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- クリーニング店は苦戦中
- お客さんから見たクリーニングは?
- 新しいサービスの模索と客数の確保(このページ)
- これからのクリーニングは?
御用聞きから取次店形態に
私は、クリーニングチェーン店の「取次店」を利用しています。
その取次店(クリーニング屋さん)も、いろいろなサービスを手掛けているのですが、やはりそうしないと、食べていけないのでしょう。
私の子供の頃は、定期的に「御用聞き」で洗濯屋さんが回ってきていました。
引き取り・配達が当たり前でしたが、いつの間にか、取次店が増えて、「クリーニングは、洗濯物を持っていって引き取るもの」になりました。
それもあって、つい、クリーニングに出さなくなる・・・という悪循環が、クリーニング業界を苦しめている感じもします。(もとへは戻れないでしょうが・・・)
新しいサービスの模索
前のページで、本業のクリーニング以外の商品やサービスを紹介しましたが、本業以外のサービスを手掛けているのは、全体の22%・・・と、意外に、まだまだ少ない状態です。
私の幼い頃で、数多くの取次店ができる前のことですが、サザエさんに出てくるような「御用聞き」が主流で、大きな袋に洗濯物を積んだバイクが走り回っていました。
クリーニング店では、引取り・配達をすることが当たり前でしたが、それが、「クリーニングに出す」といえば、取次店に「持っていく」という意味に変わってしまいました。
この統計の時点では、取次店の多くが配達引取をしないために、クリーニング関連の「新しい業態サービス」として「取次店」を分類されてしまっているのですが、WEBを利用したクリーニングの業態がでているので、今後は引取配達は大きなポイントになる可能性もあるようです。
WEBはさておき、ここでは新しいサービスとして「保管サービス」「引き取り・配達サービス」をする店が出てきていますので、それについて取り上げます。
嫌われる保管サービスも今後はビジネスに
取次店の多くは、保管サービスは品物が回転しないので、嫌われるアイテムだということをクリーニング店の店員さんから聞いたことがあります。
取次店がなく、クリーニング店が主体の頃も、お客さんの「引き取りが遅れること」を嫌がられているようでしたが、それが今では、新しいニーズと認識されて、「引取サービスや保管サービス」という、新しいサービスとして取り扱われてきています。
この保管・引取サービスは過去への回帰といえるかもしれません。
・・・と言っても、既存店ではこの取り扱いをしているところは少ないようですので、注目して良いポイントでしょう。
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この統計では、保管サービスを利用した人は全体の7%と、数字は少ないのですが、その78%の人は満足しているという数字です。
この「引取・保管サービス」自体を行っているところが少ないこともあるのでしょう。
その反面で、このサービスに全く興味を示さない人が57%もいますから、今後の動向に注意するポイントと言えます。
私のように小さな家に住んでいると、半年程度の保管サービスは「利用してみたいサービス」に思うのですが、全国的に見ると、家庭外で保管する必要性はまだ高くない・・・という数字のようですね。
保管引取サービスの利用者は若い人が多く、特に、若い女性の関心度が高いという数字になっています。
住居環境で保管場所が少ないマンションに住む若年層には、「ネット宅配クリーニング」や「レンタルガレージ」などはいいサービスに成長する可能性を秘めていますが、まだまだこれらを扱っている店舗が少ないこともあって、この浸透にはまだまだ時間がかかるでしょう。
別の見方をすると、経費を抑えた倉庫と宅配便が利用できれば、ネット(WEB)の業者がのし上がれる余地があるといえるのでしょう。
集配・宅配サービスという新業態
先に書いたように、過去には、洗濯物を引き取って、出来上がったら届けてくれるということは、当たり前のことでした。
この調査時点(2014年)では、集配サービス(8%利用、満足度67%)、宅配サービス(7%利用、満足度85%)の利用者があるという数字でしたが、数字を見ても、このサービスを受けられるところが少ない(つまり、業者が少ない)ようで、上の保管サービスとともに、まだまだ利用者は少ないという数字です。
集配宅配の利用者の年齢傾向を見たところでは、年代別傾向はみられません。
反対に、利用したことのない人では、集配は81%の人が、宅配は85%の人が、それらを利用していない・・・という数字ですので、集配宅配利用者もまだまだ少ないといえます。
私の場合は、取次店を利用するようになった1番の理由が「価格が安い」ためでした。 そして、近隣の取次店などにクリーニングを出してそれを取りに行くということが普段の行動です。
だから、統計や集計のしかたがズレている感じもします。統計の取り方で実情が反映されない可能性もありますから。
集配・宅配サービスの満足度では、20代女性、50代女性に好感度が高い・・・という結果が出ています。
このことは、今後、さらに利用が進みそうな世代は20代・50代以上の女性がネット宅配クリーニング利用対象になる可能性が大きいと言えるのかもしれません。
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集配サービスはまだ低い認知度
①現在の「持ち込み」での不満がない(72%)
②利用方法がわからない(23%)
と見ていいのでしょう。
この数字とは別に、集配サービスを利用したいと考える人も、24%程度います。
つまり、集配サービスというものに対する認知度が低いということで、潜在ニーズを掘り起こすためには、集配宅配サービスを分かりやすく説明するなどで、広く知っていただけるようにするとともに、もっと利便性・優位性をPRしていくことがポイントになりそうです。
とくに、WEBに馴染みのない方にも「このサービスを利用したい」と思ってもらえるようにしていく必要があるということかもしれません。
次に、クリーニング店の利用は「決まったところを利用する」ようで、いろいろな店を選択して利用することはないようです。それを見てみましょう。
何軒のクリーニング店を利用する?
クリーニングに出す場合は、1店しか利用しないという人が75%、2店利用するという人が23%です。
また、店舗までの時間が5分以内という人が34%で、10分以内の人を合わせると72%の人が「毎回おなじみの近くの店舗」を利用していることになります。
私も1店しか利用していません。
移動に不便なところに住んでいると、自家用車を出して持って行かないといけないなら、クリーニングに出すのがおっくうになってしまうのは仕方がないですね。
クリーニング店を選ぶ際の上位5項目では、①場所(92%) ②料金(88%) ③技術力(80%) ④接客(76%) ⑤店内待ち時間(67%)となっています。
それを年代別に見て、特徴ある内容をピックアップすると、
①男性20代=集配宅配サービス
②女性20.30代=割引サービス
③40代女性=接客態度
④60代男女=待ち時間が短いこと
⑤女性60代=技術サービス ・・・などが目立ちます。
統計上では仕上りは速い?
ワイシャツのクリーニング代と、仕上がりまでの日数
統計では、かなり短時間で仕上がっているようです。 しかし、私の場合は染み抜きなどの必要なものを同時にクリーニングに出しているので、結構な金額ですし、日にちもかかっています。
ワイシャツだけを低価格にして客寄せしているところもありますので、これは、一つの指標としてみたほうが良いのかもしれませんね。
私の利用している店を対象にしてこれをみると、特殊なものを除いて、かなり早く仕上がっている「優秀なお店」という感じですが、皆さんの実情はどうでしょうか?
次のページでは、利用者の状況を見ながら、今後どういう風に展開していくのかを見てみます。 → 次のページ(最終)へ
(来歴)R5年9月に見直し R7.1月に確認