初めての電子工作ではなにをすればいい 1/4

会社で電子工作実習をやりました。未経験の人を対象に、限られた時間ですので、何をしたらいいのか考えて実施したのですが、やはり、難しいことでした。 社内教育を考えている方や電子工作を始めようとする方も参考になりそうなところがあれば読んでみてください。

私は機械加工の会社につとめていて、たとえば、工作機械も電子の装備は欠かせません。いったん、機械加工用の工作機械の不調が起きると、専門担当や専門業者が修理調整するまで機械が止まってから修理するまで長時間かかっていることに気がかりでした。

現在の機械は電子関連の装備が多くなって、それもブラックボックス化して、機械従事者(作業員)に電子知識を要求するのは無理すぎるものの、ちょっとした電気電子知識をもって機械の内部を見ることができれば、テスターを持って機械の扉を開けて見るだけでも、処置対応や機械停止時間の短縮に役立つだろうと思って、全く未経験の人を対象に電子工作の実習をやろうと考えました。

私の幼いころの記憶では、電子ブロックが欲しかったものの、買ってもらえなかって、壊れたラジオや電気部品を分解するのが楽しかった記憶があるように、電子回路の組み立てはあこがれだったのですが、どうも今の中高生にはそんなに電子や電気にはそんなに魅力を感じていないようで、むしろ、TVゲームなどの完成されたもので遊ぶほうが興味がある感じがします。

あこがれだった電子ブロック

だから、全く未経験の人が電子の知識を持つために電子工作をしようといってもうまくいくかどうかも未知数でしたが、何か変わっていく第一歩になればと思って実施したのですが、短時間で何もできないことがわかっていたものの、参加者は楽しんでくれたようです。何かの参考になればと思います。

私のようなシニアの新卒時代(40年以上前)は、自分の機械は自分で面倒を見る時代でしたから、機械を扱う人はある程度の電気の知識や経験を持っていたのですが、それが今の時代には、機械もICを多用した電子回路やコンピュータは外からは見えにくくなっていますし、機械が不調でも、作業効率を優先して設備保全をふくめて、機械操作者が余分な仕事をしないような仕事のやり方になっていて、ちょっとした機械トラブルでも、保全関係者が対処するか外部業者に修理を依頼しなくてはならないので、修理が完了するまで機械が止まってしまうなどの大きな問題になることもでてきます。

もちろん、機械を使う担当者が機械内部を開けて修理調整をすることも難しくなってきているのですが、しかしもしも、作業者が受け持つ機械に不調を感じたら、直せないまでも、テスターを持って機械の扉を開けて、通電の様子や発熱などで不具合箇所の特定をすることだけでもできたら、迅速な対応がとれるし、機械の停止時間が減るようになるはずですし、何よりも、電子やブラックボックスに対する拒否反応を避けるだけでもいいとおもって、何らかの電子工作実習を計画実行したという内容です。

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短時間でやれる実習はなにがいい?

もちろん、機械の状態を見てわかるようになるには専門知識や経験が必要ですから、そこまでは望めなくても、テスターを使うことやハンダゴテを使ったことがない人が機械の中を開けてみてみようというようになるだけでもいいとして、さて、短時間で初歩の電子工作実習をやるということでも、会社の業務でやるとなれば簡単ではありません。

まず、実習の成果が問われますし、前もって計画や内容を会社に示すなどの手続きも必要です。

調整の結果、最初の試みなので、実習に割り当てる時間は合計5時間程度で、1回1時間程度ということでやることで管理者の承認を得ました。(実際の実習では、大阪の電気街(日本橋)の「デジット」さんで1時間分を使って電子部品の売り場見学と購入体験をしていますので、合計6時間の実習になりました)

実習の内容は ①部品工具購入体験 ②はんだ付け実習 ③テスターを使う ④簡単な電子工作実習 をやってみる … ということを計画しました。

このHPでは、それらを次のようにページ分けして紹介しています。

1)計画~実行まで(このページ)
2)工具部品の調達と実習用教材(→2ページ目
3)はんだ付け~テスターの使い方実習とLEDの点灯実習関連(→3ページ目
4)自己保持回路の組み付け実習(→4ページ目)

会社業務となると工作実習の計画にも時間がかかる

会社(企業)で何か新しいことを始めようとするのは大変なことです。

少規模の会社であっても、また、トップダウンができるような会社であっても、確実な成果も不明な新しいことをやろうというと、すんなりと話が進みません。

何かをやろうとするには各所からいろんな批判や見えない圧力がありますから、それを計画して、根回しして、会議で承認されてから実習を実施、そして最終的に成果報告という手順を踏むのに約4ヶ月かかっています。

誰にでも、短時間の実習なので大したものは期待できないと思わてていたと思うのですが、「やる」に至ったのは、それぞれの部署や立場で「目に見えない期待や思惑」があったのだろう思っています。

それでも、作業者や管理者それぞれの立場と建前があるので、それを調整しながら進める必要があったのですが、正直なところ、当初描いていた将来構想や今後の期待に沿えるという成果までは無理でしたが、「やってよかった」と思ったことは確かで、逆に、会社全体が協力してくれたこともあって、言葉にできない「何か」が残ったと思います。

電子関係の人からは想像できないでしょうが、電子電気以外の学校から入社した人は、電機や電子は学校で習ったはずですが、電子部品を購入したことやテスターを使ったことやはんだ付けの経験をしていない人を対象にした電子工作実習の話ですので、内容は期待しない程度に読んでみてください。

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直接費用(部品工具費)はそんなにかからない

実習メンバーは6名で、実習用教材(あとに紹介する電子回路キット約4000円x2セット)以外で購入したのは、安価なテスター、半田ごてセット、ラジオペンチ、などの工具類3セット(約3500円x3セット)で、その他のハサミやカッターなどは手持ちのものを使ったので、これで計2万円程度しか使っていません。

たとえは、個人で電子工作を始めようと一念発起して、Amazonや100円ショップで最小限度のものを購入するとすれば、主に揃えるものは、次のページで紹介するような工作キット(約4000円)、ハンダゴテセット(約1300円)、テスター(約800円)程度だけで結構いろいろなことができますから、そんなに身構えなくても、電子工作は意外に簡単で安価で始められるのです。

実は、私自身は真空管の時代に少しかじったのですが、今のICやコンピュータの工作をしようとすると全く手が出なくなるのですが、この程度の内容であれば、これから電子工作を始めたい方にも参考になると思います。

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近くのホームセンターで工具を購入体験

購入・調達・準備はぜひやりたいと考えていたことです。

まず、メンバーの顔合わせの後に近くのホームセンターへ行って、はんだごてセット、テスター、ラジオペンチ、安価な工具箱を購入しました。

これらの工具類は、事前に準備しておいても良かったのですが、工具売り場に立ち寄ったことのない人のために、実際に自分で購入の経験をして「これだけでかなりのことができる」と感じてもらうのが目的の一つです。

 

ほとんどの人は、はんだ付けやテスターの経験なし

実習メンバーは、工業高校機械科出身の1名以外は、全くの未経験者です。

メンバー6名(うち女性1名)の内で、はんだ付けをしたことがあり、テスターを使ったことのある人は、やはり、工業高校出身者だけで、テスターについては、使ったことがないが知っている人が2人で、ほとんどが全くの未経験者です。

テスターやはんだ付けは「誰でも知っていること」と思っていたのですが、若い人は知っていても使ったことがないというのが実情なのに驚きました。

大げさなようですが、日本の将来に危機感を感じたのですが、逆に、知識はあっても経験がない人向けのこの実習は、メンバーに好評でした。 しかし、反面、情けない感じがしました。

1回1時間x5回と時間が限られるので、ともかく、やる事をどんどん進めていったのですが、ハプニングだらけで、はんだごてを放置してプラスチック容器に穴を開けてしまう人、はんだ付けで軽いやけどを負う人、電池を直結してLEDをパンクさせる人 などが次々出てくる状況です。

未経験の人が「何か新しいこと(この場合は電子工作)」をするのは大変なのだなぁ … と改めて感じましたが、課題を完全に出来るまでではなく、ともかく前に進めていかないと時間が足りません。

若い人は意欲的ですし新しいことに積極的です。 だから普通は、予備的な話や注意事項を伝えてから実習に入るといいのでしょうが、若い人は「座学」を嫌いますから、ともかくぶっつけ本番で、質問があれば答えながら進行しました。

ほとんどの人は、学校で習った電気の知識は忘れていますし、テスターやはんだ付けには無縁だったことに驚きましたし、この状況が誰にも当てはまらないにしても、耳学問だけでは何の役にも立たないことを実感したのですが、中学校の教科では、もっと経験体験を含んだ勉強の仕方を考えてほしい感じがしました。

私のようなシニア世代とは2世代離れている人たちですから、どちらも戸惑いますが、ともかく限られた時間で未経験者がやれることは、①使う道具を知ること ②テスターを使うこと ③はんだ付けを経験すること ④電子工作の触りを体験すること 程度で指定の時間が目いっぱいの感じですから、これで「電子工作」というにはお粗末ですが、その程度で目をつむらないといけませんでした。

次のページ(→こちら)では、どんな教材を使うのが良いかや調達の方法などに関する紹介です。

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(来歴)R5.2月に誤字脱字を含めて見直し。  R7年4月に全面見直し