ボケ防止に電子工作 LEDを点灯させてみよう

こちらの最初のページでは、電子工作を始めるために最低限の工具・部品を5千円程度で準備しましょう … という内容でした。このページでは、LEDは、近年は高輝度タイプが主流になっているので、数色のLEDの点灯して基本的なことを確認していきます。 色によって発光の様子がかなり違うので、基本に立ち返って使い方をみていきます。

購入したLEDを点灯させてみましょう

購入したLEDのセット

このような200球セットを購入しました。 安価ですが高輝度タイプ … とあります。 これを使ってこれらのLEDを点灯させるのですが、手を動かして自分で確かめるとわかりやすいでしょう。 計算や回路がわからなくても、自分でブレッドボードに回路を作って、自分でどうなるのかを確かめていってください。

5Vの電源では、200~220Ωの電流制限抵抗で点灯してみる

LEDが切れているかどうかはテスターを使えば確かめることができますが、従来の普通タイプか高輝度タイプなのかはわかりにくいので、200か220Ωの抵抗を直列につないで点灯してみると、高輝度タイプは非常に明るいのではっきりと見分けることができます。

LED点灯回路の例

ここでは5Vの電源を使うので、200Ωか220Ωの抵抗をつけて点灯させてみましょう。

LEDは今後は高輝度タイプになって従来の普通タイプは淘汰されるでしょう

これまでの砲弾型LEDは2V普通タイプが多かったのですが、私の手持ちLEDを見ると、すでに、高輝度タイプが主流になっています。 高輝度タイプはさらに省エネでき、非常に安く購入できるようになったのですから、いずれは、従来の普通タイプのLEDは消えゆく運命でしょう。

ただ、明るすぎるぐらいなので、少し、従来のものと区別して使い方を考えた方はいいのです。

これまでは、書籍やWEBにあるLEDの点灯の説明では、普通タイプは2V・15mAとして、制限用の抵抗値を求める場合は、抵抗に15mA流れることで、オームの法則を使って、R抵抗=E電圧/I電流=(5-2)/0.015=200Ω のようにしていましたね。この 0.015 はアンペアで、つまり15mAで非常に明るく点灯します。

上の回路では、抵抗とLEDが直列になっているので、回路にはLEDにも抵抗器にも同じ電流が流れることから、LEDで2Vの電圧降下があり15mAの電流が流れる … として、上のように抵抗Rを計算しています。

しかし実は、今までの普通タイプのLEDは5mAでも15mAでもそんなに輝度の違いはなかったので、少々の違いあっても大きな問題なかったから、ともかく200Ω程度の抵抗をつければ適当に光ってくれました。

ところが、今回購入した200球のLEDのように、高輝度タイプに15mAを流すと、普通タイプの数十倍も明るいので、特に輝度が必要な場合を除いて、10mA程度以下の電流量で充分明るいのです。

数年前までの高輝度タイプといえば、「白色LED」のことで、3Vで15mAの電流を流すことにして抵抗値の計算をしていましたから、10mAの電流を流して点灯させるとすれば (5-3)/0.01=200 となります。

つまり、LEDがどちらのタイプなのかがわからない場合では、5Vの電源であれば、200Ω程度の電流制限用の抵抗を直列にして点灯させてみればいい というをことを覚えておくといいでしょう。

ただ、今回の購入したセットを見ても、白色以外の多色がセットになっていますから、特性が同じであれば200Ωを基準に、暗くしたい場合は抵抗値を高くすればいいのですが、調べてみたところ、色によって仕様が違っているようです。

そうなると、安易に考えるとダメなので、それを少し見ておきましょう。

高輝度タイプ 色が違っても同じように光るのかを調べてみます

新しく購入した5mmの5色のLEDを、5Vの電源でそれぞれに200Ωの抵抗をつかって発光させたのですが、赤と黄色はほかの3色に比べて少し暗い感じがします。

べつにおなじLEDで点灯してみた

そこで、今回使ったLEDと手持ちの普通タイプで、電圧を変えてLEDに流れる電流を測定してみました。(注:これは、前のページで5000円以内で購入した工具部品では測定できませんので、参考に見ておいてください)

今回使ったLEDの電圧電流特性

するとやはり、高輝度タイプの赤と黄いろはほかの3色とは違うようです。

これを見ると、高輝度タイプの赤・黄は従来の普通タイプと似ています。 しかし、明るさは普通タイプと比べ物にならないほど明るいので、ちょっと使い方に工夫がいるのでしょうか?

点灯条件を揃えて点灯して、新旧LEDの明るさや違いを比較してみました

こんなLED点灯テストをしました

今回購入した高輝度タイプと、(残り少ない中古品ですが)手持ちの普通タイプ6種類を、すべて220Ωの抵抗でセットして点灯させました。

(注)5000円で購入した抵抗セットには同じ抵抗値のものが20本ずつ入っていますが、ここでは、秋月電子さんで220Ωの抵抗(100本 税抜き100円)で218~219Ωのものをより分けて使用しています。

同時に点灯させた様子

点灯させると、このように、高輝度タイプの3mmと5mmの明るさの違いは少ないですが、高輝度タイプと普通タイプを比べると、明らかに輝度に大きな差があります。

LEDは、流れる電流量で明るさが変わります。(もちろん、15mA以内で使用します)

そこで、LEDの電圧降下分から点灯時の電流を調べました

下図中の数字はLEDでの電圧降下の値です。 同じ条件で点灯させているので、点灯しているときのLEDの電圧降下を測れば、回路に流れる電流が計算できますから、電流を測るよりも簡単です。 方法は簡単で、LEDの2本の足の間でテスターで電圧を測るだけです。

LEDの電圧降下が大きいと、回路全体の電流が小さくなります。 LEDは電圧降下分で発光している状態ということですね。

(順電圧という用語がありますが、これは、LEDを発光させるための最低電圧という意味です。LEDは1mA以下でも発光しますので、ここではLEDが点灯している状態の電圧降下を測定しています)

高輝度タイプの順電圧 普通タイプの順電圧

数字を見ると、高輝度タイプは2.0~2.9V、普通タイプは1.8~2.1V になっています。明るさを見ると、高輝度タイプの優秀さが歴然です。

つまり、電圧降下が最大の2.9VのLEDは (5-2.9)/220≒0.01A 、最小の1.8VのLEDは (5-1.8)/220=0.015A の電流が流れて点灯しており、LEDにも抵抗にも同じ電流が流れているので、LED電圧の数字が小さいほど、回路にはたくさんの電流が流れていることになります。

言い換えれば、電圧降下が大きくて「明るい」LEDは、省エネのLEDといえます。 ここでは、高輝度タイプの青・緑・白が優れています。

高輝度タイプのLEDの明るさを見ると、10mA でも明るすぎるくらいで、用途によっては、もっと暗くなるように、抵抗値を上げて、電流量をもっと少なくしても問題ないようです。 明るすぎるのも眼によくありませんから。

試しに白色LEDの抵抗を4倍大きくしても、まだまだ明るい

LEDの点灯の様子 電流制限抵抗の違いによる輝度の確認

200Ωの抵抗での点灯ではかなり明るく、200Ωと810Ω を並べて点灯させてみても、表示用のランプなどでは十分な明るさです。

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この時の電流量を実測すると、200Ωでは11mAの、810Ωでは3mAの電流が流れて点灯しています。 LEDの実験などではこの程度暗くても充分なので、5mA以下 にして工作実験をするのが眼にやさしそうです。

家庭用のLED電灯も5mA程度で点灯させている

室内用LED照明

家庭の室内照明ランプも、蛍光灯がLED照明に変わってきていますが、これは私の部屋の6畳用のLED照明で、リング状に64個のLEDが埋められている 30Wタイプの器具で、ラベルには全電量が0.31A … と書いてあるので、これを単純に計算すると、LED1個当たりの電流量は 0.31/64≒0.0048A つまり、5mA程度でこんなに明るいのです。

砲弾型LEDは15mA以上の電流を流して使用すると寿命が低下します。 そして、明るさを追求しない用途なら、3~5mA程度で充分だということですね。

だから、それに沿って電流制限用の抵抗値を考えればいいのですが、上のグラフのように、LEDの色によって特性が違うので、どれでもが200~220Ωを使うというのも問題あるように思いますが、実際にいろいろな色を使う場合は、個々の特性を考慮して抵抗値を考える必要があるのでしょうか? それについて少し様子を見てみましょう。

高輝度LEDを点灯する場合の電流制限抵抗を考える

上の実験で電流消費が最大の「赤色」と最小の「白色」LEDで、制限用抵抗値を 200Ω~6.8kΩに変えて点灯したのが下の写真です。

電流制限抵抗を変えてLEDの明るさを見る

明るさの比較 その時の抵抗値と電流値

流れる電流量が1mA以下では、やはり暗い感じに見えています。 しかし、1mA程度の電流であっても、普通タイプと比べると非常に明るく、度々、電流制限用の抵抗値を計算して求めるというのもいらない感じです。

200Ω~500Ω位の抵抗器を用いることにしておいて、明るさを見て調節してもいいと思います。

高輝度タイプの砲弾型LEDは500Ω程度の抵抗を使うといい

上の電流電圧特性のグラフから、5mAの電流を流す場合の電圧E を読み取ると、赤:2.1V 緑:2.7V 白:2.9V なので、これから 5Vの電源を使う場合の抵抗値を計算すると、R=(5-E)/0.005 から、赤=580Ω 緑=460Ω 白=420Ω になります。

つまり、これに近い抵抗器を使えば5mA程度を流して光らせることができます。

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市販の抵抗器では、470Ωや510Ωなどになりますが、上の写真で見るように、少しの違いがあっても、そんなに明るさの違いは感じないはずです。