宇宙の距離や速さを自分で計算してイメージしてみよう

宇宙での速さをイメージしましょう

難しい内容ではありません。宇宙にまつわる距離や速さを、自分で手計算することで、身近なイメージになります。ちょっとお付き合いください。

ISS(国際宇宙ステーション)は第一宇宙速度の毎秒7.8km/s近くの速さで飛んでいるので、地球に落ちてこないし、遠くへ飛んでいったしまうことはありません。

この7.8km/sは時速にすると約28000km/hです。7.8×60(秒)x60(分)ですね。

ちなみに、光の速さは30万km/sで、時速にすると、1,080,000,000km/h という数字です。300000x60x60 ですね。

地球も動いています。太陽までの距離を15000万kmとして、1年に円軌道をまわるとすると、2πr÷一年間≒2xπx15000000/(24x365)≒107500km/h≒29.9km/s と、すごいスピードで動いています。

惑星の動くスピードは理科年表に載っていて、それは次のような数値です。惑星の軌道速度

地球は同時に自転しています。 赤道半径6378kmとして、1日1回転すると、2xπx6378÷24≒1670kmで、秒速では0.46km/sになります。

その他の身近な数値を加えて、これらの比較表をつくってみました。

速度の比較

光が桁違いに速いことがわかるととも、太陽を回る地球の速度が意外と早いのにびっくりしますね。

結構アバウトですが、このような速さをイメージしてみましょう。

人間が作った最も早い工作物は「ボイジャー」

宇宙に飛び出すための速度には、地球の重力を振り切ってお月さんまで行く速度(第2宇宙速度:約11.2km/s)や、太陽の重力を振り切る速度(第3宇宙速度:約16.7km/s)などがあります。

1977年にアメリカが打ち上げたボイジャー(1・2号)は、40年以上かかって、第3宇宙速度を得て、ようやく太陽の重力圏を脱して飛んでいこうとしています。いや、飛んでいきました・・・。

・・・ということは、もちろん、これは人類が作った飛行体で最も早い速度のものだということで、時速に換算すると、17x60x60で、 6万km/h以上の速度で宇宙空間を飛んでいるのですが、上で見た地球の軌道速度にも達していないのです。

光の速度を超えることはできない・・・というのがアインシュタインの相対性理論ですが、光の速さは30万km/sですので、この世で最も早いボイジャーでも、光速の 1/17600 ということになります。

お月さんまでの距離は約38万km・・・ロケットで飛ぶと

インスタントカメラで撮った月

H31年1月に地球から見えない月の裏側に中国の衛星が着陸したニュースも新しいのですが、一番近い天体である「月」が、38万キロ離れたところに浮いている事自体が神秘的ですね。

第二宇宙速度で飛んでいくと、380000÷11.2÷60(秒)÷60(ふん)≒9.5(時間)かかるという計算ですが、実際にアポロ11号が月に行ったときには、加速・減速も必要なので、行く時だけでも、実際には102時間(4日以上)かかっています。

月の反射器(NASAの写真:WEBより)

そのお月様も、地球の潮汐などのために、少しずつですが回転が鈍くなっており、求心力(相互の引力)が少なくなって、平均毎年5㎝ほど遠くなっていっているというのですが、写真のようなレーザー反射機で測定できるのもすごいことですね。

イメージだけで計算をしてみます。恐竜時代が1億5000万年前とすると、月は、5cmx150000000≒7500km 今よりも近くにあったということですが、月の赤道半径が1760kmなので・・・

昔の月の大きさ

となって、見かけの大きさは2%程度と、そんなに大きくないという数字で、スーパームーンと呼ばれる月のほうが大きく見えている・・・ということになってしまいます。(国立天文台の記事では、平常時に比べて、直径で約14%、面積で30%に見えるとあります)しかし、上の計算や考え方は間違っています。

月は、様々な天体の重力の影響で、変な波打った軌道をとっており、先程の後退速度も軌道によってかなり幅があるようですが、地球は46億年前にできて、月は地球から、45億年前に分離した時の離脱速度は非常に速いので、毎年5cmで計算してはいけないことになります。

そこで、大きさが現在と同じ月が10万km先にあった場合を考えると、上の図の見かけの大きさを比例計算できます。3800000:100000=x:1760 でxを求めると見かけの半径が6688kmになり、大きさが現在の4倍近い月が空に浮かんでいることになります。

こんな、数字あそびのような計算ですが、紙を取り出してやってみると、数字を見るだけとは違うイメージになりますね。

地球や月などの軌道は「楕円(だえん)」と習いましたが、実際にはそれにいろいろな引力の影響が加わって、波打ちながら楕円軌道を回っている複雑な動きをしているようです。

人間が月に着陸したことで、上の写真のような器具を使って、正確な数字が測定できるようになっているということもすごいことですし、ときと地球の自転速度がほとんど同じで、いつも同じ面を向けていることにも驚きます。

次に、またちょっと違う頭のイメージ体操をしましょう。

宇宙船ドッキングでは、自動車で追いつくイメージとは違う

月の周回速度が遅くなるとお月さんが地球から離れていくのですが、ここで、ISS宇宙ステーションに補給船がドッキングするときのことを考えてみましょう。

これは、私達が考えているのと違う動きをしなければいけない・・・ということを、これを頭の中でイメージしてみてください。

地球を回る軌道にあるISSにロケットでその内側からISSに近づこうとすると、外に向かわないといけないので、ロケットを噴射して追いつくのではなく、速度を落とすことで近づいていかないといけない・・・という事になります???

もしも、スピードを上げて近づこうとすると、地球側に引き寄せられて、近づくどころか、離れていってしまうのです。

これもすべて運動方程式で計算できるというのですが、「アクセルをふかしてISSに近づく」という自動車のように考えていると、上手く行かないというのも面白いことですね。

ただ、技術は進歩するもので、当初は、ISSへの補給船を打ち上げて2日間かけて到着していたものが、最近では打ち上げからドッキングまで3時間程度の最短記録を打ち立てた・・・というニュースがあったように、遠く離れた宇宙空間で信じられないことができるようになってきているのです。

 

隣の恒星に行くとすると

その他の惑星も遠いところにあるのですが、隣の恒星までの距離を考えてみましょう。

太陽系に最も近い恒星は「プロキシマ・ケンタウリ」で、南十字星の近くのケンタウルス座にあり、日本から見ることは出来ませんが、4.25光年の地球からの最も近距離にあるといいます。

光が毎秒30万km進んで4年以上もかかるのですから、ボイジャーが20km/秒で進んでも、300000÷20=15000ですので、光の15000倍かかります。

つまり、その近くに行くにも 4.25×15000年かかるのですから、数字で見ると気の遠くなる距離にあるということですね。もちろん、太陽と同じように「燃えている」のですから、近くにはいけないのですが、こういう計算も、やってみると何か、親密さが出てきます。

4.25光年の測定の仕方は

現在の天文学では、「このような近い星は比較的簡単に測定できる」といいます。

上の図のように、3角形を考えて、近い星を半年間観測して、地球の公転半径と年周視差で三角形からピタゴラスの定理を用いて計算されるのですが、今では「±0.01光年の誤差で4.25光年は正しい」と言えるようです。

しかし、「誤差0.01光年」というのは 光速30万km/秒 から計算してkmに換算すると94,607,304,726kmにもなって、地球の直径をおよそ13000kmとすると、地球700万個分の誤差になります。

いわゆる数字の持つ魔術ですが、0.01というとすごい精度と思ってしまいますが、地球700万個の誤差と言うと、信憑性が無くなってしまう感じになるのも不思議です。

もはや、このような距離は「km」で計算するのはおかしいかもしれないのですが、誤差を0.01光年まで縮めた「角度の測定」も想像できないすごいものですので、ケチをつけるものではないことは確かでしょう。

このように、ものすごい大きな数字を「天文学的」と表現されるのですが、このあたりまで来ると、数字が示されても、実感がわかない・・・つまり、「頭が追いつかない」というのが星の話かもしれません。

冬の星座オリオン座周辺 オリオン座と冬の大三角

たとえば、このオリオン座の左上の「ペテルギウス」が減光しているので、「消滅寸前ではないか・・・」というニュースを最近目にします。

ペテルギウスまでの距離は約640光年といいますので、すでに消えてしまっているかもしれないのですが、もしもオリオンの「片方の肩」がなくなってしまってしまうと、どのようにオリオンの形として見ていいのかのほうが大問題ですね。

宇宙の大きさは138億光年

地球に最も近いとされるプロキシマよりも、もっと遠い星は、別の方法で星までの距離が推定されています。

そして、非常に遠くの星や宇宙の広さでは「億光年」という数字が幾度も出てきます。

そんな距離に星があっても、星は空(天球)に張り付いているようにしか見えませんし、季節とともに巡る星々を見て、人は想像力や考察力で星占いなどを作って喜怒哀楽を語っているのですから、ある意味で「地球人」は平和なのでしょうか?

私達がいるから星が見える・・・ということを『人間原理』と言うらしいのですが、こういう言葉や、宇宙に関係する話はたくさんありますので、宇宙は夢を運んでくれます。

宇宙は138億光年と言われています。史上最速のロケットを使っても宇宙の橋を見に行くことはできません。光よりも速いスピードで「空間が広がっていっている・・・」というのです。

寝付きの悪い人でも、これらをイメージすると、もう、かなり眠たくなっているでしょう。それでは、おやすみなさい。


(来歴)R2.10記事作成 R3.9題名変更、記事見直し