人の身体も元素からできている

「元素」というと、なにか無機質的な感じがしますが、人体も元素で出来ています。

主な人体の構成元素

人の体を構成する元素のうち、1%を超えるもの(これを多量元素といいます)には、酸素(65%) 炭素(18%) 水素(10%) 窒素(3%) カルシウム(1.5%) リン(1%)などがあって、それに続いて、硫黄、カリウム、ナトリウム、塩素、マグネシウム などで人の体はできています。

1%を超える多量元素だけで人体の98.5%になります。

そして、1%以下のものには 鉄、フッ素、ケイ素、亜鉛、ストロンチウム、ルビジウム・・・などがあり、金属が多いのですが、一般的に「金属」は有害なものが多いので、そのような有害な元素が身体の中にあって、それが多くなっても少なくなっても体の不調につながる・・・というのは驚きです。

また、カドミウムや水銀などは非必須元素といって、いらないとされているものですが、それでも、勝手に体内に自然に入ってきています。

なんと、カドミウムは体重70kgの人で50mg程度も身体の中にあって、それが多くなればイタイイタイ病の発症になってしまうのですが、体内のカドミウムの4割がお米に由来するとされています。

ただ、それでも、日本はカドミウムによる土壌汚染が少ない方で、普通は気にすることはない・・・とされるのですが、このように、いらないものも身体を構成しているのです。

それはともかく、人体のほとんどが酸素と炭素ですので、死んで火葬されると、最終的には二酸化炭素などの気体になって飛んでいく・・・ということになります。

必須微量元素

これらの中で、必須微量元素と呼ばれる 鉄、亜鉛、マンガン、銅、セレン、ヨウ素、モリブデン、クロム、コバルトなどは無くてはならないものとされています。

こういう微量元素も体の中にあって、必要なものというのもすごいことですね。

人類の源 海

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ヒトは海水から生まれた・・・?

この人体の組成の構成については、書籍などには「人体の構成比率は『海水』と似ているので、生命誕生と関係がある・・・」などの記述がみられます。

しかし・・・、現在の地球の構成元素や人体の構成元素を見ると、かなりかけ離れていますので、そのように言われると違和感があります。

現在の海水の平均的な塩分濃度は約3.4%で、人の塩分濃度は0.9%ですので、生理食塩水は0.9%の塩分濃度に作られるのですが、この差はかなりあります。

海の水はそのまま飲めないほど塩辛いですので、動物などは海から生まれたとしても、環境としてのすべての元素を取り込んで生まれて進化してきていますので、そのように言ってしまうのも変な感じがします。

現在の海水の塩分は、塩化ナトリウムが77.9% 塩化マグネシウムが9.6%などとなっており、溶けているナトリウムイオンの質量%は約1.06% 全塩化物イオン(CL-)は 1.9質量%なので、0.9%の塩分濃度の人体との比率も構成も、現在の海水とは全く違います。

海は陸地の鉱物を溶け込ませてどんどん成分が変化しているようですので、生命が誕生した太古の昔には塩分濃度や元素構成比率は人体のものに近かったのかもしれませんが、今ではかなり違っているのは明らかで、人類の誕生過程は海と関係していると言っても、「似ている」というのは言い過ぎの感じがします。

 

人体の構成元素でみるように、生物は、環境や食物連鎖もあって、長い間を経て置かれた環境に順応してきていますので、住む国や地域によっても構成元素が異なっています。

海水だけで生きられませんし、非必須の有害物質を周囲の環境からなくすことも不可能なことですので、急激な環境変化(例えば、上にあげた、急激なカドミウム汚染など)にしないようにするのが最善の暮らし方生き方・・・と言ってもいいでしょう。

たぶんそれでも、人間は人間を維持・進化するために、人間も独自の元素構成に変化してきているはずですから、・・・。

(数値はWikipediaなどWEBから収集)

有機物質と無機物質

炭素原子(C)を含む物質を有機物質といいます。

ただし、古くから、一酸化炭素、二酸化炭素、炭酸塩などの単純な炭素化合物は有機物質に含まないとされています。

この分け方は便宜的なものですが、それ以外の言い方もないようですので、この言い方でも問題はない・・・としましょう。

有機物には、炭水化物、脂肪、蛋白質等のように生体が作り出すものもありますし、人工的に合成される、たくさんの種類の有機化合物があります。

有機物質という言い方は、特に生物などを対象にしているために、毒物になるものなどはこの分類から除いている場合があります。(と言うよりも、毒は別にしておくほうが理解しやすい感じです)

この有機物質(有機物)に対応する言葉は無機物質(無機物)で、これは、①1種類の元素のもの(例えば、炭素や酸素など)と ②化合物(例えば二酸化炭素など) に分類されます。

生体などに関係する場合は、②の化合物は (1)酸化物(酸性酸化物・塩基性酸化物・両性酸化物)(2)水酸化物(水酸基OHを含む化合物) (3)オキソ酸(酸素原子を含む酸) (4)塩 に分類されます。

 

科学の授業のような内容ですが、有機物は燃えると二酸化炭素を発生させるので、石灰水に気体を通せば白く濁って二酸化炭素が発生したかどうかがわかることを中学の実験でやったことを覚えている方もいると思いますが、有機物は燃やせば炭になる・・・と説明される場合もあります。

・・・・・このような話題はとどまることはないのですが、「人の身体は元素でできている」といって書き始めましたが、このような仕分け方をすると人体は無機質なもののようですが、そのような無機質のものから出来た物質(人体)が、考えて行動する「人間」になるのも不思議なことです。

サプリメントの過剰摂取の危険性について

人体中の必須元素の量や構成が変化すると「よくない」とされています。

最近は健康志向の高まりとともに、ビタミンや食事で不足しがちな栄養素をサプリメントとして摂取することが行われるようになってきていますが、取りすぎると良くないことを頭に叩き込んでおかないと危険です。

この「サプリメント」は、正式な法律などで定められた用語ではなく、『医薬品でない、食品中の特定の栄養要素や機能成分を錠剤、カプセル、飲料などにして提供する補助食品のこと』を指しています。 栄養補助食品という言い方をされる場合もあります。

WEBでモ、いろいろな商品が販売されています。
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ここでは、いろいろなものが紹介されており、「**に良い」となると、思わず購入したくなるものもありますが、この言葉に惑わされないようにしなくてはいけません。

TVなどの宣伝効果もあって、「サプリメントは不足しているので摂取しないといけない」と思っている人も多いのですが、不足すると、身体に障害が出るので、足りないといけないのは確かです。

たとえば・・・

  • ヨウ素が不足すると甲状腺の機能低下を起こす
  • カリウムの過不足は不整脈や心機能低下に
  • 酸素やリン不足はATP(アデノシン3リン酸)不足から身体機能に影響する
  • 鉄・銅不足は鉄欠乏性貧血や骨、動脈異常になりやすい
  • モリブデン不足は尿酸過多を招き、痛風の原因となる
  • 亜鉛不足は味覚臭覚障害を起こす可能性あり
  • カルシウム不足は骨粗しょう症の原因
  • 塩素不足は食欲不振や消化不良を起こす ・・・などなどです。

サプリメント1 サプリメント2

しかし最近、過剰摂取による障害のことをあわせて知っておく必要があります。むしろ怖いのはこの『過剰摂取』です。

インターネットの記事を見ると、いろいろな情報がありすぎるぐらいあって、サプリメントのPRは上手く「絶対に必要だ・・・」と思わせるように作られていますので、つい、サプリメントを試してみようと引き込まされてしまいます。

普段でも、「疲れた」と、自動販売機で飲み物を買おうとした時、つい、お茶ではなく、スポーツドリンクや「アミノ」「ビタミン」などに目がいってしまいがちですが、知らない間にそのように考える意識が刷り込まされています。

そういうことが知らずしらずにメディアを通じて頭の中にインプットされているので、「疲れやすくなってきたのでサプリメントで補おう」・・・と考える方も出てきてしまいます。

しかしこれらのPRの文言は読み方次第で大きく変わってきてしまうことを意識していないと大変なことになります。

例えば、「足りないと機能障害を起こす」と書いてあっても、具体性や信憑性がありません。

さらに、機能障害が起きていなければ、むしろかんたんにサプリメントを摂取するのも危険です。

このように堂々と文言が書かれていると、自分勝手に「摂取したほうが機能障害を起こさない」と間違って考えてしまいますが、永年普通に生活してきていますので、以上を感じたら自己判断せずに、医師に相談するのが正解です。

身体には猛毒成分も保有している

人体の構成要素にはたくさんの元素が含まれており、例えば、70kgの人は猛毒と考えられているカドミウムを50mg、ヒ素は2mg、鉛は120mgも現在の自分の体の中に持っています。

それは長い間かかって人の身体に作用して機能したり共存するようになってきたものです。

それらの毒のような元素は、足りないからといって摂取する人はいないと思いますが、例えば、必須元素の「亜鉛が足りない」「バナジウムが足りない」といって、亜鉛やバナジウムをサプリメントで摂取する人はいると思いますが、例えば、体重70kgの人の身体にある亜鉛量は2g程度です。

亜鉛は「味覚を正常に保つ」「皮膚や粘膜の正常性保持」「代謝に関与して健康の維持」などに有効とされます。

しかし、1日の亜鉛の必要量は10mg程度です。 そこで、亜鉛サプリメントに表示されている亜鉛含有量を見るとわかるのですが、10-15mg程度となっていますので、食べ物由来の亜鉛がゼロならそれでいいのですが、サプリメントで補なおうとすると、過剰摂取気味になることを理解しておかなければいけません。(ともかく医師の指示がないと金属類の摂取の自己判断はしないことが無難です)

亜鉛はタンパク質中に含まれていろいろなことに作用しているようですので、自然の食品を食べるはいい(と言うよりも、そこまで考えなくていいもの)としても、何からできているのかもわからないサプリメントをお医者さんの指示なしに摂取するのが危険なことだと考えるようにしましょう。

亜鉛やその化合物の危険性はヒ素やカドミウムに比べると少ないのですが、トタンに塗布されているのが亜鉛ですし、亜鉛軟膏として用いられるのも有用な亜鉛です。

そのようなイメージであれば、少し慎重になれそうですが、「サプリメントで補う」とPRされると、怖さが消えてしまうのが不思議なことです。

もしも亜鉛不足なら、海藻や魚介類、肉類、穀類に含まれるのでそれらの食品を食べるようにする・・・という対処法で十分なのですが、なぜか、「アンチエージング」「膝の痛みにきく」となると、やはり頼りたくなる年齢になってきている人にはサプリメントが頭に浮かぶのかもしれませんので注意しましょう。

サプリメントにいくら使っていますか?

ある統計記事では、1人平均でサプリメント購入額は毎月2000円以上で、50歳以上では5000円を超えているという調査がありました。あなたの場合はどうでしょうか。

サプリメントで体の健康を支えているのであれば問題はありませんが、サプリメントがないと健康を支えられない状態なら困ったことですので、この市場は個々のものは変化があるものの、総量としては拡大し続けるのは確実でしょう。

サプリメントにはどんな物があるのかを楽天のページで見てみる・・・

生きていることで化学反応を行っている

親子のイメージ

中学時代にいくつかの化学反応の実験をしたと思いますが、化学反応とは、元素の結びつきや切り離しをして、新たな、またはその他の物質を作る現象のことをいいます。

無理にその操作をして目に見てわかるようにしていたのが「科学実験」ですね。

たとえば、水素と酸素の気体を2対1の割合で混合してフィラメントで発火させると水ができます。もちろんその際に「大爆発」を起こすのですが、この大爆発を覚えていますか?

それと同様の反応はごく穏やかですが体内で起こっています。

普通の成人は、何もしなくても1500kcal程度の熱量(基礎代謝量)を作り出して使っています。

1ccの0℃水を100℃にするには0.1kcalが必要で、1リットルの0℃の水を100℃にするのに0.1x1000=100kcalの熱量が必要です。

人間は、何も動かなくても「基礎代謝」としてその10数倍の熱量を発生しています。

それは、私たちが食事をしたり行動したり呼吸することによって様々な化学反応を生じさせているのですが、呼吸をすることによって空気中の酸素が体内の糖などを燃焼してエネルギーを作り出し、生じた二酸化炭素を体外に出しているのですが、これは、ものが燃えたり金属がさびるのと同じ化学反応であると思うと、何か変な感じがしますね。

体の中で何かが「燃焼」して生命が維持されているということを考えると、少し元素について知るのは無駄でない感じもしませんか?

 

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