スピーカマトリックス4chの回路はいろいろあり、こちらのページに例を紹介していますが、その中で気に入った2種類を切り替えて聴くことができるようにスイッチボックスを自作しました。
下の回路を切り替えするのですが、どこでも入手できる2回路3接点のスイッチを2つ使っても可能ですが、簡単確実に切り替えできるように、4回路3接点スイッチでちょっと凝ったものにしましたので、参考になれば利用してください。
「自分の聴いていい音」は、(何度も書いているのですが)聴く設備や環境だけでなく、個人の好みやその日の気分で変わるので、ちょっとした変化があれば意外に楽しめます。
図の FL=フロント側左、FR=フロント側右、RL=リアー側左、RR=リアー側右 のスピーカーで、同じスピーカーでなくてもいいのですが、やはり、少なくとも、前2つと後2つのスピーカーは同質(同じ型番)にしておきましょう。
上の2種類は、リアー側のスピーカーの極性(プラスとマイナス)が入れ替わっている回路ですが、視聴してよかったのでこの2回路に決めたのですが、採用する回路が違うと全く違う結線になるので、参考になる部分があれば利用ください。
ここでのポイントは4回路スイッチを使っているところです。
いろいろ聞いてから自分が好きな回路を選ぶのがいい
こちらの私の記事では、下のような10回路を紹介しています。 実際に聞き比べるとわかるのですが、(いい悪いは別にして)それぞれすべての音が違うので気に入ったものを選ぶといいでしょう。
私は、ナチュラルで癖のない一番右の3a・3bを選びましたが、自分のリスニング環境で聴いて、気に入ったものを選ぶようにしたらいいでしょう。
図の下段の5つは、上段の回路のリヤスピーカーのプラスマイナスを変えているだけですが、それでも、全然違った感じの音になります。 ともかく、視聴して自分の好きな回路を選ぶといいでしょう。
好きな音が1つであれば、それを固定しておけばいいのですが、私はあえて感じの変わる2つの回路を切り替えて使いたいと思って、スイッチボックスを作りました。
リアーの極性を逆にしただけで聞こえる音はかなり違います
私の感じでは、「3a」は自然な残響が加わった感じで、「3b」はそれに少しサラウンド感が強くなる感じです。 これは、聴く人によっても、聴く部屋の環境によっても、また、聴くソース(音楽)によっても違うはずです。
あくまで私感ですので自分で好きな回路にすればいいのですが、2回路を切り替えて聴きたかったし、そのたびに配線替えをするのも大変でしたから、簡単に切り替えられるように考えました。
こんなスイッチボックスを作りました
iPhoneSEを購入した時の紙箱に、スイッチ(ON-OFF用と切替用)とスピーカ端子(4個)を取り付けて配線しただけの簡単なものです。 ノイズ対策は何もしていないので、音楽を聴いている最中に切替操作をするのは避けたほうがいいでしょう。
紙箱といっても、しっかりしたもので、紙製なので加工も簡単です。
ここでは、4回路3接点のスイッチを利用しています。
一般的な2回路3接点のスイッチ2個を使っても切替はできるのですが、切り替え時に短絡させてしまったり、回路が開放になったりするのを避けるために、4回路3接点のスイッチを使いました。
4回路スイッチはちょっと特殊ですが、下に案内しているように、Amazonでたくさん販売されています。
4回路3接点のこのトグルスイッチは12個の接点があり、倒した側のどちらかがONになるタイプのものです。
これを使ってワンタッチで一気に切り替えるのですが、一筆書きの要領になるようにして短絡を防いで切り替えられるようにしています。
写真の左側スイッチはリアーをON-OFFするためのスイッチで、見映えを考えて同じスイッチを使っていますが、もったいないですから、これは安価な1回路2接点の「普通のON-OFFスイッチ」でも問題ありません。
ただ、いくら一瞬で切り替えられるといっても、スピーカにはコイルがあるので、ノイズも発生するでしょうし、高電圧も逆流するかもしれないので、パスコンなどでの対策も考えられますが、音が変わる要素になるものはこの際排除することにして、私は、音楽を聴いているときは切替を避けるようにして、特にノイズ対策などはしていません。
Amazonのページで見ると、4回路3接点スイッチで中立でOFFになる「ON-OFF-ON」タイプもあるので、これを使うとスイッチ1つで済みますね。
スイッチとSP端子の部品代は計1000円以下ですから、Amazonを参考に、気に入るものを探すといいでしょう。
→ 各種トグルスイッチ(Amazonのページ)
→ 各種スピーカーターミナル(Amazonのページ)
作り方はとくに説明するほどのものではなく、紙製なので加工は簡単です。
穴あけドリルを使って上蓋加工をして、そして、カッターナイフで下蓋に端子や配線を避け切り込みを加工しました。
スピーカ端子の固定はゼリータイプの瞬間接着剤を使い、万力で半日固定したところ、しっかりしたものができました。
スピーカーマトリクス4chは気の張らないサラウンド感がいい
このスピーカーマトリクス4chに替えるまでは、下のアコースティックプロセッサーXP-A1000という機器を使って、気に入った残響にして聴いていたのですが、実際のところは、音の良しあしを主に決めるのはCDの録音の仕方やCDの「でき」に左右されるので、極端に言えば、CDごとに変わるという問題点があります。
そのために、設定を固定してオールラウンドに聞ける簡単さがないので、この機器も使いにくく、通常は、リヤーから音を出さずに、フロントスピーカだけで聴くことが多かったのですが、このスピーカーマトリクス4chにしてからは、リヤーから出る音は小さく、自然なサラウンド感はCDを選ばないので、上の切り替えスイッチを使って聴くようになってからは、この残響付加機器はお蔵入りになりました。
音楽を聴くと気持ちが和らぎますが、音の違和感や雑念が入ると逆効果になるので、「気にならない」「肩の凝らない」ということは音楽を聴くうえでは大事です。
そのためには、お仕着せではなく、自分で好きな音を見つけるのは大事なことで、それには、このスピーカーマトリックス4chは費用もかからない、簡単でいい方法だと思います。
自分で選んだ回路が見つかれば、きっと、心地よく音楽を楽しめるでしょう。
以上、お役に立てるところがあれば参考にしてください。
(来歴)R7.6月に見直し