千里川の源流探しと全流域11kmのウォーキング

千里川は「淀川水系の1級河川」です。

これは、千里川が、淀川の支流だということではなく、1級水系に指定される、淀川水系にある川のうち、国土交通大臣が指定・管理する川を「1級河川」としている・・・ということで、「1級河川千里川」は、国土交通省が、大阪府の猪名川下流ブロックとして、池田土木事務所が管理している・・・ということのようです。

その管理区間は、箕面市白島から、大阪伊丹空港の先で猪名川に合流するまでの、約10.7kmが「千里川」として地図に示されています。

箕面市白島の交差点付近では、すでに水量の多い川になっているので、白島から上流の小川を辿って、源流を探ろうと考え、分水嶺を求めて、川に沿って上流に向かって歩きました。(これらの写真は何度か歩いたときのものが混ざっています)

1級河川千里川の起点

1級河川「千里川」の起点は、はっきりとした現地の表示がなくてよくわからなかったのですが、上の写真のように、白島東から上流に行くと、橋の上下流で護岸の状態が大きく変わっている場所が「1級河川の千里川」の起点のようで、白島東から少し山手に入ったところが河川の管理境界になっているようです。

そこで、上流探査の紹介は後回しにして、下流の、千里川と猪名川との合流点から、川を上って源流まで歩いていくことにします。

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GoogleMapを利用させていただき、そこに書き込んだところを紹介します。

千里川全容    猪名川合流点から千里川の分水嶺までの、全工程の約11kmの全貌です。

猪名川合流地点(最下流)

千里川の終点(最下流)は大阪空港の南側にあって、公営競馬の園田競馬場に近い「猪名川」との合流点になります。

ここから上流に向けて千里川10.7kmの1級河川部分と、さらに上流の源流の場所を探しながら、その上流2kmを何回かに分けて歩きました。

猪名川との合流点 猪名川合流点の管理境界

【参考】実際には、何回かに分けて千里川沿いを歩いており、千里川全部を歩いた距離は13km程度になります。さらに、猪名川との合流地点へは阪急曽根駅から徒歩で20分あり、また、終点の分水嶺を確認した後は、山越えして、箕面の滝経由で阪急箕面駅まで約6km歩くなどを含めると、1日で歩くのは少し大変な距離です。 そして、ともかく交通の便はよくありません。そのあたりも記事にしています。

上流に向かって、基本は左岸を上っていきましたが、何か所か、片側しか道がなかったり通れないところがあります。

また、川から離れて迂回しなければならないところもあります。それらは個々には説明しませんが、ともかく、川に近い道を歩いていきます。

飛行機マニア垂涎の写真スポット「千里川土手」

猪名川との合流点から上流に向かうと、すぐに、大阪国際空港の滑走路の横を通ります。

千里川土手

「千里川」とWEB検索すると、大阪空港の飛行機の写真スポットを紹介する記事がたくさん出てくる、この場所が、写真ファンには有名な『千里川土手』です。

着陸寸前の飛行機が頭上を通過するのが見れるスポットで、非常に迫力があります。

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舗装されていない地道もあるのですが、一路、上流に向けて歩きます。

阪神高速空港線と交差

阪神高速と交差

阪神高速道路の下の道路と交差するところは、信号がないので、迂回したほうが安心です。

右へ迂回すると、「走井(はしりい)」交差点を越えるのですが、その右手に、全国700店舗中で、「客数日本一」とニュースで紹介されている「餃子の王将 空港線豊中店」が見えます。話の種に、ちょっと立ち寄ってみてはどうでしょう。

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感想(3件)

阪急電車宝塚線を越え、中央環状線に

阪急宝塚線通過

写真は、豊中市・阪急宝塚線を越えた北側付近で、ここから上流の各所で、自治体などが鯉などを放流しており、水鳥なども随所にいます。

阪急の高架下を越えて20分ほど歩くと中央環状線(中国自動車道)に出ます。

ここを北側に進むには、横にある隧道(凾道)を通って北側に出ます。

桜町凾道

天井の低い「抜け穴」という感じの道で、不気味ですが、照明はあります。

野畑さくら通り

中央環状線の北側から左岸を10分ほど歩くと、「桜の町」という町名があり、「野畑さくら通り」と名付けられた遊歩道もあります。

野畑桜通り

川の流域はそれぞれの地域の方が管理していて、いろいろな花が楽しめます。

川幅もそこそこあって、魚や鳥を間近に見たり、きれいな景色が目を楽しませてくれます。

また、野畑南公園の対岸の竹林には「ヒメボタル」の飼育地があり、5月末頃には、ホタルの乱舞がみられます。(対岸(右岸)には、場所を示す立て札があります →こちらに私の記事あり)

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中央環状線を北にわたったところから、およそ30分で府道豊中亀岡線(通称ロマンチック街道)と交わるところに出ます。

ロマンチック街道を越えて新御堂筋の延長の423号線まで

ロマンチック街道」という素敵な名前は、ウィキペディアによると、ある病院の院長さんが名付けたようですが、レストランなども点在するものの、歩いてみても、何がロマンチックなのかわからないのですが、ネーミングによって印象が良くなるのですから、素晴らしいと思います。

ロマンチック街道を越えて、1時間ほどで新御堂筋(箕面有料道路に通じる太い道路)に出るのですが、新御堂筋に出るまでに、2-3か所で迷いやすい場所がありました。

ロマンチック街道を越えたところ

その一つは、写真の団地を越えて、右手に箕面市民病院が見える手前で、道が途切れており、植え込みを乗り越えて、古道の西国街道に大きく迂回しなければなリませんでしたが、西国街道の区間は少しですが、歩いていて感じの良いところです。

道を超えられない箇所

新御堂(423号)から、みのおキューズモール

萱野交差点からキューズモールを望む

新御堂筋と171号線が交わる、萱野交差点のあたりは、千里川は道の下を通っています。さらにこのあたりは、北大阪急行の伸延に伴う工事中で、現在の様子は、この写真とは変わっています。

みのおキューズモール

「みのおキューズモール」のあたりは、写真のように、川の護岸工事できれいに整備されていますが、水量の多い時には、この階段がすべて川の流れに変わります。

千里川の歴史をみると、このあたりから下流で、しばしば洪水が発生していたようで、千里川は、箕面山に降った雨が千里川に流入するために、治水には、重要な川である・・・ということでしょう。

1級河川「千里川」の起点付近から上流へ

白島東交差点から少し上流に、千里川の河川管理境界の起点があり、そこまでが1級河川で、その100m上流で、川は住宅の間に入っていきます。

そうなると、川の様相はガラッと変わります。

住宅の間に入る川

とにかく、川に沿うような道を探して山を登っていきます。

すると、道路は通行止めされています。これは「車両通行止め」のもので、ハイカーが入るのは問題ありません。

車両通行止め

このあたりの川は、水量もあり、さらに上流から水が流れてきており、護岸工事や道路整備が進行中です。

川にそって、さらに上流に進んでいきます。

通行止めから上流

これは8月の写真ですが、上左下の写真の場所では、すでに水は伏水となって、流れが途切れてきますが、はっきりとした水路跡がずっと山の上まで続いています。

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川が合流

合流

このあたりのGoogle地図には、すでに、川の表記はなくなっています。

ハイカー用の標識には、「才ケ原分岐」とあり、写真の左側にルートを取ると、山の上のため池「才ケ池」があります。

この左手からの水路は、才ケ池からの水が流入している跡がありますが、このときには水が流れていません。

この2本の水路はいずれも「千里川の源流」と言えるのですが、両方の水路をみると、若干、尾根からの水路のほうが太いので、写真右側を源流だ・・・として、そちらに進みます。

いよいよ千里川の源流探索です

上流

上流に進むと、このように、川幅はあるのですが、水は流れていません。

さらに上っていくと、やはり水路跡があり、少し雨が降れば、幅いっぱいで流れているのでしょう。

そして、さらに上流に進むと、川の痕跡が徐々に消えてきます。

そしてついに「分水嶺」に

分水嶺

そして、赤い杭が打たれた最高地点にきました。つまり、分水嶺です。

この先は道の傾斜は下っています。

・・・ということは、ここが分水嶺ですので、川の痕跡はないものの、この分水嶺から流れた雨を集めて小川になり、それが千里川になって猪名川に続いている・・・ということが確認できました。

これでようやく、千里川の「源流」の起点にたどり着いたようです。



帰路は・・・

これから帰路につくのですが、もと来た道ではなく、さらに進んで、山の向こうの道を進むと、10分ほどで自動車道に出ました。フェンスがあって、自動車道へ出るのは苦労しましたが・・・。

自動車道を上手にとると「勝尾寺」方向、反対に山を下る方向は、箕面の滝の駐車場「大日駐車場」から阪急箕面駅に通じています。

私は、山を降りる方向に進んで、「箕面の大滝」経由で阪急箕面駅まで歩きましたが、勝尾寺から千里中央行きの阪急バスがあります。

しかし、いずれにしても不便なところです。

千里川探査を終えて

箕面の山々は、大阪の都心からあまり離れていないのですが、自然がいっぱいです。

「箕面の山」というと、「箕面のサル」が有名ですが、この日は猿には遭遇しませんでしたが、ニホンジカがきつい斜面を登っていくのに遭遇しました。

この山中では、トータルで2人連れのハイカーに出会っただけで、彼らは、才ケ原池の方向を目指していたベテランのようでした。

このあたりの箕面の山中は、ハイキングしている人は少ないので、(私自身もほとんど「単独行」ですが) ハイキング道があると言っても、あまり整備されていない上に人の気配がないので、女性単独の山歩きはおすすめできません。

しかし、グループで歩くと、箕面の山も結構楽しめるでしょう。

(参考)トライしたい方用のメモ

以上で、千里川の全行程と源流探しは終了ですが、起点・終点は、特になにもないところで、最寄りの交通の便がなく不便なところです。

猪名川との合流点へは、(先にも書きましたが) 阪急宝塚線「曽根駅」から徒歩20分ですので、そこからが便利です。

途中から歩く場合も、最初にグーグルマップの全行程(写真)にあるように、鉄道網からは少し離れています。

私は大阪モノレールが利用できる中央環状線で上下流を2回に分けて、全工程を歩きました。

利用できそうな場所と交通機関では、1級河川の千里川起点には、箕面市の白島付近に阪急バスが走っていて、それは千里中央駅や箕面駅を結んでいます。

問題は、源流を見極めたあとにどうするか・・・ですが、もと来た道を下って、白島方面に引き返すか、尾根を突き進んで、北側の斜面を降りて自動車の通る道路まで出て、「勝尾寺」まで歩き(道路に出てから2km程度)、そこからのバスを利用して千里中央に出るか、私のように、箕面駅を目指して1.5時間かけて山を下るか・・・という方法になりそうです。

全くポピュラーなハイキングというわけにはいきません。

私の歩いたコースの所要時間は、猪名川の合流~中央環状まで約1.5Hr、中央環状~千里川の起点(箕面市白島付近)までは1.5Hr、そこから源流探査の山中を越えて箕面大滝駐車場までは1.5Hr、そこから「箕面の滝道」へ降りて、阪急箕面駅までは1Hr弱でしたが、トータル距離では20km程度、トータル6時間程度のコースになってしまうので、移動を含むと、1日で全コースは少しきつい感じです。

また、私はいつも独り歩きですが、人に会うこともない寂しいハイキング道ですので、もしもここで興味を持っていただけましたら、ぜひ、グループで、このような少し変わった山行を楽しんで頂くといいでしょう。最後までお読みいただき、ありがとうございます。


(来歴) 2015.10月最終山行 2020.12月見直し 2022.5月にサイト移転 最終2023.9月に誤字脱字見直し