月までの距離は38万km 宇宙の大きさは138億光年

ISS(国際宇宙ステーション)が第一宇宙速度の7.8km/sで飛んでいるのですが、お月さんまでロケットで飛んで行くのにはもっと速い速度が必要です。

 

人間が作った最も早い工作物は「ボイジャー」

宇宙速度には、地球の重力を振り切ってお月さんまで行く速度(第2宇宙速度:約11.2km/s)や、太陽の重力を振り切る速度(第3宇宙速度:約16.7km/s)などがあります。

 

1977年にアメリカが打ち上げたボイジャー(1・2号)は、40年以上かかって、第3宇宙速度を得て、ようやく太陽の重力圏を脱して飛んでいこうとしています。いや、飛んでいきました・・・。

 

・・・ということは、もちろん、これは人類が作った飛行体で最も早い速度のものだということで、 時速に換算すると、6万キロ/時以上の速度で宇宙空間を飛んでいます。

 

光の速度を超えることはできない・・・というのがアインシュタインの相対性理論ですが、それは30万km/秒ですので、この世で最も早いボイジャーでも、光速の 1/17600 ということになります。

 

お月さんまでの距離は約38万kmあります

インスタントカメラで撮った月

H31年1月に地球から見えない月の裏側に中国の衛星が着陸したニュースも新しいのですが、一番近い天体である「月」が、38万キロ離れたところに浮いているのも神秘的です。

 

第二宇宙速度で飛んでいくと、380000÷11.2÷60(秒)÷60(ふん)≒9.5(時間)かかるという計算ですが、実際にアポロ11号が月に行ったときには、加速・減速も必要なので、行く時だけでも、実際には102時間(4日以上)かかっています。

月の反射器(NASAの写真:WEBより)

そのお月様も、地球の潮汐などのために、少しずつですが回転が鈍くなっており、求心力(相互の引力)が少なくなって、毎年5㎝ほど遠くなっていっているといいます。

 

これは、大昔には、月と地球の距離がすぐ近くにあって、早く回転する「大きなお月さん」が空に浮かんでいたということです。 今の5倍の大きさのお月さんが浮かんでいるというのですから、少し怖いですね。

 

月までの距離は、アポロ計画で月に置いておいた写真のレーザーの反射板を使って、cmの精度で調べることができるようですが、もちろん、これで測った距離も一定ではなく、いろんな天体の引力影響を受けて、絶えず変わっているといいます。

 

地球や月などの軌道は「楕円(だえん)」と習いましたが、実際にはいろいろな引力の影響を受けて、波打ちながら楕円軌道を回っているということのようです。

 

宇宙船ドッキングの自動車で追いつくイメージとは違う

このように、速度と引力でその位置が決まることになります。

 

月の周回速度が遅くなるとお月さんが地球から離れていくのですが、ここで、ISS宇宙ステーションに補給船がドッキングするときのことを考えてみましょう。

 

これは、私達が考えているのと違う動きをしなければいけない・・・ということを頭でイメージしてみてください。

 

地球を回る軌道にあるISSにロケットでその内側からISSに近づこうとすると、外に向かわないといけないので、ロケットを噴射して追いつくのではなく、速度を落とすことで近づいていかないといけない・・・という事になります???

 

もしも、スピードを上げて近づこうとすると、地球側に引き寄せられて、近づくどころか、離れていってしまうのです。

 

これもすべて運動方程式で計算できるというのですが、「アクセルをふかしてISSに近づく」という自動車のように考えていると、上手く行かないというのも面白いことですね。

 

ただ、技術は進歩するもので、当初は、ISSへの補給船を打ち上げて2日間かけて到着していたものが、最近では3時間程度の最短記録を打ち立てた・・・というニュースがあったように、遠く離れた宇宙空間で信じられないことができるようになってきているのです。

 

隣の恒星に行くとすると

太陽系に最も近い恒星「プロキシマ・ケンタウリ」は南十字星の近くのケンタウルス座にあり、日本から見ることは出来ませんが、4.25光年の地球からの最も近距離にあるといいます。

 

光が毎秒30万km進んで4年以上もかかるのですから、ボイジャーが20km/秒ですが、300000÷20=15000ですので、その近くに行くにも 4×15000年かかるのですから、数字で見ると気の遠くなる距離にあるということですね。

 

SFに出てくるワープなどがあってもなくても、行った先が灼熱地獄なので、多分、太陽に行くと同様に、人類が行くことはないでしょうから、「隣の星までは・・・」と言っても、たとえ話しかないのですが、それでも頭はそれをそこに行くことをイメージしようとするのですから、すごいですね。

 

4.25光年の測定の仕方は

現在の天文学では、「このような近い星は比較的簡単に測定できる」といいます。

 

星を半年間観測して、地球の公転半径と年周視差で三角形からピタゴラスの定理を用いて計算されるのですが、今では「±0.01光年の誤差で4.25光年は正しい」というのです。

 

ただしこの「誤差0.01光年」というのは 光速30万km/秒 から計算してkmに換算すると94,607,304,726kmにもなって、地球の直径をおよそ13000kmとすると、地球700万個分の誤差になります。

 

0.01というとすごい精度と思ってしまいますが、地球700万個の誤差と言うと、信憑性が無くなってしまう感じになるのも不思議です。

 

もはや、このような距離は「km」で計算するのはおかしいかもしれないのですが、誤差を0.01光年まで縮めた角度の測定も想像できないすごいものですので、ケチをつけるものではないことは確かでしょう。

 

このように、ものすごい大きな数字を「天文学的」と表現されるのですが、このあたりまで来ると、数字が示されても、実感がわかない・・・つまり、「頭が追いつかない」というのが星の話かもしれません。

冬の星座オリオン座周辺 オリオン座と冬の大三角

このオリオン座の左上の「ペテルギウス」が減光しているので、「消滅寸前ではないか・・・」というニュースを最近目にします。

 

そこまでの距離は約640光年といいますので、すでに消えてしまっているかもしれないのですが、もしもオリオンの「右肩」がなくなってしまってしまうと、どのようにオリオンの形として見ていいのかのほうが大問題の感じがします。

 

宇宙の大きさは138億光年

地球に最も近いとされるプロキシマよりも、もっと遠い星は、別の方法で星までの距離が推定されています。

 

遠くの星や宇宙の広さでは「億光年」という数字が幾度も出てきます。

そんな距離に星があっても、星は空(天球)に張り付いているようにしか見えません。

そして季節とともに巡る星々を見て、人は想像力や考察力で星占いなどを作って喜怒哀楽を語っているのですから、ある意味で「地球人」は平和なのでしょうか?

 

私達がいるから星が見える・・・ということを『人間原理』と言うらしいのですが、こういう言葉や、宇宙に関係する話はたくさんありますので、宇宙は夢を運んでくれます。

 

寝付きの悪い人のために、寝る前に、ぼんやり星空を眺めてみましょうと書き始めた文章ですが、もう、かなり眠たくなっているでしょう。それでは、おやすみなさい。