私の尋常性白斑のことを書いています。
このページには、白斑の写真があります。白斑に無関係の方は見ないのが無難です。
白斑を発症して、40年以上が経過しました
まず、下腹あたりに白い斑点ができました。30歳を超えた頃でしょうか。それが次第に全身に広がっていき、今はほとんど白人肌と日本人の肌が混ざったのような肌で、白人肌が優勢になっています。
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全身が白人肌になったらいいのですが、残念ながらマダラ状態で、顔にも頭のテッペンにもまだら模様が広がっています。手は、非常に綺麗な白になってきています。
手が白くなりだしたのは、発症後5年ほどしてからでした。それまでは、股間や背中が白くなってきていたのですが、外から見える部分に、初めてそれが現れたので、皮膚科を受診したところ、ステロイド剤を処方されました。
そして同時に、「塗り薬は気休め程度のもので、『治らない』」と医師に宣告されました。
それから半世紀が経過して、白斑がほぼ全身に広がっていますが、私の場合は追加の治療は、何もしていません。
簡単には治らない
「白斑は自己免疫反応・・・」という医師の説明があって、これが原因で死ぬことはないともいわれます。 しかし、治らないのがこの白斑という病気・・・ということも言われました。
そこで多分、この白斑の症状がある方すべての方も同様だと思うのですが、私も、書物などを立ち読みしたりお医者さんに聞くなどしていろいろ調べてみました。
今のようにインターネットがない時代に発症したので、当時は情報も限られていました。でも、情報がありそうでほとんどない状況でした。
しろなまずと言われるのはいや!
この白斑は「しろなまず」ともいわれますが、この言葉は言うのも聞くのも非常に嫌な言葉です。
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そして、この病気の罹患者は年追うごとに多くなっているようで、かなり前でしたか、カネボウ化粧品の美白成分「ドデノール」が原因をいわれてから、多くの化粧品や肌につけるものに、「異常時の注意書き」が書かれるようになったのを見ても、ますます原因もわからないまま、罹患者は増えているのでしょう。
私自身も外を歩いていて、白斑が目に付く方が多くなっているのは確かで、ともかく、増えているという状況を実感しています。
私も、発症して数年は、目につかないところだけの白斑でしたので、外見に表れていない人数を加えると、かなりの人が発症しているのでしょう。
白斑の罹患率は2010年のものですが、1.68%と言う数字ですが、現在の隠れた数字の実数はそれ以上になっているのでしょう。
治らない、または治りにくい病気なので、私もそうですが、治っていかないので、減ることはない非常に厄介な病気です。
この約2%という数字はものすごく高い率なのですが、死に至る病でないので、研究が後回しにされているようで、私が見てもらったお医者さんも、『治らない』と言うだけで、真剣に考えていないような感じでした。
でも、罹患した人にしてみると、精神的な苦痛なのにそんな簡単に片付てもらいたくない、悩まない人はいないと思うほど大変『酷な病気』ですが、それは罹患した本人しかわからない辛いことです。
そして、未だに確実で有効的な治療法がない状態が長く続いているのは、不思議な感じです。
ただ、最近のWEBの記事には、自己免疫反応に対する研究がかなり進んでいるような記事もあります。少しは前向きに動いてくれそうな感じがしますが、薬ができるまでにはいろいろな手順や審査があるので、その情報も確実に期待できません。
このような医療・治療に関しては多分、皆さんはいろいろ調べられて知識があると思いますが、現在の治療や方法を簡単にピックアップしました。
医療・治療の情報
2009年に尋常性白斑は難病指定の病気とされ、2012年に「尋常性白斑の診療ガイドライン」(末尾にリンクを掲載)ができています。それから10年以上が経過していますが、一種のステロイド薬が有効のようですが、そんな情報は過去からあったものですよね。
しかし、ようやくここに来て、診断の基準ができたことで、標準治療方針が固まったということですから、ゆるい前進はありそうです。
しかし、注意しないといけないのは、このガイドラインができて、10年以上経っていても、治癒率や有効性の改善などの詳細な具体例や基本的な治療法が詳細に公表されていないところをみると、多分、現段階でも、画期的な治療法や治療薬がでてきていない・・・という状況でしょう。
ただ、専門の病院を受診すると、今までのように適当な方法を試すだけでなく、精神的負担を含めての「ケア」をするようになっていますので、気になる方は、幾度も医師と相談して、自分を納得させるのも一つの解決策かもしれません。
また、レーザー治療なども、保険適用範囲が増えていますので、気に病むよりは、お医者さんに相談するのがいいでしょう。
この記事の最後に関連HPなどをまとめましたので、一度見ていただくと良いと思います。
白斑の記事も増えてきています
【分布・分類】
①非分節型:全身に症状が現れるタイプ
②分節型:神経支配領域(例えば、身体半分など)に白斑が出るタイプ
③未分類型:①②が混合したり、移行したりしてどちらにも分けられないもの
これで言えば、私の場合は、非分節型に分類されるものです。
【原因】
外見的には、メラノサイトという組織が消えていくことで発症し、上記の①②ではその原因が異なるとされています。
遺伝性はないものの、2、3割程度は家系内発症があるようです。
私の場合で言うと、私や家内の家系(3親等内で30人以上)をみると、私1人だけが発症していますので、私の場合では、遺伝性がない単独発症のようです。
1)非分節型は、自身の体組織による自己免疫性で、酸化ストレス、精神ストレス、化学物質由来と考えられています。ストレスのない人間はいないので、結局、原因はよくわからないということでしょう。
ともかく、自分で自分の色素を破壊している状態のほうが強くて、メラニン色素を生成することができないか、追いつかないという状態なのでしょう。
2)分節型は、ストレスによって神経に異変が起きて白斑が生じると考えられています。
そこで、私の白斑の場合は・・・
思い起こすと、若い頃には、夏は毎年、海水浴やキャンプで真っ黒に日焼けしていましたので、酸化ストレスはあったのかもしれません。
また、ちょうど発症時期は会社の仕事に没頭していて、急激な抜け毛もあった時期で、仕事による精神ストレスは、かなりあったのは確かですが、こんなストレスは、私だけではなく、誰にでもあるでしょうし、私自身も、ストレスを気にしてはいませんでしたから該当するかどうかはわかりません。
頭の抜け毛は、かなりの「てっぺんハゲ」ですが、これは、50歳をすぎると抜けるのは止まり、後期高齢者年令になっても、前から見ると毛が多いように見えます。
私の場合は、管理職になって、それが、自分の仕事がやりやすくなった事もあって、仕事のやりがいを感じるようになってきてからは、抜け毛も減り、頭のてっぺんの温度も下がってきたところを考えると、若い時の、仕事のストレスは大きかったのでしょう。
ハゲの人は気にすることはありません。年を経てそれなりになってきますから。
人間、ストレスのない人はいませんし、それが原因で白斑が生じたというのも変な話ですから、要するに、そうなる因子がたくさんあって、それらが複合して発症したのでしょう。
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様々な因子とされるもの
①ストレス
②化学物質・薬物
③環境汚染
④外傷・感染
⑤自己免疫への機序
⑥内分泌や微量元素の影響
⑦遺伝 ・・・・・等が挙げられています。
しかし、これは言い換えれば、複雑な現代社会では、原因は何にでも当てはめられる内容で、結局、何も有効の治療法に結びついていないと言ってもいいものです。
こんな分類や内容はどうでもいいのですが、速く良い薬を見つけてほしいということが望まれるので、ともかく研究が進んでほしいと思っていますが、難しいのでしょうね。
私の例で言えば、このように、運悪く発症して、進行してしまったといえるのですが、多分、多くの人も、突然に発症した人がほとんどのように思います。
そして、否応なしに、どん底の気分に叩き込まれたという方ばかりのような気がします。
私の例では、当時に処方されたステロイド剤を塗っても、糞の役にも立たなかったということだけは確かです。 ただ、今では薬に種類や効き方が大きく変わっているかもしれませんが、特効薬という表現が見られないので、あまり進んでいないというのが実情なのでしょう。
現在の治療法の例(成人の場合)
【保険適用の治療】
1)ステロイド外用薬
2)紫外線療法(PUVA、ブロードバンドUVB、ナローバンドUVB)
3)皮膚移植
4)正常部脱色
【保険適用外の治療】
1)活性型ビタミン剤D3外用薬と紫外線療法の併用
2)免疫抑制剤やステロイド療法
3)再生医療
4)液体窒素療法
5)ファンデーションや着色剤
これらは、30年前にも(再生医療を除いて)行われていたもので、基本的には同じやり方で、対処療法を行ってきているという状況は変わっていないのでしょう。
ほとんどが対処療法といっても良く、副作用を伴う場合も多いために、医師の指導が必要な内容です。
だから、何によって治療するのかはお医者さんに任せないと危険です。このこともあるので、ここでは詳しく紹介しないことにします。
WEBで漢方薬などの記事がWEBに出ていますが・・・
「薬」を使うことですので、医師が漢方薬を処方するならいいのですが、WEB記事や自分で判断すると、問題になったときが大変です。自己判断は禁物です。
信頼できる医師に任せるのが賢明ですし、WEB情報を安易に考えないようにしたほうが安全です。 白い肌になった上に、何か変な状態が加わると、それこそ大変ですから。
自分の判断で、これらに手を出さないように・・・最近は、若い医師でも、話を聞いてくれる医師が増えていますから、話しやすい、一生付き合える、信頼できるお医者さんを探すのも大切なことです。
WEB情報は無責任ですから、ガイドラインにないものは、自己本位に手を出さないほうがいい・・・と言うことです。
新しい情報にすがりたい気持ちがあるのはわかるのですが、WEBには、偏った考え方や内容が含まれていることもあるので、WEBの記事にあるからと言って、鵜呑みにしないように注意しておくのが無難です。
それよりも、親身になってくれる、信頼できる医師を探せば、治ることがないにしても、いろいろな新しい情報や安心を得られるはずです。
数年したら完治する治療薬ができる?
これも、ずっと言われてきたことで、治験や対処療法上ではいい結果が出ているのかもしれませんが、特効薬という情報も聞きませんので、未だに大きな進歩はないのでしょう。
このページの最後に2人の先生の記事のリンクを紹介していますが、両先生ともに、『近年中に有効な治療薬がでてきて治療を受けることができるようになる・・・』と言う内容を掲載されています。
ようやく世界的に白斑が研究・治療対象となってきたということでしょうが、私自身は比較的達観しているので、傍観的な状態です。
しかしそれでも、いい薬や治療法が安価で手に入るのであれば、そうなることに期待し続けています。
最近気になることがあるのですが
変な言い方ですが、私自身はどうにかなってほしい「白斑」ですし、同時に、当分は「どうにもならないもの」と考えていて、自分としては淡々とした状態です。
ただちょっと気になることを感じています。
今まで屋内の仕事だったのが、戸外での仕事に変わって、見知らぬ多くの人と顔を合わせる機会が増えた事もあって、何人かの方が私の「白斑」を見て、私に色々質問されることが増えています。
「どうしてそんなに軽度の症状でいられるの?」
「なにか、目立ちにくい工夫をしているのですか?」
「お医者さんにかかっているなら、紹介してほしい」
「なぜそんなに明るく振る舞っていられるの?」
「息子が家で沈み込んでいるのだが、どうすればいいのか?」 ・・・・・・。
こういう質問を受けるケースが増えました。
変な感じなのですが、これを客観的に見ると、他の人は、私の白斑を『軽症(軽傷)』と見えていることのようです。
しかし決してそうではありません。
現在は、ほとんど体全体に白斑が進行していて、昔の肌色の部分が顔ぐらいで、頭の毛のしたも、首から下もマダラですが、そのような軽症に見られるのは、かなり不思議なことです。
ただ私は、ともかく紫外線を避けることに気をつけており、太陽に当たると、真っ赤に腫れ上がってしまうので、「紫外線避け対策は有効」と思っています。
外出時は日焼け止めローションは欠かせません。それで「赤くなる」のはかなり防げますので、それ以外は、なんの手当もしていませんが、「マシに見えている」のかもしれません。
上に書いた会話は、立ち話のものですし、私は医者ではありませんので、聞かれたときには自分の身の上話しかお答えしていないのですが、ただ、これらを質問してこられるのは、本人さん自身ではなく、親御さんや家族の方が私の白斑を見て話しかけてこられます。
つまり、本人さんだけでなく、家族や近しい方も同様に気にしているようです。
私が白斑の方を見ても、多分、お互いが自分の状態や状況を分かっているので、その人に話しかけることはありませんし、私の妻を含めて、家族も気にかけてくれるのをありがたく思うのですが、白斑になった本人さんは、非常に悩んでいても、同じ白斑のある方に相談はできませんから、家族など、本人ではない方が代弁して質問されてくるのでしょう。
でも、年寄りはネット情報を見ませんから、もう少し、医療関係機関が、WEB以外の多くの文書情報を発信してほしいものです。
悩みは続きますが、我慢して耐えています
私の白斑は、お医者さんから『治らない』と言われたのは半世紀も前です。
幸か不幸か、それが原因で『死ぬこともない』と言われたことで、放ったらかしにしてここまできたのですが、治って欲しい気持ちはみなさんと変わりませんし、きっと数年後には、なにか有効な治療法ができることを希望していることは変わっていません。
今はともかく、いい情報まちです。
参考【関係HP】
執筆者に失礼があるといけませんので、リンクはしていませんので、読んでみたい方は、URLを貼り付けてご覧ください。
この記事内容よりも、詳しく丁寧に解説されていますし、もちろん、この記事の内容も網羅されています。
尋常性白斑診療ガイドライン
https://www.jstage.jst.go.jp/article/dermatol/122/7/122_1725/_pdf/-char/ja
大阪大学の関係HP
https://www.med.osaka-u.ac.jp/introduction/research/integrated/dermatology
Medical NoteのHP
https://medicalnote.jp/contents/171101-003-WF
https://medicalnote.jp/contents/170720-005-II
ともかく、気持ちがめげてしまうとどうにもなりませんので、もう少しで治療法もすすむはずでしょうから、頑張りましょう。
(来歴)R4.5サイト移転 R5.6月誤字脱字と掲載HPリンクを確認。 R5年9月誤字脱字見直し R6.8月に確認