いつもとは違う見方で大阪城を見てみませんか

私は大阪城が好きです。そして、大阪の人には、大阪城が好きな人は多いでしょう。

現在の大阪城天守閣は、昭和6年(1931年)に、大阪夏の陣屏風(びょうぶ)に書かれた、豊臣時代の天守を参考に作られた、鉄筋コンクリート造りで、豊臣秀吉が1585年に大阪築城したものから数えると「3代目」の建造物です。

2022.4月の大阪城天守閣

天守閣の近くには、大日本帝国陸軍司令部の庁舎(現在の「ミライザ大阪」)や、周囲には兵器工場の「大阪砲兵工廠(おおさかほうへいこうしょう)」などの軍事関連施設がたくさんあったので、絶対に標的になったはずですが、どうも、アメリカ軍の思いやりがあったのでしょうか、この天守などが、戦争で焼け落ちなかったのは不思議で、天守閣や櫓(やぐら)などの、いくつかの建物は、戦争に耐えて残っています。

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そして、平成7年(1995年)から2年間かけて行われた大改修で、鉄筋コンクリート造りも、さらに補強されました。

ここでは紹介しませんが、天守閣の北側から極楽橋に抜ける道を行くと、爆撃で城壁が歪んだところや、砲弾痕がそのまま残っているところ(これらの場所には案内板あり)などもあり、大阪城のかっこいいところや、きれいなところだけではなく、近くを通っていても、人が見ないようなところに目を向けるのも、それはそれで、ちがった楽しみ方が出来ると思いますので、大阪城を訪れる機会があれば、この記事を思い出して、少し寄り道していただきたいと思います。

ミライザ大阪 砲兵工廠跡

改修中の大阪城天守閣

大阪城の地図などは、こちらの記事(トイレの紹介記事)にもあります。

外のエレベーターに賛否もあるけど

エレベーターが無粋だという人がいます。2019年(H31年)に、G20大阪サミットで来阪した当時のA首相が、「これはちょっと・・・」というようなコメントをして話題になったのですが、このエレベーターは、誰もが利用できるものではなく、足の不自由な方やお年寄りのためのものです。

この天守閣に入場するとわかるのですが、むしろ、下りのエスカレーターが欲しいくらいで、結構歩かないといけません。

大阪城天守閣は、城郭の内部構造などを見るものではなく、造られたときからすでに、展示場と展望が目的だったので、そう考えると、鉄筋コンクリートの城郭も、このエレベーターも、期待ハズレや違和感は感じないのですが・・・。

利用者用のエレベーター

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下の写真は、西の丸庭園からの天守閣ですが、やはり、エレベーターは見えていますが、景観を害するものではないでしょう。

それよりも、横のOBP(大阪ビジネスパーク)のビル群とマッチしているかと言われると、そっちのほうが別次元の話になるでしょう。(私はこの風景が好きですが・・・)

西の丸庭園から見た天守

意外に「大きくない」天守閣

これは、大阪城南側のKKRホテルの14階宴会場からとった写真です。

KKRホテル宴会場からの景色

天守閣は、どっしりと中央に大きく高くそびえていて、高さは約55mもある・・・と聞くと、非常に大きいイメージを持ってしまいますが、こんな感じで、周りには、大きな建物がたくさんあります。

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かっこいい写真が撮れる大阪城

大阪城天守閣は、写真映えします。

ライトアップされた天守閣

昼間の景色もいいですし、夜もいいです。ほとんど人通りがないので、一人で訪れると不気味ですが、こんな感じで、もしも、幻想的な「夜の大阪城」を見る機会があれば、ぜひ足を伸ばして訪れてみてください。(23時に消灯)

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ビュースポット

ここでは、少し離れて見る大阪城を2ヶ所紹介します。

1つ目は、桜のシーズンに、昼間とライトアップされる「夜の大阪城」を撮ったものです。お城から北側の大川(旧淀川)沿いの、造幣局横にかかる、通称「銀橋」から、桜ノ宮公園を眺めています。

銀橋から見た夜の大阪城 夜の景色

銀橋から見た昼間の大阪城 昼の景色

また、桜のシーズンに、大阪の川を巡る水上バス「アクアライナー」に乗ると、この場所で、船のエンジンをしばし止めて、この景色を観賞させてくれるサービスが人気です。

アクアライナー推奨の絶景地 この場所で一時停船

大阪城は、大阪3番めの有名観光地

大阪城天守閣入場者は、大阪の有料施設では、ユニバーサルスタジオジャパン(USJ)、海遊館に継ぐ、3番目・・・という統計があります。

2019年(H31年)の統計では、お金を払って天守閣に入場した人は218万人で、お城入館者では日本一となっています。(新しい統計は2-3年遅れに公表されます)

無料の城郭順位では、トップは金沢城の233万人で、大阪城はやはり3位です。

でも、コロナの影響で、(どこの観光地もそうですが)様変わりしました。

以前から撮りためた、人が写っている写真を引っ張り出して、その感じを見ると、2022年は、下のように観光客が激減です。(プライバシー配慮で、小さい写真にしています)

人の多さ比較

ビルに映る大阪城はどうでしょうか

次は、ちょっと変わった見方で大阪城を見てみましょう。

大阪城の北側でビジネスパーク(OBP)の西端に、壁が総ガラス張りのクリスタルタワーというビルがあり、全面ガラス張りです。そこに大阪城が写る場所があります。

他愛ない事かもしれませんが、これがうまく見えると、結構、感動します。

クリスタルタワーに写る大阪城が見える位置

ガラスに写って鎮座する大阪城を見ることができるポジションは、ガラスの反射面に対して、お城の位置と等角度になる位置しかありませんし、上下角度を含めると見えるところは限られています。

私の推奨するベストな位置は、オレンジボタンで示しています。

ビルと大阪城を眺めながら公園内を歩き回って、BESTポジションを探すのも面白いでしょう。

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ビルに写る大阪城1/3 うまく写っている天守閣

ビルに写る大阪城2/3 少し歪んでい見える天守閣

ビルに写る大阪城3/3

私が探したGOODポジションで天守閣が見える最遠位置は、大阪城野球場グラウンド(太陽の広場)です。双眼鏡を持って移動すると、もっと見える範囲が増えるかもしれません。

クリスタルタワーは、ビル全面のガラスに周りの景色が写るように設計されている、スマートなビルですが、日によって、クリスタルタワーの窓の状態なのでしょうか、見え方はずいぶん変わるところもまた面白いです。

ビルに写る大阪城 おまけガラス越しの大阪城

梅林と桃園

大阪城公園には、年中、何かの花が咲いています。

その中でも、個別のゾーンとして、梅(2月下旬見頃)=梅林、桜(3月下旬見頃)=西の丸庭園、桃(4月上旬見頃)=桃園 が整備された見どころといえます。

しかし、1-2月の梅と3月末の桜はニュースで報じられますが、特に、桜と同時期に見頃になる桃の開花については、あまり報じられません。

もちろん、梅林と桃園は、その開花時期には「花を知る人」で賑わうのですが、季節を外れると、梅林や桃園の場所を知る人は多いものの、ほとんど人が中に入って立ち寄ることのない場所になっています。

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ちょっと天邪鬼かもしれませんが、ここでは、「梅花時期でない梅林」と「花が咲いていても、不人気な桃園」の写真を紹介します。

花のない時期の梅林

不人気な桃園

余談ですがもう一つ・・・梅の話を

梅林入り口に、このような、梅林の説明があり、その中に、百人一首の競技の序歌(かるた試合のはじめに読まれる歌:難波津に咲くやこの花冬ごもり・・・)の説明があります。

梅林の説明書き

この説明では、「今春べ」となっています。元歌は、「今春べ」なのですが、競技かるた(人気漫画「ちはやふる」や広瀬すずさん主演の映画も有名)に合わせて、「今を春べ」としているのでしょうか。この案内板に書かれた内容を知っていると、ちょっと「ハナタカ」さんになった感じになりますね。

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大阪城の抜け穴~三光神社

大阪城には、豊臣家が滅びるときに金銀財宝を濠に埋めた・・・ などという噂を、今でも、まことしやかに話す人がいます。

それがまんざら嘘ではなさそうな内容の話しぶりですし、金銀財宝ではなく、抜け穴にまつわる話などもしばしば話題にのぼります。

それはそれで、色々想像できて、楽しめます。

例えば、城壁の周りに目を凝らすと、排水口のようなものが何箇所か見えます。もちろん、これは抜け穴ではありませんし、豊臣時代の大阪城は、落城のときにことごとく破壊されて、地下に埋まったのですが、調査では、財宝や抜け穴は「ほぼ無い」というのです。

ここでは、『真田の抜け穴』として知られる、大阪城外の三光神社を簡単に紹介します。

城壁に見える排水溝1?石垣の排水溝

三光神社」は、大阪城の600mほど南あって、「真田の抜け穴跡」があることで有名です。

三光神社

抜け穴入り口

入り口から撮影した内部

普段は写真のように、鉄扉が閉まっています。この入り口の中は、すぐに行き止まりになっているのですが、この抜け穴伝説は、絶対に深入りしてしまいそうな楽しさが満載です。

また、抜け穴に関連した、2011年に放映された映画で、「プリンセストヨトミ」がありました。

三光神社の北西側の空堀(からほり)商店街の一角で「大阪国」への入り口が撮影され、今でもその場所が特定できます。

「大阪国」は豊臣家の末裔が、大阪城の地下に作った「寄り合い所」・・・ということでしたが、下の写真の、白壁の部分がCGで改変されて、大阪城地下の大阪国に通じる事務所になっていましたし、お好み焼き屋さんの場所は、完全にCGで変わっていました。

詳しくは紹介しませんが、空堀商店街を歩く機会があれば、一度、この場所を探してみてください。

大阪国入り口へ

この壁がCGで入り口に

こういうこともあって、「抜け穴」「お宝」というのは、大阪人の頭の片隅に今でも残っているようですから、「お濠を掘ったら何かがきっと出てくる・・・」と思っているのは、私だけではないと思います。

・・・ということで、長くなったので、今回は終わりにします。お読みいただき、ありがとうございました。


(来歴)R4.7月見直し。 最終R5.2月誤字脱字の見直し