「虹の向こう・・・」というと遠い感じがしますが、実際の虹の写真をじっくり見てみると、そんなに遠くない距離に虹がかかっているようです。
虹までの距離は実際にはそんなに遠くなさそう
きれいな虹を見ることはそんなにありませんが、運良く写真を撮った「虹のつけ根」と背景をみてみると、虹は、見えている背景の手前にあって、その場所はそんなに遠くないのがわかります。
通常は写真の画角に入らないことが多い大きな「虹」が多いのですが、写真の虹が地上に落ちていく付け根のところを拡大しました。
写真はプライバシーのために風景をぼかしています。
何枚かの写真をたて続けに撮って、地上部分のところを見ると、たしかに、下の写真のように、虹は、後ろに見える山の手前にあるのがわかります。
この写真の、虹の後ろに見える丘までの距離を地図で調べると、私の家から約4.5kmの距離で、虹はその手前にあるので、虹までの距離は写真を取った位置から約4km前後のところにあるように見えています。
虹の赤色部分は太陽光の角度に対して約42度の方向になるようですから、自分勝手に計算すると、太陽の位置が入射角と反射角がほぼ同じであったので、最高高さは4000xtan21°≒1500mになり、うしろに見える雲が「高層雲」ですから2000m以上の高さにあると考えられるので、やはり「虹はそんなに遠くにない」ということになるので、自分勝手に納得できました。
もちろん、虹を追ってそこにたどり着いても、虹は遠くに逃げていくようになるので、そこには虹はないでしょう。
……… こんなことを考えると味気なくなりますので、虹は遥か彼方にあると思っているのがいいのかもしれません。
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虹の見える位置は太陽の反対側
虹は、背中側からの太陽光が、前方にある霧や雲などの微細な水滴にあたって出現するのですが、このように、出現する条件や位置関係は限定的ですから「虹を見るといいことが起こる」と考えてしまうのかもしれません。
条件が限られる「虹の出現」で、さらに、上の写真のように、虹が地表近くまではっきりと見えているのは珍しいケースです。
WEBに掲載された虹の写真のなかから、地面まで写っている写真をピックアップして地上付近を拡大してみました。
するとやはり、下のように、背景の手前に虹が見えていますので、虹までの距離は非常に遠いというのではなさそうです。
書籍には、きれいな虹が見える条件や見え方についての科学的な数値で解説されています。
ここでは紹介しませんが、それによっても、無限遠に虹がないことがわかります。
しかし、虹がそんなに遠くになかったら、歌に歌われる、♪虹の向こうは・・・♪ や、「虹の彼方に」「Over the rainbow」のような「遠い彼方の虹」のイメージが安っぽくなりそうですから、やはり、虹は遠くにかかっている… というイメージでいるほうがいいように思います。
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虹は「架かる」といいますが、丸い虹を見ました
英語の rainbow は「雨(rain)と弓(bow)」が合体している単語ですから、英語の虹は「雨あがり」と「弓の曲がり」の部分円をイメージしますし、日本語の虹も「空にかかった架け橋」が頭に浮かぶので、いずれも空に掛かる橋のような部分円をイメージします。
地上から見る時の目の位置からは、虹は、半円の円弧状のものが見えます。
これは目の位置より太陽の位置が上にあるからで、丘の上に立った場合に見る虹は、原理的には半円以上の円弧になっているはずです。(これは見たことがありませんが)
しかし「丸くなっている虹」があります。 ブロッケン現象(ブロッケンの妖怪)と呼ばれるものです。
ブロッケン現象
「ブロッケンの妖怪」を見ると感動します
私は北アルプスでの登山中に3回見ています。
写真を撮ると、このように、雲に映る自分の影の周りに、カメラを持った自分の周りに七色の後光がさして空中に浮かんでいるように見えるのでブロッケンの妖怪と呼ばれています。
背景が「キリ」のような雲の壁なので、写真で撮ってもはっきりと映らないのですが、自分の目ではよく見えています。
そしてもちろん、虹色が見えるのは自分だけで、隣でカメラを抱えている人の影には後光がさしていません。
私の体験はいずれも夕方で、山の稜線に立って、太陽が真後ろからを水平に照らす状態で、さらに、前方に雲(や霧)が立ち上る条件で見ることができました。
山に慣れた人はそれを見ることができるタイミングが分かるらしく、私に「もうすぐ出る」と教えてくれたことで、運良く3度も見る経験しています。
どの場合もよく似た状況で、ブロッケンの妖怪現象は、背後の太陽に照らされて、自分の足が前方に長く伸びていき、前方の雲の壁に、後光をつけた自分の影が「すくっと」立ち上がっていて、頭の部分が七色の光を放っています。
運良くこの現象に出会えると、ラッキーです。
自分の頭だけが七色に輝くのですから、妖怪ではなく、「神様か仏様」のようななった自分が見えるのですから。
プリズムで虹色を楽しむ
虹は自然現象ですが、プリズムでも簡単に楽しめます。虹色を見ると少しいい気分になりますね。
(来歴)文章作成2018.1月 2023.9月文章分離 R5.9月に見直し R6.12確認