星空の楽しみ方:今年は?来年は?その後は

毎年変わることがない星空ですが、やはり、情報を意識していないとチャンスを逃します。

そのために、私は、毎年、「藤井旭の天文年鑑」を購入していました。

藤井 旭の天文年鑑 2024年版 スターウォッチング完全ガイド [ 相馬 充 ]

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しかし、少し背伸びして、昨年から、少し高度な内容の「天文年鑑」を購入しています。

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この価格で、400ページ近くもあり、書いてある内容も、「何かすごい世界がある」と思える内容ですので、持っているだけで、少しハナタカになった感じになります。

これらの本は、毎年、秋が深まる頃に次年度版が販売されますので、本屋さんをチェックしてください。

藤井旭さんの天文年鑑は、一般人にもわかるように、うまく絵が書いてあるのに比べて、この、天文年鑑は、私のレベルでは、若干マニアックすぎる感じですが、これらのどちらでもいいので、年度ごとに天文書籍を購入して手元においておけば、その年の、日食や暦の情報などの、天文情報が簡単にわかります。

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最近のマスコミは、騒ぎすぎの感があり

もちろん、情報が多すぎるのも困りものです。

TVでは、気象予報士さんの出番が増えたり、何かの話題を提供しないといけない・・・というマスコミの仕事柄もあって、取るに足らない天体・天文の話題が取り上げられることも増えているようです。

例えば、ストロベリームーンやブルームーンなどの、アメリカなど、外国の習わしを引っ張ってきて、まことしやかにオンエアーされることが多くなったのですが、天文用語ではないですし、アメリカのことですから、少し閉口します。

天文で言えば、「今日は、**流星群が最大で・・・」などもそれで、マニアの人には重要な情報でしょうが、都会に住む一般の人が、一晩に、数十個の流星を見た人はそんなにいないはずなのに、「外に出て空を見上げると、流れ星が見える・・・」と錯覚するように語られていますね。

「流星群」と言っても、大きな星や降ってくるのではなく、小さなゴミ粒が光るので、ほとんどは、それらの光度は4等級以下です。

2等星の北極星や北斗七星すらも、肉眼でははっきり見えない都会の空の話では、はしゃぎすぎる感じがします。

私の経験ですが、流星群観察の番組が組まれて、信州の山奥のCCDカメラ画像を写していたので、息子と家のベランダにでて、2時間寝転んで空を眺めていたのですが、番組では10分に10個以上の流星が見えている・・・と放送されているのですが、結局、私は、放射点とは違う方向に飛んだ、1個しか流れ星を確認できなかった・・・というのが「都会でみる大流星群」の実態です。

ですから、自分なりのイメージを持って、TV番組を見ないと、何か、踊らされる感じがします。

都会の空では、惑星とお月さんを楽しむ程度で、精一杯です。

惑星と月の満ち欠けだけでも、・・・充分に楽しい

星を見る前に、情報が大切です。

随所で紹介しているのですが、国立天文台の「今日の星空」のHP は、自分の住む地域の星空の情報を、わかりやすく見ることができるように作られています。

ぜひ、チェックしていただきたいHPです。 「今日の星空」のサイトを見て、その時間の星の様子を頭にインプットして空を眺めると、結構楽しめます。(都会では、星座さえも、ほとんど確認できませんが・・・)

それはともかく、宵に、暗いところでちょっと空を見上げてください。

手元に星座表があればベターで、それを見ながら、星に思いを巡らせると、何か「リッチ」な感じにもなります。

もちろん実際に見えるのは、 ①お月さんの満ち欠けの様子 ②見えている惑星を確認すること ③明るい星の名前や星座を思い浮かべて、星座が見えないかなと眺めていること・・・ という程度ですが、星座盤にあるような星は、ほとんど見えないので、見える星数個から星座の形がイメージできたらいい・・・というところでしょう。(実際にはほとんど星が見えないので、星座の形はわからないのは仕方ありません

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ここで、わたし流の都会の夜空を楽しむ方法を紹介します。

星座盤をながめながら 夏の夜空を見る

8月末の星空

これは何か変? と思わないでください。これが北の空を見る時の星座盤です。私は、星座盤をこのように上にかざして空を見ます。

まず、北の空の北極星の方向を向いて、天頂(真上)を向いたイメージで星座盤を頭の上にかざして見るようにしています。

北極星は2等星ですが、私のベランダからは、見えない日のほうが多いですが、よく見えるときに、ベランダで立ち位置を決めておくと、周りの景色と北極星の方角や位置がわかりますから、北極星が見えなくても、その位置がわかるようにしておくと良いでしょう。

このような見方で、私はようやく、実際の星空と星座盤が頭の中で合致します。このように、自分なりの方法を見つけるといいでしょう。

おおぐま座の北斗七星が確認できれば、しめたものです。

ひしゃくの付け根の星は(これは4等星ですから)見えにくいのですが、ひしゃくの形は充分イメージできるでしょう。

そして、その柄杓の柄の延長が「春の大曲線」と言われる、見つけやすい星々があります。 夏の季節の宵の口では、まだまだ春の星は見えています。

そして、毎年同じパターンなのも、いいですね。

この北斗七星の、柄の部分から伸ばした線上にある アークツルスとスピカの2つの1等星 は見つけられるでしょう。

まずこれが夏の宵の空を「見て楽しむポイントの1つ」です。

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天頂から東寄りに目を移すと、明るい3つの星を結ぶ3角形が見えてくると思います。

これが「たなばた」伝説に関係する星(ベガ:織姫・アルタイル:彦星)を含めた「夏の大三角」ですね。

もちろん星座盤にある「天の川」はまったく見えませんので、この3角形「夏の大三角」を見つけたら、2つ目のミッション完了です。

こちらに私の書いた星座盤の記事があります。この星座盤は100円ショップの「ダイソー」さんで購入したものですが、小さな星をかなり省略してあって、見やすく作られています。

近くにダイソーさんのお店があれば、110円で購入できる、この星座盤をチェックしてみてください。

惑星が楽しい

2019年8/1の星空 かなり前のものですが・・・

これは、国立天文台のHPの「今日の星空」の一部です。(この国立天文台HPのおすすめについては、こちらに私の記事を書いています)

このHPでは、惑星や月の様子も紹介されていますので、今年だけでなく、過去未来の星空もシミュレーションできます。

都会では星が見えなくなってきていますので、都会での星空の楽しみは「惑星をみること」と言えるでしょう。

そのうちで、金星、火星、木星、土星は、1等星よりもかなり明るく見えることが多いので、見つけやすく、これらの惑星の1つでも見えると、楽しいものです。

冬の星で有名な、全天で一番明るい「シリウス」(冬の星座おおいぬ座で、夏は地平線付近にあって見えません)が -1.5等級 で、金星、木星、土星などの惑星は、それよりも格段に明るいので、見がいがあります。

夏の星空で見える明るい星では、アークトゥルス(うしかい座)ー0.04等級、ベガ(こと座)0.03等級 などが明るい星ですから、惑星の明るさには勝てません。

初心者用の天体望遠鏡:楽天で探す

私は、ビクセンの POLTAⅡA80M(下に紹介している、A80Mfとは、少し違いますが、この方が手軽な感じがします)という、オールインワンの機種(当時約5万円強)を購入して、それで結構楽しんでいます。

望遠鏡で見ても、恒星は「点」ですが、惑星は形が見えて、色もあります。 自分で惑星を初めて見たときは、絶対に感動します。それで、元がとれた・・・と思いましたから・・・。

A80Mf  5万円以下(Amazon) で人気のポルタⅡA80Mf

 

最近話題で聞くことが多い「流星群」8月はペルセウスと白鳥

ペルセウス座流星群は

これは例年8/9-8/13ごろに流星が極大になるペルセウス座流星群(古いですが2019年)の放射点を示しましたが、流星は、ペルセウス座の※部分を中心に、放射状に流れることで、ペルセウス座流星群とよばれます。その他でも、

1月:しぶんぎ座流星群
4月:こと座流星群
5月・7月:みずがめ座流星群
8月:ペルセウス座流星群・はくちょう座流星群
10月:りゅう座流星群・オリオン座流星群
11月:おうし座南流星群・おうし座北流星群・しし座流星群
12月:ふたご座流星群・こぐま座流星群

などがニュースなどで話題になります。

しかし、ほとんどの流星の等級は4等星以下しか光ってくれませんので、実際に都会で「流れ星」を見るのは難しく、見えると本当にラッキーでしょう。

それでも、夜空を見るようにしていると、流星群の日でなくても、数年に一度、流れ星が見えることがあります。

もちろん、「流れた」ことも不確かなくらい、一瞬の出来事ですので、願い事を3回言えるような余裕も時間もありませんが・・・。

双眼鏡や望遠鏡が欲しくなってくるでしょう

都会では、肉眼では3等星ぐらいの星までしか見えません。私の住む大阪府の北部では、街明かりのために、ほとんどは2等星までしか見えません。

しかし、10倍程度の双眼鏡があれば、かなり見える星は増えますし、月のクレーターが見えますし、学校で、「中国の官吏登用試験でこれが見えるか」と出題されたという、北斗七星の柄杓の後ろから2番めの星に近接する小さな星も見えます。

この小さな星が近接しているのを双眼鏡で見ると、それがはっきりと見える・・・などがいいのですが、双眼鏡を使うと視野(見える範囲)が狭くなるので、逆に、星座の全体像も捉えることができなくなります。

 

また、小さい天体望遠鏡(私が購入したものは最大で150倍程度)があれば、金星の満ち欠けや、木星の縞模様、土星の輪、そして、木星、土星を回る衛星が見えます。

そうなると、すぐに、もっといい望遠鏡が欲しくなりますが、恒星は、高倍率の望遠鏡でも「点」しか見えませんので、私は、「星は写真で見るもの」と割り切って、安い望遠鏡で惑星とお月さんだけで楽しんでいます。

私の購入した機種は、かなり価格が上昇しているのですが、80mm口径で、5万円までの、現在人気の高い機種でもいいので、ともかく、天体望遠鏡があれば、違う世界が広がります。

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双眼鏡も楽しめます。 倍率は8倍程度で十分です

私が常用しているのは、8-24倍ズームのものです。

しかし、24倍では手持ちでは星が動いてぶれてしまいますし、また、見え方も甘くなりますので、8倍程度の双眼鏡で充分でしょう。

8倍でも、月のクレーターもはっきり見えます。 Amazonや楽天などで目星をつけておいて、出来れば、実際に手にとってから買うことをおすすめします。

私はいくつかの双眼鏡や単眼鏡を買いましたが、同じ倍率の仕様であっても、メーカーによって全然見え方が違いますから・・・。 高いですが、やはり Nikon がオススメです。

大型量販店の店頭に、見本品が並べてあることも多いので、「見比べ」をしてみるといいでしょう。

星が見える角度

仰角が30度程度ではっきり見える・・・と書きましたが、上に示した国立天文台HPの星座図で、星の位置が30度程度では、「とても低い位置」のように思う方もおられると思います。

しかし、実際に星を眺めて見ると、天頂までが90度ですので、その1/3の「30度の方向」は、結構よく見える位置で、それが、60度になると、見上げる状態になります。

15度以下は「見にくい」状態です。

特に市街地では、街灯や建物もあって、非常に見にくい状態になります。

【水星は見えない】 太陽に最も近い惑星の「水星」ですが、太陽に近いために日の出日没頃しか見えませんし、最大仰角も17度程度です。

見える時期も限られていて、私も、これまでに、1度しかはっきり見たことがありません。

これらも、「今日の星空」で確認して楽しめますので、一度、国立天文台のHPを御覧くださいね。

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以上、数字などは、国立天文台のHP、理科年表、藤井旭の天文年鑑、wikipediaなどを参考にしています。また、この文章もその年の話題を加えて追加変更しています。


(来歴)R5.2月に誤字脱字を含めて見直し   最終R6年1月に見直し