クリーニング店の状態や利用の状況についての4ページ目です。
- クリーニング店は苦戦中
- お客さんから見たクリーニングは?
- 新しいサービスの模索と客数の確保
- これからのクリーニングは?(このページです)
これからのクリーニング業の見通しは
私の場合は、5年前に比べて、クリーニング利用頻度は減っていますが、シミ抜き、撥水加工、ダウンなどの特殊ものは依頼しなければどうにもできませんので、クリーニング代は増えています。
それでも、クリーニング業は下降気味という統計結果のようです。
統計から、クリーニング利用者や非利用者の動向などから、今後、業界はどのようになっていくのでしょうか。
クリーニングを利用しない人の割合
利用していないという人に対するアンケートでは、過去一度もりようしていない(14%) 最近3年間は利用していない(48%)、さらに、全体として1年間クリーニングを利用していない人は20%・・・という結果があります。
そこではさらに、「20代男女」の利用頻度の少なさと「女性が高年齢になるにつれて利用しない」という面白い傾向がみられます。
しかし「利用する人の分布」を見ると、自分のものをクリーニングに出す金額では、女性の年齢が高くなるにつれて金額が増えていますので、そのあたりで利用者によって利用金額が異なっているところがが見えてきます。
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クリーニングを利用しない理由
①クリーニングをする服を着ないようにしている
②自分で洗濯をする
③お金の節約ため
・・・などですが、さらに、どの条件が変われば利用するか・・・という問いに対して、
①料金が安くなれば(45%)
②サービスがもっとよくなれば(14%)
③利用するつもりはない(41%) などがあります。
これを見ると、今まで利用していない人にどんなサービスをしても、その人は、クリーニングに出すことはない・・・ということでしょう。
年収や衣服購入額とクリーニング利用額の関連
年収400万円以下の人の利用率が他と比べて10%程度低い・・・ですが、これは、仕方がない感じがします。
しかし、その他の階層でみると、やはり、①所得額の高い人 ②衣服にお金を使っている人 はクリーニングの利用頻度が高くなっています。
さらに、その傾向は「特殊加工などの依頼」「その他のサービスを利用する割合」についても現れており、クリーニングは「必要なもの」から「高級なもの」になっていくのでしょうか。
つまり、この点を見ると、取次店の改善ポイントになるかもしれません。
たとえば、ターゲットを絞った戦略や、「あなただけ」という顧客別戦略などを考えると効果的な一面が見えています。
今の状態は「待ちの営業」ですが、昔の御用聞き形態を導入するなどがその一つの方法です。
私も、持ち帰りが面倒なのでクリーニングに出すのを敬遠しがちですが、「ダイヤモンドや宝石は外商で買う」というような噂も聞かれるように、量より質を求めた戦略などに改善のポイントがあるような気がします。
きっと、生活水準が高い地域で、集配サービスをしている、上得意さんを多く持つクリーニングやさんは、ガッチリと稼いでいるのかもしれません。(笑)
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今後は、どう変わっていくのでしょうか
大手のクリーニング会社へのアンケート結果をみると、業界が考えている打開策の方向が見えてきます。それらを羅列しておきます。
- 服が売れるとクリーニング需要が高まるのでアパレル業界と関係が深い業種
- 今後マンションに住む人が増え、収納スペース問題が出るので、保管ニーズが高まる
- まだまだ縮小傾向が続く。町や村にクリーニング店がないという事態もでて来そう
- 時流に乗れるかどうかは後継者の有無にかかる。ITなどでの展開も視野に。
- 海外進出
- WEB進出は可能である。
- 東京オリンピック(2020年)まではリネンサプライ受注は増加。
- ユニフォームレンタルの需要が増加。
- クローゼットサービスや宅配などインターネット注文は増える
- 消費者のライフスタイルに合わせて大型ショッピングモールの新規出店を考える。
- ・・・。
大手のクリーニング会社は、資金力があるので、独自路線で進む道を開いていけるのですが、生活に密着するクリーニング店(および取次店)は大変です。
なくなっていくのは考えものですし、業態自体も変わっていって利便性を高めてほしい・・・と思っている人も多いと思います。
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私の要望
この統計結果は、私の考えを代弁していもらっているところも多いのですが、最後に、私のクリーニング店に関する要望・感想を書かせていただきます。
1)価格がわかりにくい
2)追加サービスをすすめられるが、それを含めると結構な高額になって驚く
3)検品の仕方が露骨すぎる。もう少し『さらっと』感じ良くできないものか
4)急ぐものは別として、出来上がり日がバラバラなので、つい、取りに行くのを忘れる
5)1人しか店員がいないので、先客があると待たされるのがイヤ
6)会員カードを持っているが、本当に安いのかわからない」・・・。
店舗側の言い分もわからないではありませんが、私のような、この「うっぷん・不満」の延長がクレームになっていくかもしれませんので、ちょっと耳を傾けてもいいのではないでしょうか。<(_ _)>
上記の10個ほどの打開策を見ても、具体的にどうしていいのか解らない内容のものもありますが、これをヒントに、さらに新しい業態が生まれて、発展することを期待します。
実は、私が調べたかったこと
私が統計を通じて調べたかったのは「ネット宅配クリーニング」の動向でした。 しかし、この実体が統計に現れるまでには、少し時間がかかる感じです。
ネット宅配クリーニングはまだまだ・・・の感じ
WEBの記事をみる限りでは、集配サービスや保管サービスなどの、既存店がやらなくなったものを取り込もうとしている業態ですが、注文をWEBで受けて、宅急便を利用して集荷配達をし、さらに、希望者には保管サービスを提供をするというサービスをしようとしているのは、新しいやり方としていいのですが、ユーザーに優しくない感じです。
たとえば、これらは最初に、WEBから申し込み手続きをしてからさらにWEBで依頼(発注)するものですが、専用の入れ物を用意したり、「保管パック付きの商品」というものが販売されているものなど、各社が囲い込み対策をも工夫して行っています。
優位性や利便性が突出しておればそれでいいのですが、結構面倒です。
そのやり方などは、洗練されていくでしょうが、ただ、クリーニング価格(単価比較)もわかりにくく、直感では、近所の取次店よりも高額の場合も少なくないのは、大きな課題です。
さらに、検品で引っかかると、2度手間や時間的なロスのために、発注者からの不満が出そうな可能性が隠れており、これについても、顔を突き合わせての取引でないことから、少し不安定な要素も感じられます。
これらもあって、WEBで取引するクリーニングについては、もう少し動向を見て再調査したいと考えています。
いずれにしても、これらWEBの動向も含めて、クリーニングはますます多様化したサービスになっていくのでしょう。
長くまとまりのない文章でしたが、お読みいただき、ありがとうございました。
(来歴)R5年9月に見直し R6.7月に確認