これから伸びるか? ネット宅配クリーニング

ネットで注文できるクリーニングというサイトがいくつかあります。

私自身、近年は、クリーニングに出すものが変わってきています。

ほとんどは家で洗濯しますので、「ただ洗うだけでいい」というものではなく、会社が貸与してくれている「しみ抜き」が必要な作業服、ダウン、革製品など特殊品で、家庭での洗濯ではどうにもできないものしか出さないようになってきているので、便利なのかなぁと思って調べてみました。(クリーニング店についての記事をこちらに書きました)

これは、ネットで注文して、宅配便を利用してクリーニング品を受け渡しするのですが、従来のクリーニング店に持っていくのとどちらが利便性が高いのか・・・ということと、さらに、便利さに加えて、①価格 ②納期 ③仕上がりと安全性 などが、現在のクリーニングとは違う、何かの差別化が図られないとメリットはありません。

しかし、各社のHPを見ると、業者側の意図なのか、仕組みがまだ未成熟なのか、利便性の良さが伝わってきませんし、サイト間や既存店間の相互比較がしにくいHPの内容になっているので、私の結論的な言い方ですが、まだまだ未知数が多くて、既存のクリーニング店(または取次店)のほうになってしまいます。

もちろん、HPはしっかりとした書き方で、問題が起きないように配慮されているのですが、客側がしっかり対応するかどうかは客側の問題であるので、やりにくいとは思いますが、クリーニングに加えて、一般のクリーニング店が敬遠する『保管サービス』を売りにするところもあって、これは、手狭な世帯には便利そうですし、都市に住む若い人に受け入れられそうな点なので、今後は、需要が伸びて新しい業態となっていく可能性も高いでしょう。

私の場合で言うと、クリーニングに出すものが変わってきています

私の家族の場合を見ると、年々、クリーニングに出す回数は減っていて、昨年1年間では、毛皮、ダウン、汚れの酷い作業服などの、自宅では洗濯か難しいものだけを依頼しているようですし、さらに、シミ抜き、折り目加工などはクリーニングに出してやってもらわないといけないものが多くなって、それもあって、1回あたりの金額は結構な額になります。

クリーニング店は、このように、私にとっては無くてはならないものですので、(クリーニングに関係する記事はこちら)新しい業態のネットクリーニングがどのように評価されていくのかは、もう少し時間がかかる感じがします。

ネットで注文するクリーニングとはどんなもの?

一口に言うと、ネットで注文できるクリーニングは、WEBで注文すると引き取り納品を「宅急便」がやってくれて、さらに長期保管してくれるサービスもある・・・というものです。まず、共通する部分についてザーッと説明すると、・・・

1)WEBから注文しますが、注文する前に、会員登録をしておきます。

登録には数日かかりますので事前に申し込みをしておきます。支払いはクレジット払いが一般的です。

2)クリーニングに出す場合は、専用のパック・ダンボールで受け渡しします。これらの用品は事前に届けられるようになっています。

それ以外は代引き費用が掛かるなどがあるところがありますので、まず、そこをチェックしてください。

3)ヤマトの宅急便などが引き取りに来てくれるか、コンビニへ持ち込むタイプもあります。 発送伝票は事前に用意されています。

クリーニング会社によって、数量の決まりがあります。1枚でもOKのところや、ケースに入るだけのものを同時に出すことができるところ、5点、10点などのセット料金が決まっているところなどで、個々の会社(サイト)で扱い方の違いがあります。もちろん、セット料金の設定であっても、追加1枚単価が設定されているなどの融通は効くようです。

それもあるので、「価格」については、出す枚数などの条件で各社異なっていて、結構わかりにくいでしょう。まず、時間がある時に、HPで料金シミュレーションして試算しておくといいでしょう。

4)クリーニング品は工場に到着後に検品したのち、問題がなければ洗濯作業に入ります。クリーニングが完了すると包装して返送されますが、希望により保管してもらえるサービスもあります。

5)クリーニングされた品物は宅配便で返送されてきます。

それを図で示すと、こんな感じです。

宅配でクリーニング「保管サービス」+ クリーニング工程

希望があれば数か月から1年間保管してもらえますのでマンションで収納場所の少ない方には便利でしょう。これが大きなポイントで、若い人や出不精の方や高齢の方に喜ばれそうです。

昔のクリーニングは・・・

若い方はご存じないかもしれませんが、昭和40年代頃にはサザエさんに出てくるイメージのように、「洗濯屋さん」が1軒1軒の家庭を回って定期的に注文を集めて、クリーニングが終わると配達してくれていました。

大きなデニムバッグを業務用自転車の荷台に積んでお得意様を回って集荷配達する姿は街の風景にも溶け込んでいたのですが、平成年代には、大型の工場で集中的にクリーニングをする形態になっていき、洗濯設備を持たない取次店が町のあちこちにできました。

私の家庭でも、近所にあるお店(取次店)にそれを持って行けるようになって非常に便利になりましたし、結構安価なので、衣替え時期に合わせてクリーニング店を利用しています。

チェーン店化してクリーニング代も安くなったのですが、近所の取次店も2店舗が消えてしまったように、従来型のクリーニング店(取次店)は店舗数が減っています。

これには、家庭用の洗濯洗剤の進化や選択しやすい布地になってきたことや、コインランドリーも清潔に使えるように工夫されたことなどもあって、クリーニング店に持っていかない風潮になったことが店舗の減少になっているのですが(これらの統計数字はこちらに)、私自身も、クリーニング店に品物を持っていくのが億劫で、取次店に品物を持っていった時の品物を検品されている時が結構嫌なので、どうしても必要になるものしか出さないようになったしまったのですが、対面しなくてもいいネットクリーニングに少し期待しています。

しかし、これも、見方を変えれば、クリーニングに対するクレーム対策のためにきっちり検品しなくてはならなくなった・・・ということなので、これは、システム的な問題というよりも、店員教育やマニュアル作りで解決できる感じがします。

そうやって、既存店でもどんどん改善が進むので、このネットを利用するクリーニングは既存店以上にアイデアと価値あるサービスに特化していかないと生き残れないでしょう。

宅配クリーニング

ここでは、『保管サービス』はひとつの『売り』になっていく感じです

保管は、有料のところと一定期間が無料のところがあります。

実店舗(町のクリーニング店やチェーン店)では引き取り日が指定され、長期に預けることができませんでしたが、ネットクリーニングでは、長いところでは1年間、安心して預けておくことができます。

荷物の多いマンションに住む人などには「レンタルガレージ」を借りる方が増えているようですが、これと同様にすごいサービスといえるでしょう。

返送期日を指定しておくと、専用倉庫に安全に保管されているクリーニング済みの衣類が、指定日に合わせて返送される仕組みです。

この一連の流れは以下のようになります。

クリーニング~保管のパック

クリーニングに出すときの注意点には気をつけてください

クリーニング(洗濯)してもらえないものが詳しくリストアップされています。

それらは、クリーニングに出したいと送付しても、そのまま返送されますので、注意しておかなければなりません。

さらに、「プリントがはげた」「スパンコールや飾り物が取れた」「ストレッチ機能が低下した」などの問題が起きないように、HPの注意事項を確認して送付しなければなりません。しなければいけないことは常識的なものですが、読んで確実に処理するには高齢者には大変ですし、間違って送付すると、返送されてきますので、時間の無駄になります。

何でも出せば洗ってもらえる・・・ということにはなっていないのは既存店に出す場合も同じですが、何か敷居が高い感じが残ります。

特に気をつけないといけないのは、洗濯表示タグがないものは受け付けてもらえない場合がありますのでご注意を・・・。(一般のクリーニング店でも受け付けてもらえない場合がありますね)

この「ノータグ」は、一般の取扱店でもはねられる場合も多いので、覚えておくといいでしょう。

不明点は事前に問い合わせしたほうが無難です。これらの点は実店舗よりもやりにくい点です。

追加料金がかかるものもあります

もしも追加料金が必要ならば、検品後に電話で確認があるか、またはHP上に料金を表示しメールで連絡があるので、それを確認了承するとクリーニング作業に入るという手順になります。

料金は平均して近所の取次店よりも「高め」

料金は、それぞれの会社(サイト)で差があります。もちろん、サービス内容についても差があって、HPを見ても、金額の評価は難しいという内容になっていて、それぞれに良いところもあればその逆のところもあるという状況なので、HPで試算(シミュレーション)してみるのがいいでしょう。

相対的に見て、価格面について実店舗(近所の取次店など)とHPにある価格表の価格などを比べてみたところ、WEBが負けている状態でした。

個々には書きませんが、HPを見ても「安い」ということを売りにしているところはありません。つまり、ネット宅配クリーニングは価格では勝負していないといえます。ランドリー(イメージ)

これからどうなっていくのでしょう

この、ネット宅配クリーニングが町のクリーニング店(取次店)に取って代わることは当面はない感じですが、WEBクリーニングの目玉は、居ながらにして注文できることや長期保管サービスなどの、既存のクリーニング店にないところが「売り」です。

各家庭のクリーニングにかける費用が減っている現状ですので、どのように顧客を取り込むのかがポイントになるのですが、残念ながら、現状のネット宅配クリーニングのWEB記事を見ると、内容もまちまちですので、各会社が試行錯誤段階にあると言えるのかもしれませんが、これは大きなマイナス要因です。

目玉である「居ながらにしてクリーニングに出せることや、長期保管」は、置き場所の少ない若い世帯や高齢者にとっていいサービスといえるかもしれませんが、高齢者がネットを使いこなすことは期待できませんし、さらに、依頼して送った品物を、あれこれチェックされたり、適合非適合を細かく制限されることは若い人でも抵抗があることで、さらに、クリーニング価格も特別に安くない・・・とすると、まだまだネット宅配クリーニングのやり方は変わっていくべき要素がある感じがします。

このネットを利用したシステムが機能するのは、ヤマト運輸などの宅配・運送業があってこそですが、運送費用はクリーニング価格に転嫁されるので、Amazonや楽天のように、ネットクリーニングが現状のクリーニング店と競争となるには、もう1ひねりも2ひねりもされていかないと生き残れないでしょう。

WEB業者は、クリーニング工場や倉庫(長期保管場所)はどこにあってもいいのですから、採算性や顧客の利便性を高める要素はいくつかありますから、価格問題を克服できたところが勝ち組になるという可能性も高いですし、流通システムを駆使できる新しい業態に位置づけられるものですので、きっと伸びる業種になっていくと思います。

クレーム対応も生き残り策の一つ

別の統計ページに書きましたが、クリーニング業の業績は低下し続けていますし、かなり顧客とのトラブルがあるという数字があります。

対面営業でもこの状況ですので、ネットの受渡では、もっと深刻な状況が予想できますが、反対に言えば、これを克服すれば需要は高まります。

よい品物を(Q=品質)・安く(C=コスト)・早く(D=納期)・・・が生き残り策ですが、HPを見ていて、まだまだ手探り状態の感じですが、今後はさらに、クリーニング工場を持たないところも多くが参入してくるなどで、サービス業化などへの変化も加わって、弱いところは淘汰されて洗練されていく必要があるでしょう。

各社の売りポイント

各社のHPの記事を見ても、それぞれが様々な特色をPRしています。

①加工工場の所在や内容が見えやすいようにして、品質面を前面に出しているところ
②最適価格や依頼しやすさの価格を打ち出しているところ
③トラブルを起こさないために丁寧な説明を加えているところ

・・・などを工夫して受注につなげる努力がみられます。

ただ、一通り読み比べてみても、完全にそれらすべてに抜き出ているサービス(サイト)も現状ではないようで、サイト(業者)側も試行錯誤中かもしれず、優劣をHPだけで決めるのが難しいようですが、それらは今後、時間とともに洗練されて良い方向に変わっていくでしょう。

このように、WEBクリーニングは「便利な人には便利な仕組み」ですが、それが受け入れられるのには、いつも出しているクリーニング店と比べて、絶対的に優れた点がないといけないですし、完全に一連の手続きに安心できるかどうかもポイントになります。

現状での私のクリーニングに出す品物は、レザー、ダウン、汚れた作業服などですが、これらを扱って満足できる店を定着させるまでにも、何軒かの店を変えたのですが、これらはトラブルが起きそうな問題ある品物ですので、価格的にも、品質的にも、「それらもOKですよ・・・」というPRがWEBのHPで出てきて、さらに、マスコミなどに取り上げられてくるようになるのを待っています。

最後までお読みいただきありがとうございます。


(来歴)平成17年7月記事作成 R2.1月文章集約 R3.8月ページ集合、最終R4.5月見直し