クリーニングの利用状況を調べてみました(1/4)

近年、WEBと宅配による新しい形態のクリーニングが出来てきましたが、日本政策金融公庫や厚生労働省の資料によると店舗あたりのクリーニング店の状態や利用の状況は下降していることがわかります。

調べたのは2014年版などですが、統計がでてくるのは遅れますし、傾向自体は変わらないでしょうから、少し長い文章ですが、下のようにページを4つに分割してそれを見ていきましょう。

  1. クリーニング店は苦戦中(このページ)
  2. お客さんから見たクリーニングは?
  3. 新しいサービスの模索と客数の確保
  4. これからのクリーニングは?

クリーニング屋さんのイメージ ランドリーのイメージ

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クリーニング店は苦戦中・・・

クリーニング店と取次所を見ると・・・

クリーニング業法では、クリーニング関係の業態を

クリーニング所
取次店
無店舗取次店
リネンサプライ業
ホールセール

に分類されています。

ここにはコインランドリーはクリーニング業法には該当しません
また、WEBのクリーニング宅配も、統計の調査時では、厳密な分類になっていない可能性があります。

ここでは、メインの、クリーニング所と取次店を対象に、クリーニング店の実態を見ていきましょう。

店舗数は減っています

私の場合は、普段利用するクリーニング店は「フランチャイズに加盟している取次店」です。

その私の場合を見ても、クリーニング店に行く間隔は長くなり、平均して、月1回はクリーニングに出していないようで、確かに利用度は低下しています。

これから統計を見ていきますが、平成10年ごろがクリーニング店総数のピークで、その後この約20年間で30%減少しています。

しかしそれでも、現在(若干減少しているでしょうが)、クリーニング所は約3.5万店、取次店は9.5万店程度あり、減少傾向とは言うものの、まだまだクリーニングは生活に必需のサービスに変わりはありません。

統計でも顔を出しているのですが、これから増えるであろうと思われるクリーニングの業務形態として、店舗を持たずに車両で集配する「無店舗取扱所」の増加が目を引きます。(私は、ネット宅配の状態を調べたかったのですが、この統計では、まだ、結果に現れていません)

無店舗店についての届け出義務ができた平成17年には263施設だったものが、5年間で1.5倍になっています。

もちろん、ネット宅配クリーニングの一部も、これに該当する業態のところがありますし、そうでないところもあります。次の統計が出る頃には、「無店舗」の中での分類数は、さらに増えていくとおもわれます。

 

一般的には、クリーニング店やクリーニング会社は自社のクリーニング工場を持っているのですが、この無店舗の増加傾向を考えると、今後はWEBと既存店(クリーニング店も取次店も)が融合するなどの新しい仕組みが生まれてくる可能性も高いと考えられます。

 

WEBの記事を適当なキーワードで検索して読んでいくと、①注文業務を行っている会社が必ずしも工場を持っていない会社や、②同じ工場に数社がWEBで注文を取り次いでいる会社が見うけられます。つまり、仕事を自社で受けて、他社のクリーニング工場に外注するというもので、これらも、新しい業態として、WEBを利用した展開をしているのでしょう。

 

依頼する側(私達のような顧客)は、「早く、確かに、安く」クリーニングしてもらえばいいだけなので、工場を持っているかいないかは重要でなくなってくるといえるのかもしれません。

そして実店舗の内容をみると、コインランドリーやその他の商品の販売スペースを併設する取次店も目立ってきています。

コンビニや他店舗との融合など、このように他の業務を併設する傾向は、これからも増えてくることは確実です。

「クリーニングに出すこと」はまだまだ各家庭では必要なもののようですから・・・。

 

ほとんどが小規模店です

クリーニング店の実態を見ていきましょう。

 

規模】クリーニング店(クリーニング所+取次店)の規模は、個人規模のところが60%で、そのうち従業員4人以下が50%と零細規模が多く、売上高は毎年5%程度減少している状況です。

 

単価の推移】過去20年間のクリーニング料金単価は(品物によりますが)平均して10%以下の上昇しかしていない状況であるので、約4割が赤字状態で、仕事もきつく、毎月の休みの平均が2.4日で、50%の店が休みなしといいます。

就業時間】さらにその多くは10~11時間以上の長時間労働時間という数字が出ており、11時間以上が5割を超えています。

 

この状態をみると、平成10年ごろに多くの取次店ができたころは経営数字はよかったのかもしれませんが、今は、「しんどい」ところが多い状況と読み取れます。

 

扱いや来客数は立地によって開きがあります

クリーニング所の受注取扱状態は、持ち込み22%、取次経由13%、外交65%となっており、1日の平均来客数は18.5人、1日あたりの依頼数は商業住宅地で290点となっています。

もちろん、工場隣接店などで大量の洗濯物を扱うところでは1日約5000点などの扱い量は普通ですので、地域性や店舗間格差が出ているようで、売り上げや利益についても大きな差がついていることは想像できます。

そのために今後は、設備を持ったクリーニング店の技術力を集荷業者が品物を集めるスタイルに動くのは充分に考えられるところで、無店舗取扱所が増えているというのは、こういう隙間を利用してWEBなどを含めて営業拡販していることが考えられます。

 

取次店の状況を見てみると、89%が専業で4割が10年未満の経営歴です。

会社組織でない場合は従業員平均2名以下で、平均労働時間は10.3時間となっています。

私の通うお店も、この感じのお店のようで、大手のフランチャイズ店で、女性従業員が1人で応対しています。パートタイムで人は変わっていますが、対応は1人です。

 

フランチャイズに入っている店の割合は会社個人ともに44%程度で、1日平均来客数は28.4人、取り扱い品の98%は持ち込み品で、客1人あたりで5点程度を依頼しているという数字が出ています。

 

今後はどうなっていくのでしょう

つまり、今の状態が続くとさらなるクリーニング店・取次店の減少が予想されます。

設備のあるクリーニング店は無店舗取次などと提携して仕事を特化するなどの道が残っているといえるものの、世代交代の難しさもあって取次店の減少は必至です。

こうなっていくと、みんな(私達のような顧客)にとっても不便になるのですが、店舗としても生き残るために何かを考えないといけないことなので、クーポン、外交(御用聞き)、特殊仕上げ加工・・・などの新サービスや付加サービス、保管サービス(これは、今までの店舗では、嫌がられていたもの)などといった、今までとは違ったサービスを展開する動きが加速することもあり得ます。

しかし、フランチャイズの加盟店であると、会社方針も関係するので、既存の小規模店の改革はまだまだ進まないかもしれません。

・・・といって、本部の指示や動きで、さらにWEBでの展開なども加わって複雑化してくるのは予想できることです。

 

クリーニング技術は特殊な技術で、これは非常に重要で、なくてはならないものですので、業界全体が衰弱するのは困ります。ぜひ頑張ってほしいものです。

ネットを利用して品物を受け渡しするクリーニングサービスについては、WEBに強い若年層と出不精になりがちな高齢者層などターゲットにしてサービスを展開するという方向ですが、WEBに疎い高齢者層にはとっつきにくいことは否めませんし、価格のわかりにくさや、価格面でも「安くない点」や、さらには、トラブルを起こさないように仕組みを改善する必要性はなくなりませんので、今後はさらに同様の業態であっても、多様化が進むことは間違いないでしょう。

 

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