、外れたときのストレスもすくなります。

天気予報の今後は

ちょっと空を見上げて、「今日は傘はいらない」「布団は外に干さないようにしよう」「長袖にしよう」「植木鉢を下におろしておこう」・・・と「自分の感覚100%で」行動するなら、天気予報はいらないのですが、その基本は、やはり、TVやWEBの天気予報を見た上で判断しているものですから、やはり、天気予報は大変ありがたいものです。

ただ、天気予報を見聞きして、「雨はふらない」という予報で行動した結果が「パラッと雨にふられる」と、不信感がMAXになってしまうのですが、SNSで報告される内容のように、「晴れ」とあっても「雨」の場所があるのが「気象」ですので、天気予報の当たる確率が99%になっても、1%以上に当たらない場所があるということが起こりえます。

降雨の基準が1mmなので、これを、「1mm以下の雨なので、雨でない」という説明をされると頭にくるのですが、多分、このように、自然が相手で、常時状況が変わる気象現象に対しては、全員の不満がなくなることは、今後もなくならないのでしょう。

だから、それを天気予報に不満を言うのも無理がありますので、天気予報は「お天気のお知らせ」程度だと思っておくのが精神衛生的にはいいのかもしれません。

最近では、5分ごとの雨雲の様子も、スマホのアプリで見ることができるようになっていますし、TV放送の時間を待たなくても、WEBで、天気予報や情報を見ることができます。

天気予報の確率を上げるのは、自分の五感を高めること以外にはない・・・と考えておくと、怒りが和らぐように思います。

まとまりの悪い内容になりましたが、天気予報に頼るのではなく、天気予報をうまく利用する方法を自分で見つけると「ハズレ」も気にならないということを言いたかったのですが、長い文章でしたが、お読みいただき、ありがとうございます。


(来歴)R5.2月に誤字脱字を含めて見直し。 最終R6.3月に見直し