簡単に楽しめるスピーカーマトリックス疑似4チャンネル

リアスピーカー2個を追加して自分好みの疑似4チャンネルで心地よい音楽を楽しみましょう。 難しいことは別にして、10個の回路を紹介していますから、いろいろな結線を試してみて、自分の好みの音を探してみましょう。

ここでの「疑似4チャンネル」(スピーカマトリクスという言い方もあります)は、メインスピーカ(フロントスピーカー)端子からリアスピーカーをつないで、前の音の一部をリアスピーカから出す方法です。リア用のアンプは不要です。

CDなどの音源には音の位相の違いや左右の音量レベル差などがあるので、単にリアスピーカーをつなぐだけでも、また、リアスピーカーの極性(プラス・マイナス)を変えただけでも、フロントスピーカーだけの場合とは異なった音になります。

ここでは、難しいことは考えずに10種類の回路について、実際に結線してみて聴き比べてみました。

微妙な違いですが、それぞれで違った音が楽しめます。

リアスピーカーはフロントと違うものでOKですが、少なくともペア(同仕様のもの)のものを用いましょう。

初めにお断りしておきますが、この方法は、複数のスピーカーを同じ出力端子につなぐので、適正なインピーダンスにならない … などの電気的な問題の懸念がある、いわば「邪道」といわれるものかもしれません。

しかし、室内で聴く程度の音量ではアンプなどの負荷も少ないのか、私は長い間使っていても機器の異常などはありませんから、「個人的に楽しむものならOK」と割り切って紹介しています。

また、「音」の評価などは各自で異なりますし、使うスピーカーの種類や効率などが異なるので、絶対に「これがいい」ということも言えないことも承知ください。

私もしばしば経験することですが、その日の気分や気候によっても音の聞こえ方は変わりますし、リスニング環境が違うと全く聞こえ方は違うでしょうから、ここでは細かいことは考えないで、「個人的に小音量で楽しむ」ための方法の一つとして、自分が聞きやすいと思う回路を探してみていただくといいと思います。

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10種類の回路 ともかく結線して音を聞いてみました

フロントスピーカ(FL・FR)からリアスピーカ(RL・RR)をつなぐ場合は、まず、下のような4種類のパターンが考えられます。 この4つはプラスマイナスのつなぎ方を変えているだけです。 しかし、これでもそれぞれで音の違いがでます。

単純につないでみます でも、これらはそんなに良さはないかも

単純な結線の回路

前後を同相(フロントのプラスはリアのプラスにつなぐ方法)にするのと、リアを逆相にする方法だけで上のような4種類の方法があります。

結線方法は、普段聞いているフロント側のスピーカー端子にリアスピーカーのコードをつなぐだけです。

これだけでも、フロントだけのものとは違う音になりますが、この4種を私が実際に結線して音を聴いた感想を簡単に紹介します。 私の環境での感想ですので、後で紹介する6つの回路も併せて試してみて好みのものを選ぶといいでしょう。

【私の視聴した感想】例えば上の「0a」は、前後それぞれのスピーカーを同相でつないだだけのものですから、同位相の音が前後のスピーカから出ているので、音源が少し前に出てくる感じで少し圧迫感がある感じの音になるだけでサラウンド感はありませんが、「0a」以外の、前後をクロスしたり、リア側の極性(プラス・マイナス)を変えと、フロントの音の定位が少し甘くなる感じになり、その分、音の広がりや後方への回り込みが感じられます。(あくまで私感です)

それもあって、例えば、冨田勲さんなどシンセサイザー音でエコーがかかっているCDを聞くと、音の位相が複雑に変わって、結構ワクワク感が出ます。

ただ、これら4つのいずれも、後ろスピーカからの音が少し大きすぎる感じで、それが違和感として残ります。

スピーカをつないだだけのものなので、簡単に前後の音量バランスを変えられないので、リスニングポジション(聞き位置)を変えて、いい位置を探すのもいいのですが、これは通常の聞き方ではありませんから、それもあって、上の4つよりも、リアから出る音の小さな、比較的良さそと思う6種類の回路を下に示しています。

さらに6種類を追加して試してみましょう

さらに6種類の結線方法

ここでは①②③の三種類とそれぞれのリア側の極性を逆に似たものの計6種類を示します。

もちろん、①②ではさらなる変形も考えられますが、ともかくここでは、この6種類についていろいろなCDを聴いてみました。 もちろん、違った音が楽しめます。

【私の視聴した感想】 先の4種類と違って、これら6種類は片側結線などと、ちょっと変わったつなぎ方のために、リアスピーカからの音は若干小さいので、リスニングポジションをそんなに気にすることなく楽しめるでしょう。

また、先の4種類よりは自然なサラウンド感になっていて、WEBでもいろいろな記事に見られる結線方法ですが、これらのいずれを聞いてみても変な音ではなく、それぞれ音の違いが楽しめます。

ただ、この①上下の2つを、フロント側の音を消してリアスピーカだけで音をだすと、リアから出る音は、どちらか片側に寄った音が聞こえて変な感じです。 しかし、不思議ですが、前後の音を出して聴くとそんなに違和感がありません。 また、②③はリアの左右から均等に音が出ていて、①にくらべると「自然さ」があります。

私の好みでは、②の下側のエコー感のある音と③の両方の自然感のあるエコー感のある音が気に入っています。

一般的な結線と音の傾向でいうと、リアスピーカをフロントのプラスマイナスの逆結線にすると、後ろに抜ける感じの音になるので、下段のほうが広がり感が増して聞こえるような感じなのでポップス向きといえますし、クラシックには③がいい感じですが、いずれも「後ろから音が聞こえる」というような音ではありません。(これも私感です)

ただ、クラシック音楽では音の定位も大事なので、結局、自然観を重視して③の上下2種類に固定して切り替えスイッチを作って切り替えて使う使い方に落ち着いています。(→こちらに関連記事

音楽は自分で納得した音で聴いてこそ至福に

私のリスニング装置 今回の実験に使った切り替えスイッチ

音は個人の「好み」がありますし、聞く環境やその日の気分でも変わります。

だから、どんな音がいい音だとはいいにくいのですが、私は写真のように、気分に合わせて様々なスピーカーを切り替えたり複合で使ったりして音楽を聴いています。 もちろん専門家から見れば眉唾ものでしょうが、インピーダンスなどを気にすると際限がありませんから、自分で聞いて満足すればそれでいいと割り切って、リクライニングチェアで寝転がって聞く事が多いので、上の写真のようにスピーカーを逆置きするなどで気に入る聴き方を探して聴いています。

今回の視聴の実験用には、上のバナナチップの切り替えスイッチを使って意外と簡単に比較視聴ができました。(この切替スイッチはお勧めするほどのものではありませんが参考に)

余談ですが、フロントスピーカーは、写真のように4種計16個のスピーカを組み合わせて使っているので、複合して聴くとことができる切替スイッチを使っています。 これが結構便利で、複合使用によるトラブルもありません。もちろんこれもイレギュラーな使い方ですが、安いものを便利に使っています。参考に。

そしてさらに、下のコールマン製のリクライニングチェアーに寝転んで音楽を聞くのがお気に入りです。

過去には「座椅子」で聞いていたのですが、このリクライニングチェアーは座椅子よりも安価で、フルリクライニングなので心地よさも倍増し、上の写真のようにスピーカー逆置きするなど、気に入る音を探して聞いています。これはおすすめ。

このチェアーは、本来は野外で使う製品のようで、足にフェルトをまくなどして床を保護して使っていますが、水平以上に足が上がるので、これが結構リラックスできます。

このように、ともかく、何よりも、自分が「いい」と思うのが大事で、この疑似サラウンド(スピーカマトリックス)も、難しく考えないでいろいろなつなぎ方をして音楽を楽しんでいただきたいと思います。何かのお役に立てば。


(来歴)2025年1月文章作成 2月見直し。 R7.3月末見直し