電子工作を始めるための最小限の部品工具(→こちら)でLEDを点灯(→こちら)することを取り上げました。このページでは、いくつかのLEDを直列と並列でつないで同時点灯させてみます。
LEDの直流つなぎと並列つなぎでの様子を見る
同色で同仕様のLED2個をつないで様子を見てみましょう。ここではLEDの電圧降下は3Vのもの(光輝度LED)を使います。
このときに使う2つのLEDは、同じ仕様のLEDでないとうまくいきません。
この様子がどうなるのかを頭で考えたり、計算してみるのもいいのですが、それよりも、回路を組んで自分で確かめると一目瞭然ですので、ともかく、一度自分でやってみてください。
下の図は、5Vの電源で、同じLED2個を並列と直列につないだ状態です。

左図の「並列」の場合
2つのLEDには、それぞれに 3V の電圧がかかっています。
LEDの電流は2つのLEDに分割されて、それぞれのLEDには「全電流の半分の電流(5mA)」になるので、LEDは1個の明るさは前よりも暗くなっています。
ものも3つのLEDを並列にすれば、1つのLEDには、回路の電流の1/3の3.3mAに、4つ並列にすると2.5mA … と、回路に流れる電流がそれぞれのLEDに等分されて、その分暗くなります。
これを明るく点灯させるには、回路全体に流れる電流量を増す必要があります。
これには、抵抗値を小さくして、全体の電流を高めるのですが、LED2個では2倍の20mAに、LED3個では3倍の30mAになるように抵抗値を下げれば、もとのような明るさになります。
3個を点灯させるために30mA流すには、(オームの法則を使って) 2V/0.03A≒67Ω の抵抗値にすれば、各LEDには10mAの電流が流れて、1つの場合と同じように光るはずです。
「直列」の場合
図の右側が直列の場合です。
この場合は、抵抗と2つのLEDでそれぞれで電圧降下があるのですが、LED2個では 6V の電圧がないと光らないので、5Vの電源では、電圧不足で点灯しないので、回路に電流も流れません。
ここでは、電源電圧が5Vの場合の電流と電圧値を図に書きいれていますが、LEDごとに電源電圧の半分の電圧低下になっていて少し変な感じですが、実際にこのようになるかどうかを確かめてみるといいでしょう。
ここでは、LEDが光っていないので「電流が流れていない」のですが、電圧は、LEDがそれぞれ5Vの半分の2.5Vずつの電圧降下があり、抵抗には電圧がかかっていない状態が測定されています。
これを頭で考えるのは難しいし、LEDは、点灯の度合いで電流値の変動があるので、実験ではうまくできないかもしれません。
ここでは、電源電圧を5Vから徐々に上げていって、6.1V にしたときの場合を計算を交えて考えてみましょう。
5.5Vに上げたときは、やはりLEDは光らないので、抵抗に流れる電流は0mAですが、それぞれのLEDには、2.75Vの電圧かかかっているという状態になっています。
そして、電源電圧を6.0Vにあげると、LEDが小さく点滅しはじめます。
点灯しているときは電流が流れていますが、1mA以下で、それも安定しません。 そして・・・
電源電圧が6.1Vになると、200Ωの抵抗には0.1Vの電圧がかかるので、0.1/200=0.0005 の、つまり、0.5mAの電流が流れて、かなり安定して、小さく光っている状態が見られるはずです。
そして、その時のLEDの電圧は、それぞれ3.0V前後になっています。
このように、順電圧(LEDを点灯させるために必要な電圧)が3VのLEDを直列つなぎで増やす場合は、2個であれば6V、3個であれば9V以上の電源電圧が必要になります。
そこで …
高輝度LED5つを同時に点灯させてみる
そこで次に、同色の5つのLEDを並列つなぎと直列つなぎで点灯させた様子を見てみましょう。

高輝度LEDの5色セットを新しく購入して準備しました。

このようなLEDのセットはAmazonや楽天で安価で販売されています
これらのLEDを別の方法で
調べてみると、電圧降下の程度(順電圧)が色によって異なっていて、下のように、電圧に対する電流値が異なるようなので、ここでは、同色のものでその様子をみることにします。

(参考)これは、LEDに電圧を加えて、その時の電流量をグラフにしたもので、同じ高輝度LEDでも、2V程度で発光するものと3V程度の物があり、5mA程度の電流で充分に明るく発光していることを調べたものです。今までの普通タイプのLEDは、2V程度で10~15mAで発光させていましたが、高輝度LEDは非常に省エネです。
オームの法則を使って並列つなぎで使う抵抗値を求めてみましょう
目標の電流量に近づけるために、ここでは、上のグラフから、赤色が2Vではなく2.1Vを、 緑色は3Vではなくて2.7V として電流制限抵抗の値を計算してみましょう。
1つのLEDを5mA程度の電流を流して点灯させるので、5球では25mA程度の電流が必要です。
5Vの電源では、
赤色5球では R=E/I=(5-2.1)/0.025=116Ω 、緑色5球では同様に、 (5-2.7)/0.025=92Ω の抵抗器を使えばいいことになります。
ここでは、手持ちの抵抗器を使うので、150Ω と 100Ω を使うことにします。
点灯させてみると、赤色5球では I=E/R=(5-2.1)/150=19mA の電流が、また、緑色5球では I=(5-2.7)/100=23mA の計算なので、LED1つずつは、その1/5の電流が流れて点灯するはずです。
5個を並列つなぎで点灯させてみました

写真右のように、うまく点灯しています。
この時、赤色5球の全電流は19mAの計算値に対して、実測では 19.8mA になっています。
そして、個々のLEDの電流を測定すると、3.5~3.9mA 流れています。
緑色5球の全電流は23mAの計算値に対して22.3mAで、個々のLEDには4.2~4.7mA の電流が流れています。
この状態で、写真のようにほぼ同じように点灯しています。(もちろん、実測値ですので誤差はありますが)ほぼ予想通りの結果です。
注:実験しているとわかるのですが、電流は常に変動しています。また、上のグラフはLED1つの数値で、さらに計測器の誤差、温度の誤差などもあるので、細かい数字の差にはこだわらないようにすることも必要でしょう。
LED5つを直列つなぎで点灯させる
直列につなぐ場合は、5球のLEDと抵抗で電圧降下が起きるので、5Vの電源では電圧不足で、もしも、LEDの電圧降下が2V仕様のものを5個直列につなぐ場合は 10V以上、3V仕様のLEDでは 15V程度 以上の電源電圧が必要になります。
そのために、ここでは別の電源を用意して実験をしてみます。
上の並列の場合と同様に、赤色5球と緑色5球に16Vの電圧を加えて、各LEDに5mA流して点灯しようとして、電流制限抵抗の値を計算しますと … 。
赤色5球の場合は、 R=E/I=[16-(2.1x5)]/0.005=1100Ω です。 また、緑色5球の場合は R=[16-(2.7x5)]/0.005=500Ω となります。
手持ちの抵抗器で、1100Ωは(1K+100)Ω、500Ωは510Ω を用いて点灯させてみます。
もちろん、実際には個々のLEDの電圧降下の値はそれぞれ違うでしょうが、ともかくこれで点灯させてみます。
5個を直列つなぎで点灯させた様子

写真なので明るさが違って見えていますが、どちらも明るく点灯しています。
この時の各回路に流れる全電流を測定したところ、2Vタイプの赤色は5.9mA、3Vタイプの緑色は5.3mA と、ほぼ目標通りで、それぞれのLEDには、直列の回路なので、全部のLEDに同じ電流が流れて光っている … という様子です。
一般的には、LED個々に抵抗器をつけて点灯させるのが無難
このように、特性が似ているLEDであれば、直列つなぎや並列つなぎで多数個のLEDを同時に点灯させることができますが、「並列つなぎ」では、LEDの数を増やすと電流量が増えていきますから、抵抗器の発熱とワット数に注意しないといけません。
並列つなぎの場合は、1つのLEDが切れてしまっても、他は消えませんが、配分される電流が増えるのでそれぞれは少し明るくなるでしょう。
また、「直列つなぎ」では、点灯する個数毎に必要な電圧が増えていくので、20V以上の電圧を扱う場合は、感電に注意が必要で、また、1つのLEDが切れると全部が消えてしまうという問題があります。
だから、このような、いろんなことを気にかけるよりも、個々のLEDに小さな抵抗器をつけて並列で多数個のLEDを点灯させるのが無難なので、このようなつなぎ方は、あえてする必要もないと思いますが、このような接続もできるということで、ともかくやってみた … というものです。
ただし …
高輝度LEDは1mAの電流でも十分に明るい
前のページでも実験したように、高輝度LEDは1mA程度の電流でも結構明るく輝きます。
だから、電流を小さくすると、抵抗1つで、例えば30個を同時点灯するのも簡単にできますから、1つの例ですが、(かなり細かい作業になりますが) ここで使った「砲弾型LED」ではなく、下のような「面発光の微小LED」を使って並列つなぎをうまく使ってディスプレーを作るのも面白いと思います。
100円ショップでも、乾電池で下の1x2mmの面発光のLEDを20こぐらいを並列つなぎにして同時点灯させているデコレーションがありましたが、1つを1mAで発光させても20mAですから、いろんな遊び方がありそうですね。
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色の違うLEDの直列つなぎや並列つなぎは難しい
同じ特性であれば、電流消費や電圧降下程度は同じ程度ですから、電流制限抵抗を1つにしての並列つなぎや直列つなぎが可能です。
しかし、特性の違い(例えば、色の違い)があれば、電流消費や電圧降下が異なりますから、個々の電流。電圧のバランスが崩れて、うまく点灯しません。
場合によっては、特定のLEDに電流が集中して焼損するなどの危険性が出てきます。
下は、違う色のLEDを組み合わせて点灯した様子です。

このように、5Vの電源に200Ωの抵抗で、色の違うLED3個を並列つなぎにした例ですが、組み合わせによっては、このように、点灯しないLEDが出てきます。
だから、制限抵抗を共有して、仕様の違うLEDの複数個の点灯は、調整するのも大変ですから、やらないのが無難でしょう。
基本は「1つのLEDに対して1つの電流制限抵抗を使う」

セットで購入した5色のLED統べたが、色ごとに特性が違っています。(ここで購入したものだけではなく、製造材料が違うので、同じ仕様でないのが普通でしょう)
5Vの電源で、同じ制限抵抗220Ωを用いて各色を点灯させてみると、白8.8mA 赤11.4mA 緑9mA 黄11.9mA 青9.1mA と、流れる電流値が異なっています。
しかし、明るさや見え方は、そんなに違和感のない程度で発光しています。
前のページでみたように、まず、200Ωで点灯して、明るすぎるようなら 510Ωや1kΩ でもいい … という感じで使うようにすればLEDはいろいろなことで使いこなせるでしょう。
ともかく、LEDを使って、いろいろな工作や楽しみ方ができるので、いろいろ試してみましょう。


