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宇宙にある見えない物質を探す

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宇宙はダークマターやダークエネルギーのような、地球から観測されない「未知の物質」で構成されている … とされているのは、ビッグバン理論から派生したものです。(→こちらにも関連記事)

そして、その未知の物質を見つける競争は、科学者の間では熾烈に行われているのでしょうが、いろいろな観測が行われている割には、私の記憶ではこの30年ぐらいは目新しい考え方や成果が出てきていない感じです。

現実味がありそうなものでは、「発見されていない素粒子」や「現在の技術では物理的に観測できないもの」という、ニュートリノや重力波という話題もしばしば耳にしますが、一般人レベルの話題は進展していないようです。

もちろん、宇宙探査や新素粒子の探求などを通して物理的アプローチしようという研究が続けられているのですが、現状の技術で観測できないものを頭で「考え出す」という理論的な追求も行われて、いろいろな仮説は出るのですが確証はできていない状況です。

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1例ですが、「超対称性理論」というものがあります

宇宙には、現在の地球上で解明されている素粒子の他に、反物質などで構成されているという考え方で、その他には超弦理論(超ひも理論)という言葉も聞きます。

いずれも、知覚できない次元や場面を加えて、数学的にアプローチしようというような考え方で、仮説としては一つの考え方です。

でも、検証できそうにないことでもあり、百家争鳴の状況で、何かに集約できる段階でないようなので、これについても、一般人が真剣に話題にするようなものでもないレベルです。

つまり、その仮説を検証できるか想像もつかない内容ですから。

私は宇宙の本を読むのが好きなので、比較的に目を通しているのですが、それでも、1990年頃の書物と現在の一般書を読み比べても、大きな変化が見られない感じがしていますから。

仮説がないと前に進めないけれど一般人向けの平易な話題もほしい

宇宙を考える理論のほとんどが「仮説」です。簡単に誰もが検証できるものではないために「仮説」の域を抜け出ることができていません。

地球やロケットなどの観測からも多くの仮説が生まれていて、それはいいことで、仮説がないと前に進みません。

例えば、ノーベル賞を受賞した南部陽一郎さんの自発的な対称性の破れの統一理論などに関係する、『真空状態では、その対称性が破れて別の系に移るときに質量が発生する』とする考え方があります。

そこから、ダークマターなどの見えない物質は、エネルギー的に安定した「真空」から変化したものではないだろうかという強力な考え方になっているといいます。

簡単に言えば、真空(この場合は、量子真空)に内在するエネルギーが、あたかも、質量のある物質のように振る舞う … という理論ですが、これについてももちろん、それを示すものは今のところ何も発見されていないようです。

でも、このような仮説があることによって、何かが発見されていくことは間違いありません。

以下は、見えない物質に関係する話題を紹介します。

ヒッグス粒子の発見と見えない物質

2012年に発見された「ヒッグス粒子(Higgs bosson)」ですが、さらにCERNでその正体をさらに明らかにしようとしている最中のようで、CERNには日本はあまりお金を出していないので、ニュースも出てこないようです。

素粒子 WEBの図を加工 (WEBの図をお借りしています)

この図は、素粒子物理学の標準理論における、物質を構成する17種の粒子を示しています。

ここにある「ヒッグス粒子」は物質を構成する素粒子の一つと考えられていて、ヒッグス粒子にも質量があるということが分かってきている段階です。(ここには「重力子」は除かれています)

もしも、素粒子などが十分大きな質量を持っておれば、ダークマター候補になりそうです。

しかし、現在のところは、ヒッグス粒子だけでは、ダークマターの量に匹敵する質量に足らないようなので、さらにいろいろと検討が必要な段階のようです。

研究者間では、もっともっと、しっかりした議論がなされているのでしょうが、公表されるまでには時間がかかるので、現状では、まだ、結論が出ていない状況(つまり仮説のレベル)ということですね。

変な言い方ですが、ノーベル賞が与えられた内容でも、仮説の域を出ないものもあっても不思議ではないのです。

ヒッグス粒子とヒッグス場

混同しないように、これらの違いを頭に入れておいてください。

ビッグバンが起こって真空が相転移したときに「ヒッグス粒子で満たされた」と考えて、その状態を「ヒッグス場」という環境(場)では、素粒子論の主流となっている「標準理論」を適用すれば素粒子の関係が説明できるという考え方があります。

これが「ヒッグス場」で、上に出てきた素粒子の「ヒッグス粒子」とは混同しやすいので注意が必要ですが、そのへんの話題を紹介しましょう。。

最先端の物質の根源を探求する施設:CERN

スイスとフランスの境にある研究所「CERN(セルン/サーン)」は、素粒子などの物理学研究をする機関です。

大型の加速器を使って、ヒッグス粒子などの新しい物質について研究していることはニュースなどでご存知でしょう。

宇宙を構成している物質の大部分が、現在観測できない「ダークマターやダークエネルギー」と考えられていますが、このCERNでは、物質を構成する「核子」などを高速で衝突させて、破壊されて出てくる「素粒子」を調べることで物質の構成を解明しようとしています。

残念ながら、ここでの研究は日本であまり紹介されていません。

なぜならこれは、日本の科学者も研究に携わっているものの、日本は、CERN設立にお金をたくさん拠出していないので、「主要なメンバー国」ではないからです。

逆に日本は「設備の建設などで儲けさせてもらった国」なので、ここでの研究や最新の話題などは、たとえ、日本の研究者が加わっているとしても、公表する権利がほとんど無いので、日本のニュースに上がってくることはあまりないのでしょう。

残念ながら、科学は「お金」と結びついているので、お金を出していなければ、多くの研究ができない・・・というような一面があるのは仕方のないことです。

そして、日本の科学者も大いに頑張っています

日本では、それに変わる研究施設があって、もちろん、そこでは多くの日本人研究者が頑張っています。

例えば「スーパーカミオカンデ」や「XMASS」などの、世界から注目される設備を稼働させていますので、日本の素粒子研究が世界より遅れているということはありません。

スーパーカミオカンデは、素粒子「ニュートリノ」の観測を通じて、宇宙生成の謎の解明や太陽内部の活動を探る研究から陽子崩壊という現象をとらえようとしています。

この陽子崩壊が発見されれば、重力の謎の解明で大統一理論に一歩迫るというのです。

スーパーカミオカンデでは、大量の超純水を使ってニュートリノを検出し研究しようとしています。

また、XMASSは、超対称性理論で予測されるニュートラリーノという未知の物質(=ダークマターではないかと考えられている、かなり重い粒子)を-100℃の液体キセノンを使って検出しようとしています。

もちろん、ニュートラリーノが見つかればノーベル賞ものですし、ニュートリノについても、もっといろいろなことがわかってくれば、重力と物質などの関係がわかってくることになります。

いずれにしてもすごい内容を含んでいますから、ここでの成果も楽しみですが、これもすごいデータが出てくるのはかなりの時間がかかるのでしょう。

カミオカンデなどの検証を通じて素粒子の性質や質量などが詳しくわかってくると、先の超対称性理論は棄却されることになりそうです。

そして、標準理論の素粒子から宇宙の構造が解明されていく流れになっていきますし、反対に、ある新発見の粒子に質量があることが検証されなければ、それに変わる、新たな仮説を考えて解明していかなければならないことになるので、先端研究も先陣争いの重要性がかかっているようです。

研究とはそのように、その研究過程で、仮説同士が真っ向から対立して、勝った仮説だけが理論として残っていきます。

いろいろな仮説は、今後の研究で次第に白黒がつくのですが、ノーベル賞の対象を見ていると、論文を出しても、少なくても10年程度以上の年月を経過しないと表彰されないようですから、ダークマターやダークエネルギーの解明は、まだまだ時間がかかりそうです。