天体望遠鏡のスポットファインダーの調整は重要です。 操作に慣れるまでは、明るい間にやってしまっておくのがいいですね。
私は、超初心者向けで安価で使いやすいとの定評の、ビクセンのPORTA A80M（現在は販売終了、A80Mf ではありません）という望遠鏡を使っています。
これには「XYスポットファインダー」というファインダーがついています。
望遠鏡タイプではないこのファインダーは、慣れるまでが少し大変です。
XYスポットファインダー調整は昼間に練習しておきましょう
（写真は、ご近所の迷惑にならないように、モザイク加工しています）
【参考】ビクセンの安価なものでは、5万円を切る A80Mf という機種があります。
口径が小さいと解像度が下がります。そして、口径は80mm程度あれば150倍程度の倍率が使えます。 だから、これ以下のクラスでは土星の輪や木星の縞が見にくいでしょう。
5万円以下の機種では、下のA80MfやLT80AZなどが人気です。
私は、ミニ鏡筒のファインダーのほうが好みです しかし・・・
ファインダーについては、購入時に意識しませんでした。
PORTA A80Mのファインダーはミニ鏡筒のタイプではなく、XYスポットファインダーです。
見た目は少しかっこいいです。
しかし、ファインダーを正しい位置に向けるネジがいつも不安定な感じです。
だから、セット時の調整が面倒なので、個人的にはミニ鏡筒タイプのほうがいいのですが、既製セットですのでどうしようもありません。
だから多分、XYスポットファインダーが使いにくいと思っている方も多いと思います。
でも、慣れるしかありませんから、このファインダーの使い方を簡単に紹介します。
昼間にファインダー合わせをしてみましょう
鏡筒タイプでも同じです。
特に、XYスポットファインダーの調整を熟知するまでは、周りが明るい、昼間にファインダー調整をしておくと安心です。
暗くなってからの調整は、慣れていないと非常に難しい作業です。
特にこのスポットファインダータイプは、暗い状態では、調整に苦労します
だから、夜に星を見ようと思った時には、明るい昼間にやることで丁度いいと思います。
私は、ベランダに望遠鏡を据えて星を見ます。
そして、毎回、使う時に再組み立てるので、使う前のファインダー調整が必要です。
また、望遠鏡を持って車で遠征した時も、やはり、暗いところでの調整は大変でした。
だから、周りが明るい間に、まず望遠鏡を設置して、「明るい風景で」ファインダー合わせをするのが無難です。
昼間の調整は、慣れれば簡単です
まず、できるだけ遠方で、わかりやすい目標を定めます。
ここでは、貯水塔やアンテナのようなものがあるマンションを対象にしました。
ファインダー合わせの目標物
低倍率にして、望遠鏡を覗いて、目標物が真ん中に見えるようにします。もちろん、この望遠鏡では、倒立の状態に見えますね。
次に、スポットファインダーのOFF→ONつまみを回します。
後ろ側からファインダーを覗くと、赤い点が光っています。
それを目標物の中心に合わせる作業が「ファインダー調整」です。
私の望遠鏡の場合は、固定ネジを締め込んだ状態です。
このように、変な感じの方向を向いています。（多分このような傾いた状態で正常なのでしょう）
これもあって、毎回調節する必要があります。
まず、後ろ下の固定ネギを緩めると、全体が動くようになります。
落ち着きが悪い状態ですが、この状態でファイダーをあらかた目標の方に向けます。
そして、画面に入るように動かして、その状態で固定ネジを締めます。
ファインダー全体を固定して、次に、上にあるXY調整用のネジで微調整するという手順です。
赤い光はかなり眩しいので、ボリュームは最小にします
この赤い光は、ボリューム最小でも明るすぎます。
これはどうしようもありません。新製品は改善されているのでしょうか。
そして余談ですが、使用後にスイッチの切り忘れをしていることが結構あります。
いざ使おうとして電池切れになっていることが度々あります。
そんなに頻繁に望遠鏡を使用しませんので、前の使用後にスイッチを切り忘れると、観測の予定が飛んでしまいます。
それもあるので、予備電池は常時確保しておきましょう。
かなりいい線になってきました。
そのあとは、望遠鏡の像の対象物にファインダーの赤い点の位置が合致するように調整すればOKです。
この写真はまだ左右が若干ずれています。
この程度では問題はありませんが、もっとファインダー中心に赤い点が見えるようにするとGOODです。
これで準備OK。
太陽が沈むとすぐに宵の明星「金星」などの惑星が輝いてきます。
そこでまず、低倍率にしておいてファインデーを覗きます。
視野内に星が入って見えているはずです。
そこで、望遠鏡側で中心に持ってきておいて高倍率に切り替えるとOKです。
もし低倍率で視野内に星が入っていなくても、望遠鏡側で少し調整すればいい程度になっているはずです。
さあ、天体ショウの始まりです。爽やかな風に吹かれるのもよし、冬の寒さに震え上がるのもよし、存分に夜空を楽しんでください。
【参考】便利なHP「今日の星空」
惑星の位置や見え方については、私は、国立天文台のHPの「今日の星空」のサイトを参考にしています。（→こちらで簡単に紹介しています）
このサイトを参考にして、恒星を追うのもいいでしょう。
しかし、小さな望遠鏡ですから多くは望めません。
興味がでたら上級の望遠鏡の購入を考えればいいでしょう。
安価な望遠鏡には天球儀がありません。
天球儀がないと星を追うのが大変です。 だから、私はもっぱら、近くの月や惑星を見ることで楽しんでいます。
この最小限セットの望遠鏡だけでも、月や惑星であれば結構楽しいものです。
この「今日の星空」は、惑星や月の様子もわかる「いいHP」ですので、是非参考にしてください。
この望遠鏡で見えるものは・・・
この小さな望遠鏡（ビクセンのPORTA A80M）でも、月や月のクレーター、金星の満ち欠けの状態、土星の輪、木星の縞模様、木星土星のそれぞれ数個の衛星、火星の赤と黒の色
などが見え、それで結構楽しめます。
天球儀は高額です。 簡単に購入することもできないですから、月と惑星狙いでも、結構、感動します。
（→こちらに 惑星の見え方などの記事を書いています）
もちろん、安価な望遠鏡です。 だから、解像度はそれなりです。
だから、私は、事前に、WEBや書籍に載っている、素晴らしい天体写真を頭にインプットしておいて見るようにしています。
精巧な星の写真を見てイメージをインプットする
そうしておけば、あたかも解像度がよくなった感じで見える気がします。一度試してみてください。
これは、目で星をみると言うよりも、頭のイメージで見るという感じです。
しかし、この方法は意外に効果的です。
私の住まいは、大阪市内の都会光があって、肉眼では3等星ぐらいの星しか見えません。
さらに、月が出ていると、小さな望遠鏡では、書籍の写真にあるように惑星すらも鮮明には見えません。
だから、頭にきれいな写真をイメージしておけば、よく見えるように感じます。 そして、それで結構見えているような気持ちになって、楽しいものです。
まだまだお小遣いが少ないので、写真撮影やその他のアタッチメント購入にも手が届きません。
それでも、入門者用の安価な望遠鏡でもかなり楽しめます。
まず、安価なセットものを購入してみるのがいいと思います。
実際に土星の輪やガリレオ惑星を自分の目でみれば、満足度は大きいです。夢は無限に膨らんでいきますから。
以上、参考になれば幸いです。
（来歴）R5.2月に誤字脱字を見直し R7年12月に確認
