電子工作のすすめ その3:実際にやってみよう

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このHPは、電子工作の3ページ目です。

前のページでは、若い始めての人に電子工作に親しんでもらえるように、はんだごてなどの工具を購入して、電子工作キット「キットで遊ぼう 電子回路Vol.1」を使って、はんだごての練習やテスターの使い方やLEDの知識を知ってもらう内容を紹介してきました。

ここでは、知っていそうで、わかりにくそうな「回路」などについて、こんなものを知っておくといいですよ・・・という事柄を紹介します。

これは、キットには付属しているものではなく、実習のために別に部品類を購入したもので体験してもらいました。 

電子工作をやってみようと考えている方も、「こんなかんたんなこと・・・」と思わないで、一度内容が理解できるか読んでみてください。

1. 豆電球をつけてみる

電球の点灯

これは誰もが知っている、豆電球を灯す回路です。

豆電球は図のように電源(ここでは1.5Vの乾電池)をつなぐと、電球の中のフィラメントが電流の作用で発熱して光りますが、ここで注意する点は、電池の電圧に見合ったものを使うことです。このような、わかっていると思っていることでも、実際にやってみると納得できます。(小学校以来、ことんどの方はやる機会がなかったと思いますので)

豆電球に書いたボルト数にあった乾電池を直列にして、適当なものになるように点灯します。事前に、いろいろな豆電球の耐圧のものを購入しておいて、実感するといいと思います。

指定の電圧より低い電圧では輝度(明るさ)は低くなりますし、高いと早くフィラメントが断線したり、耐用時間が短くなるだろうなぁ・・・ということを明るさを見ると実感出来ます。

適正なものでは、意外ですが、思ったほど明るくないと感じることなども経験しましょう。

これらは実に単純なことですが、頭ではわかっていても、これを自分で確かめると、その間にいろいろなことを考えながら作業をします。だから、単純なことだと思わないで、ぜひもう一度やって見られることをおすすめします。

1.3~1.5V用の豆電球は電池1個でそこそこ明るく輝きますが、6V用の豆電球で1.5Vの電圧では、暗いですね。さらに、1.5V用の豆電球に2個の乾電池を直列につないで3Vをこの豆電球につなぐと、非常に明るく輝く状態も実感しましょう。

明るすぎると、もちろん、早くフィラメントが切れるかもしれず、寿命が短くなりそうなことは、見ると感じるでしょう。そして、このような使い方を「してはいけない」とは言い切れませんので、そのような状態で何をどうすればいいのかを自分で実感できるのはいいことです。

そして次に、豆電球と乾電池の直列並列についても確認して見ましょう。

これはもちろん、キットに付属のブレッドボードやテスターを使えば、電流電圧値を確認するのも簡単です。

電池と豆球の直並列

大きい丸の光は、明るいことを示しています。

とくに、右側2つの図のような豆電球の直列した場合については、学んだことも経験したこともないかもしれません。

これは、やってみるとわかるのですが、やった結果とその理由を、考えるだけではわからなかったことがわかるという満足感があります。

豆電球を並列につないだときは、電池の電圧に応じた明るさになります。しかし、直列の場合はよくわからないところでしょう。ともかく、やってみて、結果を見て納得すれば、確実な知識になります。

豆電球の直列では、原理的にはこの上図のようになりやすいのですが、やってみると、見た目にどちらの明るさも変わらない結果になったりします。これらは「実験してみる・やってみる」の面白さですね。

2. 次にLEDです

LEDという言葉と、それが何であるのかは、メンバーのみんなが知っていましたが、原理や点灯の仕方は知らないようです。

たぶん、1回では覚えるまではいかないと思いますが、手を動かしてやってみたことは覚えていますので、ぜひ、キットの部品などを利用してやってみてください。

LEDの例 LEDの基本回路

これは「砲弾型」とよばれるLEDで、足の長さが長いほう(+ アノード)から短い方(- カソード)に電気が流れて発光します。右が基本の回路ですネ。

長い方の足に電池のプラス側をつなぐことや、上の豆電球と違って、電流を制限するために抵抗を直列につなぐ必要があることを説明しないといけないのですが、「キットで遊ぼう 電子回路Vol.1」には電源電圧に合わせた抵抗やLEDが付属していますので、それをブレッドボードを使ってつないでもらうことから始めるといいでしょう。

現在では、LEDの種類や形状がいろいろありますので、教える側も、何をどう教えていいのか、迷ってしまいますが、キットには砲弾型のものが10個程度付属しています。とりあえず、使えるもので回路を作って、点灯してみましょう。

[ここで質問します]下図のように、このLEDの一つに1.5Vの乾電池を直接つなぐとどうなるのでしょう?

LEDを直結する

この図は、正しい接続の仕方ではありません。かなり大胆ですが、この接続をみんなに実際にやってもらいました。

まず、乾電池1個(1.5V)では、発光させるための電圧が低すぎたために点灯しません。

そして、単3電池4つを直列にした状態(6v)でLEDをつなぐと、ぴかっと光って一瞬でLEDがOUTになリます。

普通はやってはいけないことですが、最初にこれをやっておくと、覚えやすいし、なぜこうなるのかが説明しやすくなります。

この場合は電池からLEDに流れる電流が大きすぎるので、2V以上の電圧をかけると、LEDがきれてしまいます。

LEDの規格値以下に電流値を下げることが必要です・・・上図の電流制限抵抗や直列の場合の抵抗とLEDに流れる電圧をテスターで確かめると理解が進みますね。

最近の若い人の多くは、取説(テキスト)を読まないで勝手に行動します。これは悪いとは言えないのですが、昭和生まれの私から見ると、冒険心の凄さと恐ろしさを感じてしまいます。正直言って、なぜいけないのか…ということを、上手く順序を追って教えていくということのほうが非常に難しいことですので、大きな費用や大した危険がないなら、体験してもらうのも一つのやり方とおもいます。(予め、たくさん購入しておく必要がありますが)

以下の内容について説明と簡単な体験をやってもらってLEDの理解をしてもらいました。

①LEDについて(はじめに知ってほしいこと)

LED一つをとっても、最低限知っておかないといけないことがいろいろあります。

砲弾型LED LEDの説明図

1)LEDは「発光ダイオードLight Emitting Diode」のことで、半導体の素子です。

いろいろな形状や仕様のものがあります。諸元については個々に違いますが、この写真のLEDは、Basic 5mm(5mm基本砲弾型)と呼ばれる標準的なもので、ここでは一般的な「1.8V 10mA」という数字で考えていきます。

(この数字については後で説明します。白色(青色)LEDは少し違うということも説明しました。今回はそれは購入しませんでした)

2)足が2本出ていて、アノード(+:長いほう)→ カソード(-:短いほう)に電気が流れます。逆の電圧をかけても光りません。(これについては、「キットで遊ぼう 電子回路Vol.1」の中でも実際にやってみることになっています)

その状態になるように電圧をかけますが、1.8~2.2V程度で10~20mAの電流によって点灯させなければなりません。

それより低い電圧や逆向きの電圧ではほとんど発光しませんし、大きな電圧や電流をかけると、その印加方向にかかわらずに破損して元には戻りません

3)このタイプのLEDの耐圧は5V程度で、それ以上の電圧をかけると破損します。

たとえば乾電池4本(6V)を直接つなぐと、電流的に(電圧の問題も少しあります)仕様を越えてしまうので、一瞬に破損してしまいます。

このために、電流を制限する抵抗を回路中に入れてやる必要に話がつながります。

4)電流量が増えると明るくなるのですが、その限度は20mAです。15mAを流した場合と比べると、かなり明るくなりますが短寿命になります。(これは、定電流ダイオードを用いて体験してもらいました)

「LEDは熱に弱い」ために電流の熱作用を気にしないといけないことや、家庭用のLED照明なども熱がこもらないようにしないと寿命が極端に短くなってしまうことなども説明します。

基板などに直接はんだ付けをする場合にも充分に注意が必要だということも話します。

5)電源は直流でなければなりません。交流では逆電圧がかかるので、早期に破損する可能性があります。

DCアダプター12V

回路を考えるときのポイントとしては、
①乾電池1つ(1.5V)では光らない
②電流を制限しないといけない
③つなぐ方向がある

・・・などですが、すぐには理解できないのですが、とりあえず説明します。

「キットで遊ぼう 電子回路Vol.1」では、単3電池4つを直列にした6Vを用いた回路が説明されていますが、ここでは、たくさんのLEDを点灯させる確認をしたいことや、抵抗値などの計算を知ってもらうために、あえて12VのACアダプターを使用しました。

②1.8V・10mA について

この1.8Vは「順方向降下電圧forward drop」と言い、「LEDを1つ使うと1.8Vの電圧降下をします・・・」ということですので、5個を直列につなぐと1.8x5=9V以上の電圧をかけないと光らないということになります。

12VのACアダプターを使用すると、12÷1.8≒6.7 で、6つぐらいまでであれば、直列にして全部を同時に光らせることができますね。

そして10mAについては、10mA程度の電流が流れると光ります・・・というもので、仕様書には推奨電流(Suggested using current):15-18mA や、許容電流(Max current):20mA などが表示されています。

充分な発光には推奨電流の15mA程度で考えてやるといいということになります。

このタイプのLEDはすべて同じで、(おおむねこの程度の値なのですが)20mA以上の電流を流すとLEDが破損してしまいます。

推奨電流を超えるのは好ましくなく、もしも、もっと明るくしたい場合は、このLEDでは無理ということになり、高輝度タイプなど、別の種類をさがす必要があります。

③直列と並列の話

直並列の説明 LEDの並列つなぎ

WEBの図をお借りしましたが、左は直並列になっている図で、右は、個別に4つのLEDを光らせている図です。

この左図では5個の直列になったLEDの組が並列に2組接続されています。

このスイッチを入れると、全部(10こ)のLEDが点灯します。右は並列で4つのLEDをそれぞれの抵抗を介して光らせるものです。

数個を直列にすると、その1組に対して抵抗は1つでいいのは長所ですが、直列にしたLEDの1つでも破損すると、全部が点灯しなくなります。

直列の場合の明るさについては、LED1つ一つが同じ仕様のものであれば、同じ明るさになりますが、順方向降下電圧が異なったメーカーや種類の違ったLEDを直列に使うと、明るさにむらができることになります。

「キットで遊ぼう 電子回路Vol.1」では、これらを実験して、それぞれの部分での電圧、電流値をテスターで測定することでそれらを理解できるように考えられています。

いろいろやりたい方は、このキットはうまく考えられていますので、ぜひ、キットを利用してやってみるといいでしょう。

④電流の制限

LEDを点灯させるには、20mA以下になるように電流を制限するために「抵抗」を直列に入れたり、電流制限用のダイオードを直列に入れます。

オームの法則とキルヒホッフの法則などを少し詳しく理解すると、電子回路を考える上で役に立つのですが、もちろん、これらの法則などは、中学・高校で習っているはずなのに、きっと忘れていますので、ここでは、抵抗を直列にすると電流が制限されてLEDが破損しない・・・とおぼえてもらうだけになってしまいました。

⑤電流制限抵抗値の計算

LED自体にも内部抵抗があり、半導体素子ですので、電圧・電流の違いで、都度それが変化するのですが、すべて、LED1個を点灯させる場合の推奨電流は15mA(=0.015A)、LED順方向降下電圧は1.8Vとして説明をするといいでしょう。

LEDに抵抗を直列につなぐと、キルヒホッフの法則が適用され、それぞれの素子に同じ電流が流れることになりますので、そうすると、オームの法則で必要な抵抗値が計算できるということになります。

オームの法則は、電圧(E)=電流(I)x抵抗(R) でしたね。

LED1個を点灯させる場合を考えて12Vの直流電源につなぐとすると、抵抗によって12-1.8=10.2V を低下させてやればいいので、

① (電源電圧-順方向降下電圧)10.2V=(流そうと思っている電流値)0.015A x R からオームの法則でRを計算すると、680Ω になります。

② 少し長寿命にするためにLEDに少し少ない10mAを流すとすると、10.2V=0.01AxR から R=1020Ω となります。

③ LEDを3個直列にする場合は、抵抗によって低下させる電圧は 12-(1.8x3)=6.6V

なので、15mA流して点灯するには、6.6V=0.015AxR から R=440Ω になります。

キットは単3電池4つの6Vで計算した抵抗値ですが、このように、テキストとは違ったことをすると時間がかかりますが、応用力はつきます。

とりあえず、さらっと、このような話をして、回路は「計算で求める」ということをイメージしてもらう程度で時間切れになりましたが・・・。

⑥販売させている抵抗の値はとびとび

抵抗

これは、「E12」という系列の抵抗群です。

このように変な値で、とびとびの値(数学的に考えられた数列ですが)になっていますので、計算による抵抗値のものがない場合は、目的を考えて近い値のものを採用することになります。

今回の計算値は ①680Ω ②1020Ω ③440Ω でしたので、①680→680Ω ②1020→1kΩ ③440→470Ω が既製品でありますので、これで回路を作って点灯してみることにします。近いものがなければ、電流が流れすぎない方向で大きめのものを採用するのが通常ですが、計算すればわかるのですが、LEDの場合は、近いものにすることでOKでしょう。

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LEDについて最小限の説明をしようとすると、以上のような内容が必要になります。

100円ショップに行くと、いろいろな電飾品が売られています。100円でよくこんなものができるの…と感心させられますが、以上のようなLEDのことを理解をしても、まだまだ100円ショップで販売されているような多彩なものは出来ない・・・ということを考えると、ある意味、情けなくなります。

でも、これをやらないと、それ以上のものが出来ないのですから、基礎は大切です。

これらを実習し、説明しながら、テキストの内容に沿って実習に取り掛かってもらいましたが、Vol.1のテキストは20ステップあるのですが、3時間の余裕時間で、7ステップほどしか進みませんでした。基礎だけを理解するのも大変です。

簡単に実習の内容を紹介します。

実習しました

①と②の結果

15mA流した左と、10mA流した右側では、電流の大きい左側が明るくひかります。

(型式によって照度・輝度はほぼ決まっています)

LED3個直列

これはLEDを3個直列した場合です。

正面から見ると、3つとも同じように、結構明るく輝いています。特性値の違いで、同じように光らない場合もありますが、この場合は、難なく、ほぼ同程度に輝いてくれました。

さらに、この抵抗の計算が大変な場合に、定電流ダイオード(CRD)という優れものがありますので、キットにはありませんでしたが、それについても実習してもらいました。

定電流ダイオード

LEDに使える10mA・15mA用があり、耐電圧も30-100V程度ですので、これを使用して、たくさんのLEDをつなげて電飾などを作るのも面白いかもしれません。

【実習では説明しませんでしたが・・・】

すべて実習が終わったあとで、12VのACアダプターの電圧を測定したところ15.7Vもありました。

そうすると、③の場合を例に、12Vで計算したR=470Ωですが、それが15.7Vになると、R≒687Ω となり、1.5倍も値が変わってしまうことになります。

各素子の誤差などがあるうえに、LEDの定格に余裕があるので、少々の抵抗値の違いは、大したことがないと考えるしかありませんが、リチウム電池用の定電圧電源はほぼ定格通りですが、意外とこんな事があるので、身近なものを測ってみるのも面白いでしょう。

白色LEDの話も面白いのですが・・・時間がありませんので、やりませんでした。

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次のページはシリーズ最終回で、基本の自己保持回路を考えながら作って見ることに挑戦してもらいました。部品を小さなユニバーサル基盤に取り付けて動作をさせてみることをやって行きます。 → 次のページ


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