会社の若い人に、電子工作をやってもらうことを始めた話ですが、このページは2ページ目で、
次のような内容です。
1)電子工作に必要な道具やパーツを購入する体験をする(このページ)
2)電球やLEDを点灯させる実習をする(次のページ)
3)電子工作キットを、テキストに沿ってやってみる(次のページ)
4)自己保持回路組み立てて動作させてみる(最終ページ)
電子工作に取り組むには、最低でも、①オームの法則 ②部品の知識 ③自分でやる ということが不可欠ですので、それを初心者の方に実践してもらえるような計画をしました。
電子工作に必要な道具の購入から始めました
今回、電子工作をするにあたって、あとで説明する電子工作キットの必要部品に合わせて、テスター、半田ごてのセット、工具類、小物ケースなどをホームセンターなどで購入することからはじめました。
これらは工場の現場でも普段用に使うことができますので、工具箱にいれておくことにして、みんなで近くのホームセンターへ行って、購入する体験をしました。(グループごとに1セットを購入します)
あとで紹介しますが、ADOWINの「キットで遊ぼう電子回路」を利用できるための最小工具の購入です。
半田ごては、少しだけしか使わないのであれば、高価なものは不要です。予算に余裕があれば、日本製のものを買っておけば安心です。
半田ごて(30W)は、1000円少しから購入できます。電子工作用だけでは20W程度のほうが使いやすいのですが、汎用性(会社で使えるように)を考えて30Wにしました。
環境に優しい「無鉛はんだ」は使いにくいので、最初は、電子工作用と書いてあるハンダを購入しましょう・・・というようなことをメンバーに話しながら、これからやっていく電子工作のイメージを少しでも感じてもらえるようにして店内を回りました。
工具売り場に立ち寄ったことのない人もいます。みんな、結構楽しんで買い物をしています。
テスターは2つ購入がおすすめ
テスターはデジタルが使いやすく、安いものでも当面の問題はありません。
実習用は1000円少しのものを購入しました。安くても十分幅広く使えています。以前に比べて、非常に安くなったものです。
これから自分で電子工作をやってみようと思っている方は、ぜひ2つ購入することをおすすめします。電圧と電流を同時に測ることができると、すごく便利ですから・・・。
そして次は、電子パーツを購入する体験です。ほとんどのパーツは、今回は別に購入する「電子キット」に入っていますので、これとは別に行う実習のためのパーツ類を購入する体験をしてもらいました。
電気のまち 日本橋(にっぽんばし)へ行く
電子部品の調達方法は、①店頭で購入 ②WEBで購入 という方法になりますが、店舗で購入する経験も必要と考えて、会社から車で、電気のまち日本橋のパーツやさんを数軒巡リました。
私が電子工作にハマっていた当時、日本橋の電気街では、電子パーツが買いやすいところと言えば、上新電機さんと二宮無線さん が有名でした。上新さん、二宮さんは今では「ジョーシン」「ニノミヤ」になって、現在では大会社になりましたネ。
日本橋筋の様子もガラッと変わってしまって戸惑ったのですが、パーツ店は数店見つかり、デジット(共立電子産業)さん、マルツさん、千石電商さんなどがかなり広範囲に電子パーツを取り扱っているのをみて、少しうれしい気分になりましたし、特に、デジットさんの店員さんにはいろいろアドバイスをいただきました。
わからないことは店員さんに聞くと、即座に、新旧型番や互換性などについて、丁寧に教えてもらうことができます。
このような購入の仕方は、ある意味では独特なので、その様子をメンバーに知ってもらいたかったこともあり、その様子を見てもらったのですが、この経験が役に立つかどうかは、かなり後のことになることなので、店員さんと応対している様子を見ていて、若い人は、少し奇異に感じただけ・・・かもしれません。
雑誌の記事などを利用して部品調達をするときには、部品の欠番や廃番がよくあります。このときに、「新旧表」などを見て探すよりも、専門店の店員さんのほうが知識が豊富な店員さんが多いので、手っ取り早いこともよくあります。これは実店舗の良さですね。
・・・「電材店」も案内して、弱電部品の購入も知ってもらいたかったのですが、2時間程度の時間しか取れませんでしたので、LEDやリレーなどを含めて、必要な部品類は同じパーツ屋さんで購入しました。
東京の「秋葉原」と並んで大阪の日本橋(にぽんばし)は電気のまちといわれていたのですが、今では大阪の日本橋と言えば「電気のまち」よりも「オタロード」が有名になってしまいましたネ。若い人は、パーツ店は初めてでしたが、そっちのほうはみんなが知っていました。
電子パーツはネット購入が便利です
上に紹介したお店も、WEBでの取り扱いをしています。
正直なところ、少量でも送料はかかりますが、WEB上での説明もあるので、ネット購入のほうが便利になってしまった感じがします。
今回は、最終的には、「自己保持回路」を組んでLEDを点灯をさせる回路をつくりたいので、それまでに、電子キットを購入して、電子に必要な基本的なことを一通りこなした上で、店舗で購入した部品を利用して、下記のようなものを作る計画をしました。
そのために、写真のように、スイッチ(C接点)2個、リレー1個、抵抗、定電流ダイオード、LED、その他、DC電源やその他の必要な部品を購入することを実習してもらいましたが、やはり、初めて店舗に行って、これらをピックアップするのは、かなり難しいようです。
手頃な、ADOWINの「キットで遊ぼう電子回路」を購入
オームの法則などの理論に対する考え方は、1から説明するより、このキットを利用すると便利ですので、これに頼りました。
このキットは、「はんだ付け」「テスターの使い方」「LEDを点灯する考え方とやり方」をクリアできるように、うまく考えられています。
現在販売されているキットは新しい装丁に変わっていますが、内容は同じですので、購入される場合は、新しいものを購入されるといいでしょう。WEBでも購入できます。
その他、キットには入っていない、写真のようなものを別途購入する必要があります。
はんだごてのスタンドは購入しませんでしたが、少し慣れてから使いやすいものを購入するといいでしょう。
はんだごてのセットは1000円程度で販売されています。そして、テスターは高価なものもありますが、とりあえず、1000円程度のもので十分に使えそうです。ここでは2グループ分を購入したので、それを共用したのですが、個人でやるには、先に書いたように、安いテスターを2つ買うと使い勝手がいいでしょう。電子工作を続けるのであれば、これも無駄になりません。
工具箱などを含めて安いもの2セット分を購入しました。予算があれば、しっかりしたものを購入するに越したことはないのですが、安くあげようとすれば、初回投資は1万円あればお釣りが来るでしょう。
実際にやり始めてみると・・・
「キットで遊ぼう電子回路」に付属しているテキストを見ながら、それを順番にやってもらうのですが、学校でも実習していたはずなのに、はんだ付けの動作も危なっかしく、電圧計や電流計というのが(習ったはずですが)忘れています。だから、テスターの使い方も、1から指導しなくてはなりませんし、特に、電流が測定できません。
不思議に思うかもしれませんが、ごく普通の若い人は、何も出来ないのが普通で、一通り、学校では習ったはずですが、時間もたっていますので、これも無理はありませんね。
1から始めるので、余分な時間をこれらに使ってしまいました。
この教材は、「キットで遊ぼう電子回路」のVol.1では、このブレッドボードという配電盤を使って、LEDの点灯や論理回路、CR回路などが学習できるようになっています。
これを使うと、部品を穴に差し込んで配線するだけなので、回路が理解しやすく、失敗しても、簡単に修正できる便利なものです。
また、この教材は、うまく考えられており、まず、スイッチやボリウムに「線材のはんだ付け」をするようになっています。これではんだ付けを実習をする機会を作ってくれます。
はんだ付けのやり方を文章で書くと、
①部品にリード線を固定する
②ペーストを塗る
③糸はんだを接着する部分に近づけて
④接着部分のリード部をはんだごてで加熱する
⑤接着したい部分にはんだが回った状態で素早く半田ごてを離す
・・・ となるのですが、ダイオードや半導体部品になると、熱の影響を受けないように素早い操作がいります。そのために、どうしても、体験してもらうしかありません。
キットではブレッドボードを使うので、部品を直接にはんだ付けすることはないのですが、この実習の最後に、下記のユニバーサル基板上に自己保持回路を組む予定で、はんだ付けは必須になりますので、何回か繰り返してやけどをしながら感触を覚えてもらいました。(びっくりするほど、みんなは火傷をします。注意に注意が必要です)
次のページは、電子工作キット「キットで遊ぼう 電子回路Vol.1」をつかって、基本的なことを覚えながら、豆電球やLEDを点灯させる内容です。 → 次のページへ


