暦(こよみ)と生活

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暦と国立天文台

理科年表H30の理科年表

日本の暦は国立天文台が管理しています。

国立天文台の正式名は、「大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 国立天文台」といい、毎年、その翌年の暦を製作して官報に公示され、「理科年表」では「暦」の記事から始まっています。

この「暦部」の記事には、①祝日 ②日曜表 ③二十四節気と雑節の時間的関係 ④日にちごとの太陽・月の位置など ⑤潮の干満 ⑥天体(太陽・月・惑星・星など)の位置や食などの資料 などが掲載されています。

暦といえば

また、暦といえば、初詣に近所の神社に行ってお札をいただいた中に「神社暦」という冊子が入っていました。

これと同様の暦には、書店でしばしば目にする「高島暦」などたくさんの「暦」が販売されていますね。
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運勢的な内容が掲載されていて、どうしてもこちらのほうが目に留まるのですが、これらがどう結びついているのかがわかりにくかったので少し調べてみました。

暦のこと

主に、太陽と月の位置関係から暦を作ることを「暦法」といい、太陽の運行をもとにしたのが太陽暦、月によるものは太陰暦ですが、グレゴリオ暦・その他教会や宗教の暦法など様々なものがあります。

現在世界で最も多く用いられるのはグレゴリオ暦で、日本でも明治になってそれが導入されて現在に至っていますが、それまでは太陰太陽暦が用いられていました。

また、明治時代まで使われていたものを旧暦、現在のものを新暦という言い方もあります。

暦法に基づいてつくられているのが「カレンダー」です。

日本のカレンダーは国立天文台が暦法に沿って計算した内容を基準にして作られていることになります。

H31年のカレンダーは、新年号に変わることが事前に決まっているので、平成31という文字が書かれていません。来年のカレンダーでは復活します。日本の暦は、元号が基本ですから。

これらの暦は太陽や月などの運行を観察して、1年の行事の日にちを決めるためのものですので、太陽暦が正しくて何々が間違っているというものではありません。

いずれも天体を観測しながら計算をして季節を割り出しているのですが、完全に規則性のある計算として割り出せないで、少しずれた部分を「閏(うるう)」として調整するなどで天体の運行を修正しているので、これが毎日の暮らしにはなくてはならないものになっています。

日本では国立天文台が示す暦が基本になっているものの、今日でも、24節気などの旧暦の内容が残っています。

もちろん、その旧暦は現在の新暦とうまく合っていないにもかかわらずに、生活に根付いて引き継がれていることはご存知の通りで、日本人は、それによって季節を感じているといっていいでしょう。

太陽、月、星と暦は関係深いもので大切な事柄ですが、人々はそれだけに飽き足らずに、この「暦の情報」に加えて、西洋では占星術という考え方で人の運命や吉凶を考えるようになり、東洋では、中国などの陰陽思想・五行思想や独特の月の運行を暦法に加えたものが「暦」となって定着しています。

それが毎年の暦に加えられて、冊子となって神社や書店で販売されています。

これらの「暦冊子」には、様々な生活に関係する地方行事なども掲載されており、季節を知るために非常に便利なものになっています。

これに「運勢」「相性」「吉凶」などの内容が書かれているので、民間に広く浸透している「暦」は科学的なものと非科学的なものが混ぜ合わされた、少し奇妙な感じのものになっているといえます。

しかし、理科年表の数字を読むのと違って、運勢や吉凶が書かれていることによって、読んでいても楽しいものになっているといえますね。

国立天文台の暦

国立天文台のパンフレットを見ると、ここは広大な組織で、職員は551人となっているにもかかわらず、すごい仕事をしているのは、全国の大学がここに参画しているためでしょうか。

そのHPを見ると、天文情報センター計算室が暦の事項をまとめた翌年の「暦要項」を官報に告示しているのが「日本の暦」の基本だと書かれています。

理科年表には二十四節気や雑節に関する太陽の黄経やそれに対する中央標準時が示されていますが、旧暦の内容は全く示されていません。(もちろんですが、TVのニュースなどで、取り上げられることも多いので、なんとか付け加えてほしいと思っているのですが・・・)

民間で使われる暦(神宮暦や高島暦など)

それに対して、冊子として市販されている「暦」には、国立天文台が示す、グレゴリー暦などに基づく規則性のある暦の内容をもとに、旧暦に関する日にちや、人々に影響の強い月の運行や陰陽思想(陰と陽の2要素で万物の現象を見る)、五行思想(木火土金水の5要素で万物を見る)などの要素が加えてあり、はっきり言って、こちらのほうが日々の生活に密着していますし、楽しい内容になっています。

そして、これらの暦には古くからある占星などの以下の内容が記されています。

「九星」

九星 繰り方表

土曜星、水曜星などと示され、1~9 の数字に「7色(白黒碧緑黄赤紫)」と五行思想の「木火土金水」を組み合わせて9つの星にあてはめたものが「九星」です。

八白土星、七赤金星、六白金星・・・という9種類を年齢ごとに並べた「繰方表」が表示されており、それが暦の中に書かれています。

さらにそれを独自の見かたと考え方を交えた運勢が年ごとの一覧で書かれています。

この運勢は、みんなの眼が向く部分ですが、内容をしっかりと読んでみると、実に巧妙な文章がかかれており、誰にでも当てはまるように面白く書かれているのに感心します。

この文章は、専門の作家がいるということを聞いたことがあるのですが、全ての対象の読み手が、勝手に考えてくれる・・・というようになっているのはすごいことで、実に不思議な文章です。

「方位吉凶図」

方位吉凶図

これは2018年の図です。

歳徳神、太歳神、大将軍など12の神様が方角にあてはめられており、その神様の持っておられる本来の性質や行動で物事を行う場合の吉凶が決まっていて、それに沿って行動するといい・・・とされるものです。

今年の恵方」などのいい方で、歳徳神の方向(2019年の場合は巳亥の方向:東北東)を向いて巻きずしをまるかじりするなどの新風習も生まれているのはここからきています。

北が下になっているのは、上を向いて方角を読むためでしょうか。

「六曜」と「七曜」

六曜

「六曜」は先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口の6つを言います。

カレンダーや日めくりにもこれが掲載されているものがありますね。

中国で生まれたもののようで、一か月30日を5等分した6日(30÷5=6)を次々にあてはめたものです。

もちろん新暦との違いがあるので完全に循環していません。これもなんらかのルールがあって、編纂者が調整しているのでしょう。

ここにある「大安」や「仏滅」などは誰もが知っています。

これを真剣に信じている人は少ないと思いますが、私のようにそれを信じていない人でも頭のどこかに意識があり、完全に無視できないほど毎日の生活に溶け込んでいます。

それに対して「七曜」は現在の1週間の曜日です。

五行の火木土金水に太陽の「日」と月の「月」が加わっており、やはり天体と切り離せません。

占星術の「九曜(くよう)」もこの七曜が基本になっていて、七曜に月の交点(天球上での太陽の道[黄道]と月の道[白道]が交わる点)を加えられています。

「十二直」

北斗七星の動きを十二支の方位と組み合わせてもので、建・除・満・平・定・執・破・危・成・納・開・閉 の12を運勢に当てはめて吉凶の判断に用いられています。

北斗七星は古くから何か特別の星座の形だったことに驚きます。

これによって結婚や転居、契約や購入などの日を決める行動の目安になっているものといえます。

「二十七宿」

月の通り道(白道)を27に等分割したもので、27は月の天球に対する公転周期(27.3日)に基づいているとされています。

中国には二十八宿というものがあります。

この二十七宿とは別のものとされ、天空を4つに分けてそこに七曜を組み合して割り当てたもの(4X7=28)なので、等分割ではないようです。

角、亢・・・などを日にち別に割り当てて、これについても、その日に関する吉凶が決められており、結婚や造作などの吉凶や生年月日による吉凶占いなどの関係が一覧で示されています。

神霊館発行の「神社暦」(上の写真記事)などでは、今でもこの二十七宿が記載されていますが、この掲載を廃止している暦が多いようです。

暦と生活

このように日本における「暦」は天体(特に太陽と月)の運行が季節と生活に関係していて、それが運命や吉凶で人間の活動をコントロールする考え方となって息づいているのですが、西洋では太陽と星座が占星術などで影響しているのも興味深いことです。

自分の将来を予測できる占いが好きな人は多いでしょう。

日本人は、易断や四柱推命などの「占い」だけでなく、西洋の占星術なども好きな人が多いようですが、これらはすべて、天体が作り出しているものだと考えると、神秘的に思えるのも不思議なことです。

人はこれらの「占い」で、「これは良くない」という宣託(結果)があるなら、それをあえてしようという人は「変わった人」とされますし、その内容が、天体の法則から導かれた「暦」に書かれてあることだとすると、信じてもいいように感じてしまうところがあるのですが、ともかく、人は「占いが好き」になる要素というのは、体のどこかの遺伝子として埋め込まれているのでしょうか。

源氏物語には怨霊や忌みという内容がしばしば登場しています。

現在では笑って済ませるられることも、旧暦やその前の暦が用いられて時代はもっと真剣なものだっと考えると、このは重要なものですし、当然として、祈祷やお祈りで運命を変える方法がでてくるのも必然かもしれません。

このように暦を見ていくと、天体の運行が人々の生活や行動をコントロールしているということになるのですが、それを思うと、宇宙の壮大さやロマンを感じますね。


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