このページは2ページ目です。 → 最初のページへ 利用度は低下しているのでしょうか
- クリーニング店は苦戦中 (1ページ目)
- お客さんから見たクリーニングは?(このページ)
- 新しいサービスの模索と客数の確保 (次のページ)
- これからのクリーニングは?
2. お客さんはクリーニングについてどのように見ている?
利用割合は依然高いけれど、利用金額は減っています
私の場合、クリーニングは、衣替えの衣服と季節替わりの作業服でお世話になっています。
どうしても、しみ抜きや特殊加工がいるものがあるので費用はかかりますが、自宅では無理ですから。皆さんはどうでしょうか?
H25年の調査では、毎年80%の人は、何らかのものをクリーニングに出しています。
逆に、全くクリーニング店を利用しない人(家族)も20% います。(下左のグラフ)
そして、利用者で1年に1回以上クリーニングを利用する人は52%で、月1回以上利用する人(ヘビーユーザー)は全体の33%となっています。(下右のグラフ)
このようにクリーニングは、かなり生活に密着しています。
PR
下のグラフで、ビジネス用の服類を、週1回以上出す男性が14%もいることに驚きました。
仕事で着るワイシャツやスーツをクリーニングに出す人の多くは、ヘビーユーザーといえるのですが、私の周囲にも、「比較的安価できれいな感覚になる」と、定期的にワイシャツを通勤途中のクリーニング店に出す方がおられるので、この数字はなんとなくわかります。
支出額(クリーニング代)を見ると、H5年(この年がMAX)に、1世帯当たり年間平均1.9万円使っていたものが、H22年のデータでは0.8万円に半減しています。
その後も減少傾向(グラフなし)で、近年での金額はもっと減っていると思われます。
クリーニングを利用している世帯数 は20%増えていますが、クリーニング関連の総需要規模は4200億円で、H5年の8200億円から見ると半減しています。
満足度は高く、有料の付加サービスも多く利用されている
利用者の80%がクリーニングに満足しており、あわせて、汗抜き(21%)、撥水(20%)、デラックス加工(11%)、折り目加工(9%)の付加加工を利用しているという数字です。
特にこの中では、折り目加工の満足度が高いという結果です。
クレームについて
反対に、クリーニングに対して、4%前後の人が何らかの不満を持っているようです。
顧客側の原因を含めて、クリーニング店では、30%の店舗でクレームがあり、1店舗当たりでみると、毎月2.1件のクレームがあるようです。 また、取次店でみると、70%の店舗でクレームがあり、毎月5.0件のクレームが発生しています。
(注)この数字の捉え方は、内容の分析などがないので単純に評価するのは難しいので安易にコメントできません。 ただ、クリーニングに不満を持つと、次回からその店を利用してもらえないなどは困るので、もう少し具体化した調査数字がほしい感じがします。
でも、有料・無料のシミ抜きや修繕サービスに対する好感度は高く、40%程度の人が利用していますし、その80%近い人が満足しているという結果が出ていますので、クリーニング店に対する満足度は低くないと考えていいように受け取っています。
PR
クリーニング店を利用してよかったこと・悪かったこと
アンケート項目をピックアップすると、
よかったこと:誕生日特典、革靴のクリーニング、保管時のアドバイス、保管サービス、接客 など
不快に感じたこと:接客、料金、染み抜きが不完全、追加サービスをすすめられること、サービス内容や料金がわかりにくい
などが上がっています。
確かに、この不快の項目については、クレームまでは行かないまでも顧客を逃がす要因になりますから、この点も、具体的な内容がないのでコメントは難しいものの、改善の余地はゼロではないということでしょう。(これも、深い分析が望まれるところですね)
クリーニング以外に併設している業務やサービス
クリーニング店は下のようなサービスを併設しています。
私の近所のお店でも、このサービスをいくつか併設しているところがあります。何かあると便利ですし、店の雰囲気が変わります。
クリーニングに出さなくなった理由
クリーニングを出さない人にその理由を聞いた結果では、
①家庭での洗濯が容易になったこと(洗剤、ノーアイロンなどの素材の高機能化)
②低価格カジュアルファッション化したこと
③節約や衣替え習慣がなくなってきたこと
などをあげています。
これについて、クリーニングに出す人の分類統計などがないので評価しにくいところもありますが、我が家でも、洗剤がよくなったこと、めんどくさいという理由でクリーニングに出す回数が減ってきていますので、上記の内容は十分納得できる感じがします。
今の洗濯機の性能は向上していますし、衣替えがなくなったことやクールビズなどでクリーニングに出すほどの「最上級仕上げ」をしなくてもよいスタイルになってきていることなどから、皆さんもおおむね同じ考えではないでしょうか。
1回の利用金額は?
統計数字では、クリーニングに支出する金額は減っているのですが、衣替えの時期は5千円以上の品物を出すことが多く、通常時期は1500円までという人が多いという数字です。
この支出額は前年も今後も変わらないと答えた人が最多で、逆に、前年に比べて金額が増えた人に限った理由では、
①スーツや礼服を着る機会が増えたこと
②クリーニングの良さを知ったこと
③ダニに敏感になったこと
④宅配サービスが便利なので
などがあり、ここに、宅配サービスがあげられていることに少し注目しました。
「宅配」とは、出来上がったクリーニング品を家に運んでくれる、従来の「お届サービス」ですが、たしかに、私の場合は、取次店に出した品物の引取をおっくうに思いますので、昔からのスタイルを好む人もいるということのようでしょうか。
反対に支出金額が減った人についての理由は、
①消費を抑えるため
②洗濯機を変えたため
③生地を変えて自分で洗ようにした…
などがあります。
今どきの洗濯機や洗剤の洗浄力などの性能は年々上がっていますから、クリーニング店にとってはますます脅威になってくるのでしょうね。
次のページでは、新しいクリーニングサービスについて紹介します。
(来歴)R5年9月に見直し R7年.1月に確認