クリーニング利用状況を調べてみました(2/4)

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  1. クリーニング店は苦戦中
  2. お客さんから見たクリーニングは?(このページ)
  3. 新しいサービスの模索と客数の確保
  4. これからのクリーニングは?

2. お客さんはクリーニングについてどのように見ている?

利用割合は依然高いけれど、利用金額は減っています

私の場合は、クリーニングに出すのは、衣替えの衣服と、季節替わりの作業服だけです。

どうしても、しみ抜きや特殊加工がいるものが多くて、費用も高くなってしまいますが、これは、自宅ではできません。あなたの場合はどうでしょうか?

H25年の調査では、1年間に80%の人は、何らかをクリーニングに出しています

逆に言えば、全くクリーニング店を利用しない人(家族)は20%います。(下左のグラフ)

利用者で1年に1回以上クリーニングを利用する人は52%で、月1回以上利用する人(ヘビーユーザー)は全体の33%となっています。(下右のグラフ)

このようにクリーニングは、かなり生活に密着していると言えます。

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下のグラフで、ビジネス用の服類を、週1回以上出す男性が14%もいることに驚きました。
仕事で着るワイシャツやスーツをクリーニングに出す人の多くは、ヘビーユーザーといえるのですが、私の周囲にも、「比較的安価できれいな感覚になる」と言って、定期的にワイシャツを通勤途中のクリーニング店に出す方がおられるので、この数字はなるほど・・・とイメージできます。

 

支出額(クリーニング代)を見ると、H5年(この年がMAX)に、1世帯当たり年間平均1.9万円使っていたものが、H22年のデータでは0.8万円までに半減しています。

これは2014年の統計で(グラフなし)、その後も減少傾向があるので、近年では、もっと減っているのでしょう。

 

利用している世帯数は20%増えているものの、クリーニング関連の総需要規模は4200億円で、H5年の8200億円から見ると、やはり半減しています。

つまり、年々「クリーニングに出さなくなってきている」と言えます。

クリーニングの年間利用者 クリーニングの利用頻度

 

満足度は高く、有料の付加サービスも多く利用されている

利用者の80%がクリーニングに満足しており、あわせて、汗抜き(21%)、撥水(20%)、デラックス加工(11%)、折り目加工(9%)の付加加工を利用しているようです。

特にこの中では、折り目加工の満足度が高いという結果です。

クレームは、多い? 少ない?

反対に、クリーニングに対して、4%前後の人が何らかの不満を持っているようで、先の調査では顧客側の原因を含めて、クリーニング店では、30%の店舗でクレームがあり、1店舗当たりでみると、毎月2.1件のクレームがあるようです。 また、取次店では70%の店舗で、毎月5.0件のクレームが発生しています。

この数字の捉え方は、内容の分析などがないので、単純に評価するのは難しいのですが、クリーニングに不満を持つ人は、利用しないと考えると、クリーニングでのトラブルは決して少なくない感じがしますので、これは、もう少し具体化してほしい数字のように思います。

 

ただ、有料・無料のシミ抜きや修繕サービスに対する好感度も高く、40%程度の人が利用していますし、その80%近い人が満足しているという結果が出ていますので、クリーニングは、なくてはならないことは確かでしょう。

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クリーニング店を利用してよかったこと・悪かったこと

アンケート項目をピックアップすると、

よかったこと:誕生日特典、革靴のクリーニング、保管時のアドバイス、保管サービス、接客・・・

不快に感じたこと:接客、料金、染み抜きが不完全、追加サービスをすすめられること、サービス内容や料金がわかりにくい

・・・などが上がっています。

 

確かに、この不快の項目については、クレームまでは行かないものもあるはずなので、まだまだ改善の余地があるということでしょう。(これも、深い分析が望まれるところですね)

 

併設業務

クリーニング店は下のようなサービスを併設しているようです。

私の近所のお店でも、このサービスをいくつか併設しているところがあります。何かあるほうが便利ですね。

クリーニング店が行うサービス

 

【クリーニングに出さなくなってきた理由】

クリーニングを出さない人にその理由を聞いた結果では、

①家庭での洗濯が容易になったこと(洗剤、ノーアイロンなどの素材の高機能化)
②低価格カジュアルファッション化したこと
節約や衣替え習慣がなくなってきたこと

などをあげています。

これについて、クリーニングに出す人の調査統計はありませんでしたので、なんとも言えないところもありますが、我が家でも、洗剤がよくなったこと、めんどくさいという理由でクリーニングに出す回数が減ってきていますので、上記の内容は十分納得できる感じがします。

今の洗濯機の性能は向上していますし、衣替えがなくなったことやクールビズなどでクリーニングに出すほどの「最上級仕上げ」をしなくてもよいスタイルになってきていること・・・などから、皆さんもおおむね同じ考えではないでしょうか。

1回の利用金額は?

統計数字では、クリーニングに支出する金額は減っているのですが、衣替えの時期は5千円以上の品物を出すことが多く、通常時期は1500円までという人が多いようです。

この支出額は前年も今後も変わらないと答えた人が最多ですが、前年に比べて金額が増えた人に限ってその理由をみると、

スーツや礼服を着る機会が増えたこと
クリーニングの良さを知ったこと
ダニに敏感になったこと
宅配サービスが便利なので

・・・などがあり、宅配サービスがあげられていることに驚きます。

この宅配は、出来上がったクリーニング品を家に運んでくれる、従来のお届サービスですが、たしかに、私の場合は、取次店に出した品物の引取をおっくうに思いますので、昔からのスタイルを好む人を大切にしないといけないということでしょうか。

生活様式の変化があっても、求められるサービスが支出額に反映する内容のように読み取れます。

 

反対に支出金額が減った人についての理由は、

①消費を抑えるため
②洗濯機を変えたため
③生地を変えて自分で洗ようにした…

などがあります。今どきの洗濯機は、確かにすごい性能ですから、クリーニング店にとってはますます脅威になってくるのでしょうね。

次のページでは、新しいクリーニングサービスについて紹介します。

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(来歴)最終R5年9月に確認