百舌鳥・古市古墳群と呼ばれる地域は、世界遺産登録され、今後整備が進むでしょうが、ここでは、羽曳野、藤井寺の古市古墳群を縦断して7kmのブラブラ歩きを紹介しましょう。
堺市の百舌鳥古墳群の代表は 仁徳天皇陵(大仙陵古墳)で、これに対比する、古市古墳群の代表は 応神天皇陵(誉田山古墳)です。
しかし、仁徳天皇陵の近くには、堺市博物館などの資料館があるのに対して、応神天皇陵の方は、駐車場や案内表示などの整備も遅れていて、これから整備される段階ですから、飾らない「素の状態」を見ることができるチャンスと言えます。
ここでは、仲哀天皇陵、葛井寺、辛国神社、アイセルシュラホール、野中寺、応神天皇陵などを巡るコースを想定して、古市古墳群のさわりと藤井寺のエッセンスを感じることができるようにと、近鉄藤井寺駅から歩いて、古市駅に着くコース例(約7km 所要時間:約2時間)などはどうでしょうか。(公式コースではなく、私がおすすめするものです)
このコースの道中は、道案内や道標はほとんどありません。でも、街中は細い道が多いものの、グーグルの地図を印刷しておいて、見るべきポイントと適当な方角を抑えておけば、道に迷うことはないでしょう。
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自家用車利用では、駐車場は、藤井寺駅南の辛國神社北側にコインパーキングがあります。ただ、車でこれらを巡るには、周辺の道が細く、駐車場所も整備されていないので、電車利用で、徒歩で巡ることをオススメします。
これが今回紹介するオススメ順路です
この順路を参考にして、ポイントである、①葛井寺 ②辛国神社 ③アイセルシュラホール ④仲哀天皇陵 ⑤野中寺 ⑥応神天皇陵 などに、⑦地酒屋さん ⑧誉田八幡宮 などを巡ると、散歩にはいい「半日コース」でしょう。
ずば抜けて大きい「応神天皇陵」
近鉄南大阪線藤井寺~古市駅周辺は、下の写真のように古墳がいっぱいです。
もちろん、下の地図以外にも、小さな古墳や遺跡が沢山点在しています。
堺市の百舌鳥古墳群の仁徳天皇陵(大仙陵古墳)が、ニュースなどで取り上げられることも多くて有名ですが、藤井寺・羽曳野市の古市古墳群にも、非常に大きい応神天皇陵(誉田山古墳)があります。
このように、クフ王のピラミッド、秦の始皇帝陵、仁徳天皇陵が世界3大墳墓といわれるのですが、古市古墳群の「応神天皇陵」もかなり大きいことがわかります。
最大の「仁徳天皇陵」の紹介でも、「世界最大」という表現は控えられていますので、「世界3大墳墓の一つ」や「日本の古墳では最大」という表現に変わっていますが、仁徳天皇陵は、お堀部分を含めると長さは840mもある大きなお墓ですが、この、応神天皇陵の横を歩くと、それが実感できるでしょう。(お堀横に、細い道がありますので、そちらを歩くといいでしょう)
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御陵が世界遺産になったとしても「お墓」です。 宮内庁が管理している・・・といっても、見学者のための整備は充分ではありません。
墳墓の多くも、囲いがあるものは良い方で、こんもりと土が盛られていて、木々が茂る小山のようになっているだけのものも多く、注意していないと、それが何かもわかりにくいかもしれません。
下は、アイセルシュラホール駐車場横に「藤の森円墳」が移設されています。 これも、コースの途中にあって、近くに見ることができます。
ほとんど点在する古墳には、古墳見学用の専用駐車場などはありませんし、地域最大の「応神天皇陵」付近も、小さな駐車スペースがあるだけで、充分に整備されていませんので、自家用車の巡回には、あまり向いていません。
今後は、世界遺産に関係する「文化庁」が、関与することになってきて、周辺整備されることにも期待したいのですが、今までの宮内庁の仕事ぶりから見ると、文化庁も手が出しにくいのか、多分、見学用の整備などには、時間がかかるでしょう。
近鉄藤井寺駅から出発です
おすすめの散策コースは、上の地図でルートを示したように、藤井寺駅から南へ進み、葛井寺→辛国神社→(地酒屋さん)→アイセルシュラホール→仲哀天皇陵→野中寺→応神天皇陵→古市駅を2時間ほどかけて、約7kmを歩くコースです。
近くのその他の古墳などに立ち寄っても、全距離的にはそんなにありませんので、自由に行動していただくといいでしょう。もちろん、古市駅から出発しても、問題ありません。
古墳といっても、「お墓」そのものです。
古墳の多くは3~7世紀頃に建造されたもので、1000年以上の長い年月を経ており、最近では、仁徳天皇陵が大仙古墳と言うようになっているように、伝承された内容も曖昧になっていて、誰の墓なのかもよくわからないものも多いようです。
さらに、管理している宮内庁が、内部調査を拒んできた経緯があるので、詳細も曖昧で、市や教育委員会などが作った立て札があればまだいい・・・と言える状況なので、正直言って、ほとんどは、見どころもわからない感じですので、見学しても期待外れになるかもしれないことを頭に入れておきましょう。
しかし、「実際に行った」「この目で見た」ということも大切なことで、それによって記憶に残りますので、ぜひ、時間を見つけて計画・実行してみてください。
さあ、近鉄藤井寺から歩きます
近鉄藤井寺駅の南側の商店街を南下して、商店街がきれたところに葛井寺西門があります。
藤井寺駅からは5分程度で、西門から入って境内を巡って、寺を出るときは南側の大変立派な「南大門」から出るといいでしょう。(逆を嫌う方は、南大門から入ってください)
葛井寺は、7世紀頃の建立のお寺で、「藤井寺」という地名は、紫雲山葛井寺からとっている・・・と市の広報にありましたが、その葛井寺の修理に携わった「藤井さん」の名前が藤井寺の起源・・・という説が有力のようです。
これも現在は「説」であり、今後はいろいろな調査が進んで、もう少ししっかりした由来になっていくと思います。
そして、「藤井寺」と聞くと、年配の方は、近鉄バッファローズの本拠地だった「藤井寺球場」をイメージする方もおられるかもしれませんが、球場跡地(藤井寺駅の西側)は、全くその面影は残っていません。近くですので、ぜひ、足を運んで変貌を確認してみてください。
自家用車の場合で、駐車場を探すのであれば、藤井寺駅南側にある辛国神社北側(地図に丸印をつけたあたり)のコインパーキング(20分100円か30分200円が相場)を利用するのがリーズナブルです。
葛井寺から辛国神社
葛井寺の参拝後は、西門から出て、そして、南下すると、その南側すぐの右手に「辛國(からくに)神社」の参道に出ます。(5分以内に到着します)
辛國神社は、神社格付けから言うと、「村社」なので、特にどうというものではない神社のようですが、写真のように、緑に覆われた参道は「大阪みどりの百選」に選ばれた素晴らしい神社です。
私はこの参道を歩くのが好きです。ぜひ、奥の本殿まで歩いて参拝ください。
辛国神社の南200mほどに、仲哀天皇陵があります
次は仲哀天皇陵の礼拝所を目指すのですが、礼拝所は、お堀の南側にあるので、そこにいく前に、地酒屋さんとアイセルシュラホールに寄りましょう。
地酒屋さんの名前は、「藤本雅一酒造醸」です。
季節のいいときは、道路沿いの倉庫で店開きされていることもありますが、お店は、1本東の小道に面したところにあります。
少しわかりにくいので、上の地図で当たりをつけて、ぜひ見つけて、地酒をお土産にされるといいでしょう。
辛国神社から、地酒屋さんの倉庫を過ぎて、少し南下すると、古代船をイメージした「藤井寺市生涯学習センター アイセルシュラホール」(月曜休館・入場無料)があります。
辛国神社からアイセルシュラホールまでは約800mで、10分もかかりません。
入り口駐車場横に、上の写真の移設された「藤ノ森古墳」があります。 さらに、歴史展示ゾーンが設けられていて、資料などが展示されています。
アイセルシュラホールには10台程度の駐車場がありますが、藤井寺市役所出張所を兼ねていますので、ガードマンがいて、利用者以外は駐車できませんので注意ください。
アイセルシュラホールから、仲哀天皇陵の墳丘が見えますので、礼拝所に行くのをパスして、次のポイントの「野中寺」に向かってもいいでしょう。
この順路とは違いますが、仲哀天皇陵のお堀の北側から、西側に進んで、お堀を巡る景色がいいのでそれもオススメです。
後の応神天皇陵もそうですが、礼拝所からの景色が特にいいということはありませんから、拝礼所は、パスしてもいいでしょう。
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野中寺~応仁天皇陵~南大阪線古市駅へ
仲哀天皇陵礼拝所から600m(約10分)ほど南下すると「野中寺(やちゅうじ)」につきます。
このあたりの道は細くて、少しわかりにくいですが、ともかく、南下していくと、野中寺は、太い道路(堺羽曳野線)沿いにあるので、迷うことはないでしょう。
野中寺は聖徳太子が建立した48寺院の一つで、戦火で消失して1600年代に再建されていますが、「旧伽藍」が国の指定史跡で、毎月18日には重文の飛鳥時代に作られた「弥勒菩薩半跏像」が開帳されるのですが、多分、日が合わないでしょうから、ここでは、伽藍にたたずんで、昔に思いを馳せるだけで充分でしょう。
野中寺の前の堺羽曳野線を東にとり、応神天皇陵に向かいます
応神天皇陵は非常に大きな御陵ですが、墳墓の高さはそんなに高くないので、近くに行かないとわかりにくいでしょう。 歩いていて、林に囲まれた場所が御陵です。
応神天皇陵も、現在の呼び方は、誉田御廟山古墳(こんだごびょうやまこふん)または誉田山古墳(こんだやまこふん)と呼ばれています。
野中寺からは2km程度ありますので、歩く時間は30分程度みておきましょう。
御陵に近づく道はわかりにくくて、さらに、拝礼所は北側、古市駅は南側になるので、拝礼所には寄らずに、ひとまず御陵に沿う道を探して、古墳の横を歩いてみましょう。
歩いても、その形はわかりにくいので、グーグルマップで見るとして、礼拝所には寄らないで、南にある誉田八幡宮経由で古市駅に向かってもいいでしょう。
以上で、予定のコースは終了です。
応神天皇陵から南に進みます。御陵から近鉄南大阪線古市駅へは、2km30分程度です。
全工程でも約7km程度ですので、約2時間で歩くことが出来ますが、少しゆっくり見学を入れると、3時間程度を予定しておくといいでしょう。
以上、古市古墳群と藤井寺周辺を簡単に紹介しましたが、季節のいいときにウォーキングをお楽しみください。
お読みいただき、ありがとうございます。
【付録】藤井寺共同墓地の駐車場利用案内
この場を借りて、私の先祖を祀る「藤井寺共同墓地」の駐車場案内を、忘備録を兼ねて掲載しておきます。
このお墓は、近鉄藤井寺駅に近い仲哀天皇陵に隣接しており、遠方からの墓参の方も多いために、毎年の一定時期に、自家用車利用の墓参者のための無料駐車場が開設されます。
臨時駐車場は、お墓から、北側に100m進んだ空き地が開放されます。 周辺は道路は狭くて駐車できませんし、アイセルシュラホールの駐車場を利用しようとすると、ホールの係員が、駐車目的の確認し、ホール利用以外の駐車場利用はできませんので注意ください。
自家用車での墓参は、以下の、お彼岸、お盆、年末の下記の日に臨時の無料駐車場が開場されますので、それをうまく利用すれば、墓参はラクラクです。
無料駐車場の開設時期は以下のとおりです。
一時期は、簡易トイレも置かれていましたが、現在はトイレがありません。
トイレについては、私は、シュラホールの入り口を入ってすぐの左側にあるトイレを借りています。(敷地内ですが、館外にあって、休館日でも利用できます)
墓参用臨時駐車場ですが、ここに示されたお彼岸、お盆、お正月前以外の時期は、駐車場入口が閉鎖されていますのでご注意ください。
いつでも駐車できる一般有料駐車場は「辛国神社」北側にあるコインパーキングが最寄りとなります。上の写真に位置を表示しています。参考にしてください。以上です。
(来歴)R5.2月に誤字脱字を含めて見直し。 来週R5年9月に見直し