ダークマターや宇宙論を自分なりにイメージできるように

話題の多い宇宙について、宇宙は何でできているのかという話題を集めました。専門的ではなく、一般の方にも読んでいただけるように紹介しています。(文字数が少し多いので、PCが読みやすいでしょう)

宇宙の組成は、星などを構成する物質(バリオン)が5%程度であり、その他はダークマターやダークエネルギーという、全く正体のわからない物質で出来ていると話題になっていることは見聞きした人も多いでしょう。

それは、アインシュタインの一般相対性理論に基づいた「宇宙方程式」に沿って宇宙を観察をした結果で、もちろん、その他の考え方で宇宙を考えると、全く違う宇宙像になるといいますが、現在は「ビッグバンで宇宙の歴史が始まった」という考え方が有力ですのでこのような数字が出てきているのですが、逆に言えば、宇宙はどうなっているのか、まだまだ、さっぱりわからないという状態のようです。

現在は一般相対性理論についても現在の主流の考え方ですので、ともかく、よくわからない物質(またはエネルギー)が大半を占めているということから話をはじめます。


 やのまんのジグソーパズル

NASAの観測衛星WMAPがすごいことを見つけた

2001年にアメリカが打ち上げた、マイクロ波の異方性を探る観測衛星WMAPは、宇宙のあらゆる方向の電波を調べて、宇宙の温度分布やエネルギー総量を算出したところ、「観測できる物質は総量の4%」という驚愕の結果を示しました。

そして、観測できない残りが、正体不明の物質というのです。(このWMAPの数字「4%」については、後の欧州のプランク探査機のものとあわせて、以下のように修正されています)

宇宙の構成物質NASAのHPより

WMAPは、宇宙生成初期のなごりの「宇宙背景放射」の分布密度にムラがあることを計測して、「宇宙のエネルギー分布は、均一に分布しているのではなくて、泡にような構造で分布している」という事を示して、それが、現在考えるれている「宇宙の形」だとしました。

なぜそのような網目状になるのかということもよくわかっていないようですが、宇宙が急激に膨張したインフレーションや、ビッグバンによって宇宙が生まれたときの膨張時の「ゆらぎ」が、WMAPやプランク探査機によって発見されたということで、また、宇宙の広がりが、エネルギーや重力波として「さざなみ」のように広がっていると考えられています。

そして、多くの科学者は、この考え方に沿って、宇宙ができた時の状態を考えていこうというのが現在の考え方のようです。

この「重力波」は、アインシュタインがその存在を予想したもので、アインシュタイン生誕100年後の2016年になってようやくその存在が確認されました。そして、重力波の状態やビッグバンのときに発生した「重力波の解明」が一つの鍵になるとして、新たに探査機も打ち上げられており、その成果が期待されています。

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宇宙は何でできているのかは混沌とした状態

宇宙の大部分を占めている物質を観測したところが、その多くが、全く観測では捉えられていない「ダークマターやダークエネルギー」という「観測できないもの」ですが、その他の宇宙研究を含めても、現状では、それが何なのかが確認できていません。

しかし、見える星などが集まるところにその見えない(見つけられない)何らかの物質が多くあって、それらが星や星雲を作っていて、希薄に分布するガス状の何かが集まって星になり、銀河を形成していると「観測できないもの」の正体を考えていこうとしているようです。

「ダークマターやダークエネルギー」については、現在のところは、いろいろな仮説があるのですが、それが何なのかは断定されていません。

もしも、何かの見えない物質やエネルギー(すなわち E=mc2  で、エネルギーと質量は同じものですから)がなければ、現在のような「大きく広がった宇宙」の形にはならなかっただろうと考えられており、WMAPの画像での、銀河や物質(すなわち、観測できるもの)の分布は、泡の接合部分で「網目構造」になっている(これを「宇宙の大規模構造」と呼ばれる) 状態になっているのですが、その底の部分にダークマター等の見えない物質が多くあって、その泡の合わさった部分(密度が濃いと見られているところ)で星が生まれているというのが現在主流の考え方のようです。

WMAPの画像(NASA)NASAのHPより

ダークマターやダークエネルギーが何なのかを特定されていけば、現在の「約5%」というバリオン(観察できる物質)の量の数字が変わってくる可能性もあります。 また、その他の宇宙に感する考え方や数値も、仮説はたくさんある状態なので、何かの事実が見つかると急にひっくり返るかもしれませんが、上の宇宙の構成比率は、現在のところで「最も確からしい」という数字のようです。

宇宙のムラは初期の宇宙の名残

WMAPの前に打ち上げられた探査機「COBE」の調査結果でも、宇宙の初期状態は高温の火の玉のようなものであっただろうという考え方が有力でしたが、WMAPでさらに、宇宙の広がり方に「ムラがある」とわかってきて、「火の玉宇宙が均一に広がった結果で、現在の宇宙がある」というそれまでの考え方が変わってきました。

それが、宇宙の膨張の過程で生じた「インフレーション」というもので、宇宙の発生初期に、とてつもない急激な膨張があったとする考え方がクローズアップされてきました。

この「インフレーション理論」は、日本の東大教授の佐藤勝彦さんなども提唱しているもので、いろいろな書物も販売されていますが、ビッグバンによる宇宙の急膨張が起こる以前に、真空の持つエネルギーなどが働いて、ビッグバンのきっかけを与えたというのです。

ただ、現在の認識の「光の速度を超えることができない」というアインシュタインの相対性理論も、空間が光の速度を越えて膨張しているということになれば、一般人は全くイメージすることが難しいことですね。

この真空のエネルギーは、真空がエネルギーを持っているということで、すなわち、真空がダークマターなどの「見えない物質」の候補にもなっていますが、それは後ほど紹介します。

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「温度ムラ」といっても、これは、非常に小さい温度差の状態

WMAPの測定した温度差は、0.0002K(2万分の1度)という、気の狂うような高精度測定による温度差で、それを色分けしているのが上の写真ですので、極端な温度差と言っていいのかどうかも難しいのですが、これをもとにして宇宙の広がり方を考えていこうというのです。

ビッグバンでは重い元素はうまれなかった

元素の出来かたを考えると、超高温高圧であったと考えられる「生まれたての宇宙」が膨張する過程では、水素などの軽い物質は核融合してできるのですが、一般的には、鉄(Fe)より重い元素になると核融合では無理で、とてつもない力が加わる「超新星爆発」などでできる以外は生成されないと考えられています。

現在の宇宙の存在元素の割合や、安定な原子核ができる核融合の過程から、このことが推定できるというのですが、さらに、これによってビッグバンの過程が説明できるといいます。

ただ、現在考えられている、宇宙の年齢(138億年)や、大きさ(460億~780億光年以上)を生み出すエネルギーとなると、それが途方もなく大きすぎるので、物質の量や分布などから考えても、決定的な考え方がでてこないのが現在の状況です。

でも、実際に、宇宙の構成比率で「バリオンが5%」の状態だというのがWMAP成果の発表から20年以上経ってもはっきりされていないことから、やはり、宇宙は混沌としているということなのでしょう。

確定的な考え方がない状態なので、宇宙の構成について、量子力学でいう「真空」の持つエネルギーや、宇宙は多次元の中に組み込まれているというような、宇宙の状態を推定する考え方(宇宙論における新仮説)がどんどん出てきているのが現状です。

WMAPによって様々な成果が・・・

WMAPによって、宇宙の大きさや年齢の決定、宇宙の組成割合、インフレーション宇宙論の可能性や膨張宇宙など、いろいろな成果が得られています。

ただ、それでも、仮説の域を出ていないことで、いろいろな反論もあります。つまり、宇宙にはわからないことのほうが多いので、爪の先のような観測では反論が出るのが普通です。

この「宇宙の大きさ」だけを見ても、科学者の間でも、いろいろな数字があります。それもあって、宇宙の大きさも、千万年単位でどんどん大きくなっているのですが、今言われている数字も、もっともらしいという仮説に過ぎません。

しかし、このWMAPは、パワースペクトルの周期から、宇宙の大きさを三角測量的に算出して「宇宙の年齢は約137億年であり、宇宙の広がりを考えると、大きさは780億光年以上」としたので、これはかなり確からしいので、現在の宇宙の大きさは137億光年や138億光年という数字がよく使われています。

この137億光年は、宇宙の時空は平坦であるとしたもので、138億光年は、光速度とハッブル係数で算出される大きさだということですが、時空が変化しているとすれば、数字は変わってきます。

宇宙の年齢が138億歳でも10万歳でも、それは仮定

特にハッブル定数自体が確定できないので、その見積もりによって宇宙の大きさなどの数字は簡単に変わってしまいます。

現在観測される宇宙は、高温でプラズマ状態の「膨張している宇宙」が次第に冷えて、光が直進できるようになったときの境界を見ている『宇宙』で、それが宇宙が生まれたときから37万年経ったときのことというのですから、数字の見方や考え方で宇宙の大きさが変わるのも仕方がないでしょう。

しかし、宇宙が小さくなったということを聞きませんし、私の子供の頃の数十年前には、宇宙の大きさは100億光年以下だった記憶もあるので、「138億年」というように、適当に覚えておいても問題ない数字ですが、人間の一生や地球の一生から考えても、想像もつかない数字です。

だから、新しい探査機が打ち上げられたり、新しい観測データが出れば、億年単位で大きくなるかもしれませんし、時空が曲がっていて、何らかの方法でショートカットできれば、宇宙の果までは1億年でたどり着くかもしれないという現実感のない数字ですから、一般人が知ったかぶりするようなものではないようにも思えます。

見えない物質を探すこと 寄り道して、仮説についての話

宇宙はダークマターやダークエネルギーのような、地球から観測されない「未知の物質」で構成されているとするのは、ビッグバン理論から派生したものです。 そして、その未知の物質を見つける競争は、科学者の間では熾烈に行われているのでしょうが、いろいろな観測が行われている割には、私の記憶ではこの30年ぐらいは目新しい物が出てきていません。

現実味がありそうなものでは、「発見されていない素粒子」や「現在の技術では物理的に観測できないもの」ということで、ニュートリノや重力波という話題もしばしば耳にしますが、一般人的にはホトンで進展していない感じです。

もちろん、宇宙探査や新素粒子の探求などを通して物理的アプローチしようという研究が続けられているのですが、現状の技術で観測できないものを頭で「考え出す」という理論的な追求も行われて、いろいろな仮説は出るのですが確証はできていない状況です。

1例ですが、「超対称性理論」というものがあります。宇宙には、現在の地球上で解明されている素粒子の他に、反物質などで構成されているという考え方ですし、超弦理論(超ひも理論)という言葉も聞きます。

いずれも、知覚できない次元や場面を加えて、数学的にアプローチしようというような考え方ですが、仮説としてはいいのですが、検証が伴わず、百家争鳴の状況なので、興味本位の話題程度にしか思えません。

その仮設を検証していって、定説になるまではかなりの時間がかかりそうです。

私は宇宙の本を読むのが好きなので、比較的に目を通している方だと自認しているのですが、それでも、1990年頃の書物と現在の一般書を読み比べても、大きな変化が見られない感じがしていますから。

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仮説がないと研究が進めないけれど一般人向けの話題がほしい

宇宙を考える理論のほとんどが「仮説の段階」です。 地球やロケットなどの観測からも多くの仮説が生まれていますから、仮説は非常に大事です。

例えば、ノーベル賞を受賞した南部陽一郎さんの自発的な対称性の破れの統一理論などに関係する、『真空状態では、その対称性が破れて別の系に移るときに質量が発生する』とする考え方から、ダークマターなどの見えない物質は、エネルギー的に安定した「真空」から変化したものではないだろうかという強力な考え方になっているというのですから。

簡単に言えば、真空(この場合は、量子真空)に内在するエネルギーが、あたかも、質量のある物質のように振る舞うという理論ですが、これについてももちろん、それを示すものは今のところ何も発見されていないと思うのですが、このような仮説があることによって、何かが発見されていくことは間違いありません。

以下は、見えない物質に関係する話題を紹介します。

 

ヒッグス粒子の発見と見えない物質

2012年に発見された「ヒッグス粒子(Higgs bosson)」ですが、さらにCERNでその正体をさらに明らかにしようとしている最中のようで、あまりニュースもないようですね。

素粒子 WEBの図を加工(WEBの図をお借りしています)

この図は、素粒子物理学の標準理論における、物質を構成する17種の粒子を示していますが、ここにある「ヒッグス粒子」は物質を構成する素粒子の一つと考えられていて、ヒッグス粒子にも質量があるということが分かってきている段階です。(ここには「重力子」は除かれています)

もしも、素粒子などが十分大きな質量を持っておれば、ダークマター候補になりそうです。 しかし、現在のところは、ヒッグス粒子だけでは、ダークマターの量に匹敵する質量に足らないようなので、さらにいろいろと検討が必要な段階のようです。

研究者間では、もっともっと、しっかりした議論がなされているのでしょうが、公表されるまでには時間がかかるので、現状では、まだ、結論が出ていない状況(つまり仮説のレベル)ということですね。

変な言い方ですが、ノーベル賞が与えられた内容でも、仮説の域を出ないものもあっても不思議ではないのです。

次に、別の話題です。

ビッグバンが起こって真空が相転移したときに「ヒッグス粒子で満たされた」と考えて、その状態を「ヒッグス場」という環境で考えると、素粒子論の主流となっている「標準理論」を適用すれば素粒子の関係が説明できるという考え方があります。

この「ヒッグス場」と「ヒッグス粒子」の違いは混同しやすいので注意が必要ですが、そのへんの話題を紹介しましょう。。

最先端の物質の根源を探求する施設:CERN

スイスとフランスの境にある研究所「CERN(セルン/サーン)」は、素粒子などの物理学研究をする機関です。 大型の加速器を使って、ヒッグス粒子などの新しい物質について研究していることはニュースなどでご存知でしょう。

宇宙を構成している物質の大部分が、現在観測できない「ダークマターやダークエネルギー」と考えられていますが、このCERNでは、物質を構成する「核子」などを高速で衝突させて、破壊されて出てくる「素粒子」を調べることで物質の構成を解明しようとしています。

残念ながら、ここでの研究は日本であまり紹介されていません。

なぜならこれは、日本の科学者も研究に携わっているものの、日本は、CERN設立にお金をたくさん拠出していないので、「主要なメンバー国」ではないからで、逆に、「設備の建設などで儲けさせてもらった国」なので、ここでの研究や最新の話題などは、たとえ、日本の研究者が加わっているとしても、公表する権利がほとんど無いので、日本のニュースに上がってくることはあまりないでしょう。

残念ながら、科学は「お金」と結びついているので、お金を出していなければ、多くの研究ができない・・・というような一面があるのは仕方のないことです。

しかし日本の科学者も大いに頑張っています

日本では、それに変わる研究施設があり、そこでは多くの研究者が頑張っています。

例えば「スーパーカミオカンデ」や「XMASS」などの、世界から注目される設備を稼働させていますので、日本の素粒子研究が世界より遅れているということはありません。

スーパーカミオカンデは、素粒子「ニュートリノ」の観測を通じて、宇宙生成の謎の解明や太陽内部の活動を探る研究から陽子崩壊という現象をとらえようとしています。

この陽子崩壊が発見されれば、重力の謎の解明で大統一理論に一歩迫るというのです。

スーパーカミオカンデでは、大量の超純水を使ってニュートリノを検出し研究しようとしていますし、XMASSは、超対称性理論で予測されるニュートラリーノという未知の物質(=ダークマターではないかと考えられている、かなり重い粒子)を-100℃の液体キセノンを使って検出しようというものです。

もちろん、ニュートラリーノが見つかればノーベル賞ものですし、ニュートリノについても、もっといろいろなことがわかってくれば、重力と物質などの関係がわかってくることになるので、いずれにしてもすごい内容を含んでいますから、ここでの成果も楽しみですが、これもすごいデータが出てくるのはかなりかかるのでしょう。

カミオカンデなどの検証を通じて素粒子の性質や質量などが詳しくわかってくると、先の超対称性理論は棄却されることになります。 そして、標準理論の素粒子から宇宙の構造が解明されていく流れになっていきますし、反対に、ある新発見の粒子に質量があることが検証されなければ、それに変わる、新たな仮説を考えて解明していかなければならないというように、先端研究もかなり先陣争いが重要だということです。

研究とはそのように、その研究過程で、仮説同士が真っ向から対立して、勝った仮説だけが、理論として残っていきます。

いろいろな仮説は、今後の研究で次第に白黒がつくのですが、ノーベル賞の対象を見ていると、論文を出しても、少なくても10年程度以上の年月を経過しないと表彰されないようなので、ダークマターやダークエネルギーの解明となると、一般人の私のような人が知ることになるのは、まだまだ時間がかかりそうです。

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宇宙に関係する理論についてはどうでしょう

現在の宇宙を考える理論では、相対性理論と素粒子論が両頭となっています。

もちろん、それらは、宇宙関連の理論にとどまっているのではなくて、GPSや携帯電話などにその考え方が生かされて、実用的レベルの技術や製品になっているのはご承知でしょう。

大きな宇宙事象を考えていくには、相対論が優れており、素粒子論は極微の世界で有効だと言われていますが、どちらも全体に適用できるものではないようなのですが、ともかく、使える技術や製品がでてきているので、仮説にとどまっていないということになります。

ですが、それでは宇宙が解明できませんから前に進まないのですから、それらの融合を考えたり、全く違う宇宙の状態(仕組み)を考えてアプローチしようという考え方が出てくるのは当然です。

その一つには、この宇宙は一つの状態(1つの宇宙)ではなく、いろいろな宇宙が重なり合っているという考え方などがあります。

つまり、小さい1点から宇宙ができたとするビッグバン宇宙ではなく、我々が認識できない別の宇宙かあると考えるもので、超弦理論多次元宇宙マルチユニバースなどの考え方があります。もちろん仮説です。

その考え方によれば、現在考えられている「3次元世界+時間の4次元」ではなく、もっと多次元を考えることで宇宙の仕組みを考えようというものです。

もちろん、これらは「宇宙論の仮説」であり、これらの色々な考え方を融合していくと、ダークマターやダークエネルギーの正体が見えてくるというものでもありませんし、検証していくのが困難(あるいは検証できそうにない)なのいで、いずれにしても、これらの説がしっかりした理論になるまでには、いずれにしても、時間がかかるでしょう。

これらの「多次元宇宙」を考えている科学者は、「ビックバン+インフレーション理論でアインシュタインの宇宙方程式が記述できる」などという現在主流の考え方ではない、全く違った「宇宙のすがた」を考えているのです。

ただ、このような話題は、話の種としては面白いのですが、書籍を読んでも素人には現実感がなく、内容もほとんど理解しにくいものです。素人の私なりに簡単に紹介します。

超弦理論

現在の「素粒子理論」では素粒子が物質を作っているとしていますが、先ほど紹介したように、一般相対性理論と量子論の辻褄が合うように統合できるという理論です。

現在は未発見の「重力子」を含めて、物質の極小限を、現在分かっている素粒子よりも遥かに小さい「プランク長:10-35m」以下の「多次元のひも」だと考えると、現在考えられている素粒子についての説明できるという考え方です。

もっともこれは、検証ができそうもない難しい数学的理論なので、科学者や数学者さえも、頭の中で簡単にイメージできるものではないもののようで、科学者間で、理論の持つイメージや説明ができるまでにも、まだまだ時間がかかるような気がします。

しかし、この考え方を支持する科学者も増えてきているようなので、違ったアプローチで素粒子論が進んでいくかもしれません。

多次元宇宙やマルチユニバース

現在最も支持されている「ビッグバン宇宙」とは、宇宙は微小のものから急膨張して現在に至っても膨張し続けているという宇宙論です。

この考え方での、時間的な連続性や時間・空間・物質(エネルギー)などの関係性が、このビッグバン理論を使うと少しずつ解明されてきていることもあるので、「ほとんど正しい」とされている主流の考え方です。

しかし、これとは異なる多次元宇宙やマルチユニバースというのは、全く違う宇宙像の内容です。

これは、現在の宇宙に並行したり交差している宇宙があって、観測ができないか観測が難しい「複数の宇宙」が共存しているという考え方です。

仮説ですので問題ないのですが、それを示す「なにかの存在事実」が検証されていません。

私達の宇宙から、隣り合った宇宙を見ることが出来ないのなら、これを検証することは出来ないのですが、ある意味で、人間の頭脳の凄さを感じる、ロマンのある仮説です。

しかし、検証できないなら、このような考え方が進んでいくということはない感じがします。

人間の考え方は無限

現在の宇宙の考え方や話題をみると、「観測できる宇宙のはての向こう側」のことや「ビッグバンの前」の状態を話題にする記事を目にします。

これらは本来、数学的に考えても無理なので、メインになっている宇宙論では、これを「考えない」ようにするか「目をつむって、分かっているところだけを扱う」として進んでいます。

しかしそれでも、問題や話題を提起をする人はなくなりません。

私ではダメですが、「見えない宇宙がある・・・」という考え方を提唱するのは問題ではありませんが、永遠に目に見えなくて、実証もできないものを提唱するのは科学の根本ではない感じもします。 そうはいっても、仮説を考えることは人間の本性ですので、科学ではなくてロマンなのかもしれません。

ただ、SFや空想なら面白いのですが、頭のいい科学者が考えるものであれば、まだまだ、これからも、いろいろな宇宙論は無数に提唱されていくでしょう。

 

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光の速さに異論も

アインシュタインの相対性理論は、現在の宇宙的規模の状況をよく表している『定着している考え方』と思っていたら、今はさらに、『光の速さは一定でない』という考え方も出てきているようです。

これらについては少し整理して、別の機会に紹介できればいいのですが、私自身も混乱してよくわかりませんので、知りたい方は他の記述によってください。

さて、宇宙は何で出来ているのでしょう

宇宙を考えるための図宇宙って、なんだろう?

物理天文学等による宇宙の解明しようという内容は、私などの一般人にはわかりにくいものです。

ただ、私の頭の中では、時空・素粒子・真空の探求で、宇宙を構成する物質の探求が進んでいくだろう感じを持っています。

もっとも、私の貧弱な頭では、上記の項目1つについても言及することは難しいのですが、研究者によって、きっと、「わからない」が時間をかけて、徐々に「わかる」ようになっていくのでしょう。

長い文章になってしまいましたが、やはり、自分自身でも納得できるまとめ方になっていない感じです。

結論的には、「広大な宇宙の全エネルギーは、星や銀河によるものではなく、目に見えないダークマターやダークエネルギーが大半を占めており、今のところ、それが何なのかがわかっていない。」ということなのですが、ふと、「神のみぞ知る」という言葉が頭に浮かびました。神様は宇宙の起源や行末を知っているのでしょうか?


参考文献 重力波で見える宇宙の始まり(ピエール・ビネトリュイ) 宇宙の始まり、そして終わり(小松英二郎・川端裕人)  眠れなくほど宇宙が面白くなる本(懸英彦) Wikipediaの記事 NASAのHP

(来歴)R5.2月誤字脱字を見直し  R5年9月の見直し  R6.9月に確認